考える葬儀屋さんのブログ 


お葬式の担当をしながら日々考えたことを書く葬儀屋さんのブログ。 葬儀費用が心配な方、 お葬式のマナーを知りたい方、 葬儀社への就職を考えている方、 エンディングノートに興味のある方 是非お立ち寄りください。
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  • それは言わない方が・・・
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「いつもの」事件

もはや定番となってしまった感がありますが
先日もこのような報道がありました。
これに対して私は
‘圧,倭魑径紊ないせいじゃない
▲泪好灰澆老抻“表をそのまま垂れ流すな!
という主旨の記事を過去何本か書いています。

(参考記事:くどいようですがもう一度
(参考記事: 「葬儀代が無いから遺体を捨てた」は嘘だ

言いたいことは既に上記の記事で申し上げていますが
最近

2円で刑務所、5億で執行猶予 (光文社新書)

浜井浩一 光文社 2009-10-16
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という本を読んで
若干付け加えて申し上げたいことがあります。

この本の内容は
犯罪学の研究者が書いた犯罪統計への考察です。

刑務所に入っていると聞くと、
道徳観の欠如した狂犬のような人が多いイメージがありますが
実はそうでもないようです。
障害とまでは言えないが、生活能力や学力が不十分で

出所しても働き口が無い
→金が無くなる→どうしていいかわからない
→モノを盗む→また刑務所

という「社会的弱者」の方が結構いるようです。

たまに餓死で発見、というような報道があると
なんで?って思ってましたが
この本を読むとたしかにそういうこともあり得ると思えます。

今回の事件は遺体遺棄や隠蔽というより
何も考えずに放棄、という状態なので
もしかすると
上記のような人が起した可能性はないでしょうか?

だとしたらなおさらマスコミが行うべきことは
同様の事件を誘発しかねない、警察発表の垂れ流しではなく
社会的弱者でも行政のサポートで火葬ができるということを
アナウンスすることではないでしょうか?

追記:同じ主張を繰り返すのは正直徒労感があります。
しかしかつて繰り返し書いていた日本消費者協会のアンケートがおかしい
という主張が最近少しだけ浸透してきたという成功例?があるので
今回の件もあきらめずに言い続けようと思います。 


火葬場は7日〜10日間待たないと使えない

「火葬場は7日〜10日間待たないと使えない」
というデマが最近広まっているようなので
警告の為に今回の記事を書きました。

繰り返しますがこれはデマです。
事実ではありません。
 
全国をリサーチしたわけではありませんが
東京圏の場合は3日もすれば普通に火葬場が使えます。
葬儀をせず火葬だけであれば、昨日12時に亡くなった方を今日14時に火葬する
というケースも珍しくありません。
もちろん年末年始にかけて1週間待ちということはありますが
レアケースです。
人口比で火葬場が少ない地方都市の場合は
2,3日より少し伸びることがあるかも知れませんが
7日〜10日間ということはないでしょう。

そもそも7日〜10日間待ちが常態化していれば
エンバーミング(遺体保全処置技術)が爆発的に普及しているはずです。
(現状の普及率は約2%)

もちろん死亡人口の増加と火葬場新設のハードルの高さ(≒建設反対運動)によって
火葬待ち日数は長期化していくでしょう。
しかし死亡人口の年間増加率は1%前後なので急激な長期化は起きません。
カレンダー1

私がこのデマを初めて耳にしたのは
約1年半ほど前、あるテレビ局の方から取材を受けたときです。
そのテレビ局の方も知合いから「1週間待たされた」と聞かされたことがきっかけで
取材を始めたようです。

一部医療関係者の間で「火葬場を使うまで7日〜10日間待ち」
といううわさが流れているという話をいただきました。

この段階では
一部でそんなデマが定着しちゃってんのか
くらいの認識でした。

しかし偶然ですが
昨日近所のケーキ屋さんのおばさんに同じことを言われたために
これは予想以上にマズイことになっているのではないか、
と思いこの記事を書き記すことにしたのです。
(余談ですが別に私がケーキ屋さんの常連というわけではなく
御遺族との雑談から故人の行きつけだった近所のケーキ屋さんを知る
→御霊前に供えようとそのケーキ屋さんにケーキを買いに行く
→領収書を書いてもらったら
 「ああ、あそこの葬儀屋さん?実はうちの親戚がね、〜」という流れ)
カレンダー2

コメント欄でのやりとりでは
.┘鵐璽襯吋等の死亡直後の遺体処置でイニシアチブを取りたい葬儀社が
過剰に遺体安置長期化のデマを流布しているのではないか、
という話でした。
(伝染病がちょっと流行ると、
研究費ほしさにパンデミックをあおる専門家と同じ構造ですね)

そしてさらに
他の原因も考えてみました。

火葬炉ではなく(人気の高い)火葬場併設の式場の待ち期間が長いという話と
 混同されて広まっている

G末年始待たされたという話が、一般化されて広まっている

た夕蠅里笋蠅りが厳しくなった一部の悪質な葬儀屋が
火葬場のせいにして、葬儀施行日程を調整している
(正直、一部の葬儀コメンテーターが言いそうな反証の難しい中傷発言は控えたいのですが
業界のうわさとしては存在しているので)

イ気蕕墨辰広まる途中で数字が盛られていく、というお決まりの現象

Π貮瑤糧晋業派のデマ
フクシマの件で、死亡人口が実は激増していて、政府はそれを隠している!
という陰謀説好きの連中がいるらしく
http://megalodon.jp/2013-1211-1141-03/ameblo.jp/sekainosyoutai/entry-11727039734.html) 
彼らがネットで撒き散らかしてるのでは?

以上のような複数の要因で
デマが広まっているのでは?
と考えています。

消費者の方は鵜呑みにしないように
お願いいたします。


葬儀関係のYouTube動画

前回
全葬蓮の作る宣伝動画がひどい件
という記事を書いたのですがそのついでに
興味深い葬儀関係のYouTube動画をいくつか見つけたのでご紹介。 
続きを読む

最近の葬儀業界の景気動向

葬儀社売上ランキングが発表されたので感想を。
 
綜合ユニコム(出版元)さんには悪いんだけど
このデータの信憑性が私の中では年々下がっていっています。

葬儀社売上ランキングの上位100社の中で
売上前年比100.0%(つまり前年と全く同じ)の会社が
27社もあるって、不自然でしょう。
どうやって調べているのかは「編集部で調査確認」としか
書かれていないので不明ですが、
ちょっとこれはまずいよね。
グラフ1212

売上前年比100.0%の葬儀社って実際は前年割れと考えると
(本当に売上前年比100.0%だったとしても、実質減益になっていると思われますが)
売上前期比アップの葬儀社って上位100社の3分の1しか存在しない、
ってことになる。
伸び率から推測すると増益の会社はもっと少ないということになる。

葬儀業界としてはごく一部の勝ち組と大多数の負け組化が進行中、
ってことでしょうか。

不景気な話ですが
葬儀屋さんの労働市場って流動的で競争原理が働いているのが救いかな。
ダメな人材でも高収入っていうのは解消されていると思われるので。
(参考記事: 葬儀屋の給料ってどれくらい? 2/2

とはいえ月間担当件数は増えて、収入が減るトレンドは進行中と思われますので
結果的にブラック企業化も進行中ってことですよね。

良い試練、と言っていられるのも今のうちかも(^^;)


全葬蓮の作る宣伝動画がひどい件

一般の方に説明しておくと
全葬蓮とは全日本葬祭業協同組合連合会の略で
葬儀屋さんの業界団体です。

以前
全葬蓮よ、覚悟はあるのか?
という記事で全葬蓮の製作した宣伝用ショートムービーを取り上げましたが
今回もやらかしてくれているようです。

【全葬連】安心して頼める葬儀社を選ぶ方法

内容は悪い葬儀屋さんと良い葬儀屋さんの見分け方なんだけど・・・

これが悪い葬儀屋さん

悪い葬儀屋2
これ、悪い葬儀屋さんじゃなくて「悪いヤツ」だから!
こんなの「北斗の拳」でしか見たことねーわ。
見分け方以前の問題。
消費者バカにしてるよね。 

全葬蓮加盟店にはこんな人はいない、というスタンスで作っているけど
特定の葬儀社が製作したんならともかく葬儀業界団体がこれを作るって
業界全体をおとしめていると思うんだが・・・

もうちょっとリアリティのある小狡い感じの俳優を使った方がいいんじゃない。
たとえば小日向文世とか左とん平とかさ。
あっ、とん平はまずいわ(^^;) 
 

それから良い葬儀屋さんのチョイスもビミョー

良い葬儀社2
うーん、体調不良を理由に1年半くらいで辞めてしまうタイプ(-_-)
あとプランの違いの説明が結構雑な気がするんだけど・・・

この動画の再生回数って3ヶ月でたったの600回ちょっとなんですけど。
製作会社にいくら払ったかは知りませんが
全葬蓮の広報担当者替えた方が良くないすか?


葬式仏教は正しい

葬式仏教は正しいのか、というお話。

今回ご紹介するのはこの本。
葬式仏教正当論―仏典で実証する

鈴木 隆泰 興山舎 2013-12
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 葬式仏教批判の一つに
「そもそも原始仏教は葬式を認めていなかった。
そう教典に書いてある」
というものがあります。

それに対しサンスクリッド語を解する学者兼和尚
「いやいや、違う。それは教典の解釈を間違えている。 
そして葬式を認めている教典もある」
と反論している内容です。

たとえば
「釈迦は自分の葬儀を禁じた」
というよく知られた従来の説の根拠は
大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)に収録されている釈迦の発言、
「君達は私のシャリーラプージャーに関わるな」
です。

このシャリーラプージャーは葬式と訳されているので
「釈迦は自分の葬儀を禁じた」ということになっているわけですね。

しかしこの本は著者はこう反論します。
前後の文脈と併せて読み解くと
シャリーラプージャーとは葬儀のことではなく
納棺や火葬などの遺体処置のことであり
君達と言っているのは出家者のことである。
つまり釈迦の本意は
「遺体処置は在家者がやるから、君達出家者はやらんでいい」
であり、葬式を禁じてなどいない
と。

こういう再解釈を積み重ねている内容で
なかなか面白いです。
 
さて
このような議論を読んで私が考えるのは
A.もともと始祖はそういう思想だったのか(本当にその通りに言ったのかの厳密性)
という問題と
B.もともとの教義の絶対性がそれほど重要なのか
という問題です。


A.もともと始祖はそういう思想だったのか(本当にその通りに言ったのか)
に関して。
 
部下に対してメールと口頭の両方で指示だしても
間違って伝わってしまうことってありますよね。
だったら始祖が亡くなってから何百年も経ってから口頭継承されたものを編纂したら
絶対間違って伝わってるだろ!
って思うんですよね。
百歩譲ってその通り言っていたとしても
解釈を個々で好きなようにやっちゃったら同じことだし。

だから
経典主義者に関しては
伝言ゲームの結果に人生を捧げちゃって大丈夫?
と人ごとながら私は思うのです。

確かにキリスト教原理主義みたいに
経典こそが世界の基準であり。世界の秩序より上位に聖書が位置するというレベルまで
聖書無謬説というやつですね)
信じこんじゃえば発言の真偽なんて関係無くなるのかもしれないけど・・・

(↓信じこんじゃった人々がこちら)
by カエレバ

百歩譲って、仮に教典が始祖の言葉を100%正確に伝えていたとしても
解釈する人間が腐ってたらどうしようもないよね。
そして権威は必ず腐ってしまう。
そもそも腐敗した教会の勝手な解釈で免罪符発行したところから
始まったわけで。

さっきキリスト教原理主義くらいになれば、ということを言ったけど
キリスト教も教派によって信仰の度合いにグラデーションがあるから
それはそれで周りとの付き合いがやっかいなことになりそうですね。

教典の無謬説に立つなら
イスラム教が一番強いと個人的に思っています。
イスラム教ではクルアーンはアラビア語以外は認めない、
つまり翻訳されたクルアーンはクルアーンではないという徹底した立場に立っています。
(クルアーンって昔はコーランて言われていたイスラム教の教典です)
解釈に関してもちゃんと公式見解というものがあります。 
最近イスラム教の勉強してるんですけど
この観点からみると宗教の中で一番モダンで現代社会にマッチするのは
イスラム教じゃないかなと思ってしまう今日この頃。
この詳しい話はまた後日。


さて
そもそも、教典がぐちゃぐちゃになっている
大乗仏教で教典の厳密性を説くのは、
それこそ(世間で使われる意味での)神学論争、
という気がしないでもない。

よって従来の仏教教典解釈にも
この本の著者の解釈にも
私は与することができないのです。

ここで出てくるのが
B.もともとの教義の絶対性がそれほど重要なのか
という問題。

今の葬式仏教は開祖の思想からはちょっと離れちゃったかも知れないけど
多くの日本人の間では葬式の時は仏教、っていうコンセンサスできてんだから
それでいいじゃん
というのが私の考え。

ちなみに↓この本では

日本という方法―おもかげ・うつろいの文化 (NHKブックス)

松岡 正剛 日本放送出版協会 2006-09
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歴史的に大昔から大和民族は異質のものを混在させて
全く気にしないという特質について言及されている。
仏教と神道でもずっとそれがあったと。

だから
その都度社会変化に合せて教義が変化していくのは
日本においては自然なことで、
ケセラセラ(なるようになる)
という考え方でいいんではないかな。

そもそも
いわしの頭も信心から
って言いますしね・・・
っていうと宗教界から怒られるかな。
でもこの考え方って
命の次に大切で、我々の世界を支えている「お金」についても言えることですよね。
ただの紙に過ぎない貨幣に価値があると信じるのも
金融システムに対する一種の信仰ですからね。
ビットコインの様に システムが変わっても
信仰さえあればいいわけで・・・ 

というわけでつらつらと書いてきましたけど、結論はこれ。

葬式仏教 上等!


レッドオーシャンの新サービス?

葬儀社紹介業というレッドオーシャンに参入する強者を発見。
 

まず、この勇気を称えたいです。
私ならやりません(^^;)

リバースオークション?という言葉に引かれて早速アクセス!

このプレスリリース時にはまだサイトが立ち上がってなくて
10月1日から立ち上がったようです。

ちょこちょこいじってみた感想は、
「このサービスって価格.comの葬儀社紹介カテゴリーと一緒ではないのか?」
というもの。

参加葬儀社が条件に合わせて葬儀費用を提示して
消費者がその中から選ぶという仕組み。

以前価格.comの葬儀社紹介ページがかかえる問題点を
指摘したことがあります。
価格.comの他のカテゴリーは同一商品をオークション形式で
(つまり値段の安さだけで)
選ばせているが
葬儀カテゴリーは異なる商品を、値段の安さで選ばせているので
無理があるのではないか、という主旨です。 

同様の問題が存在することが
下記のプレスリリース内の記述からうかがい知ることができます。
(2) お客様それぞれが考える「最高の条件」を自分で選択
葬儀を選ばれる際に重視するポイントは人それぞれです
(価格、葬儀社の知名度、自宅から近い式場、サービス内容など)。
「クリック葬儀」では、葬儀をお探しの方が重視するポイントに合わせ、
多数の条件で比較し、
それぞれが考える「最高の条件」をご自身で選ぶことができます。

この類のオークションサービスは
『多数の条件で比較し、それぞれが考える「最高の条件」をご自身で選ぶ』ことが
実際消費者にとって大変難しいのが
最大の問題なんです。

あの大前研一氏ですら読み違えてました。
(参考記事: 大前研一氏の葬儀業界の分析が非常にいい加減な件

「それぞれが考える「最高の条件」をご自身で選ぶ」
ことができる消費者なら、そもそもこのシステムを利用せずに
自分で葬儀社を選ぶのではないでしょうか。
インターネットえ

さらに
私は首都圏エリアを検索してみましたが
紹介される葬儀社が少なく、
ある葬儀社にいたっては自社サイトを見つけることができませんでした。(2014年10月2日現在)
これはサービスの立ち上げを急いだ時にありがちなことなので、目をつぶるとしても
葬儀社紹介NPO法人をエントリーしているのはいかがなものか?
楽天トラベルの紹介先ホテルに一休.comが入っているような状態なんですが・・・
ここも価格.comの悪いところを真似てしまったような。
(参考記事: 価格.comの憂鬱

このサービスの運営会社サイトを見てみると
どうも早稲田発のベンチャーのようです。
(関連サービスのリンクが切れているのはうっかりなのか
わざとなのか?)

中堅が経営多角化のために数打った鉄砲の一つならともかく
ベンチャーなのにこの戦略はリスキーです。
もちろんベンチャーにリスクはつきものですが
これは筋が悪い。

以前から存在する類似の商売のプラットフォームを兼用して超低コストで運用とか、
紹介元と引受先が同じとか
なんらかの仕組みがないと成立しないビジネスモデルだと思うのですが・・・

しかし一方で
終活カウンセラーです、って名乗ってるスタッフK氏の正体が
一見無謀にも見えるが何かあるのかもしれない、と思ってしまうのです。

立ち上げた以上はがんばっていただきたいです。
経緯を見守りたいと思います。


葬儀の専門家(笑)の現在

昔からマスメディアで
葬儀の専門家として葬儀について語る方々
がいらっしゃいます。

葬儀屋ってダメな奴ら
という発言することで
お金の入るポジションの人(ライターとかコメンテーターとか葬儀屋紹介業とか)が
多いのが特徴です。

その栄枯盛衰ぶりについての考察をしてみたいと思います。

10年くらい前は二村祐輔氏かな。
彼は元葬儀屋です。

その後、I女史が登場しました。
(なんでイニシャルなのかはこの記事を参照)

I女史は今週のプレジデントでも
執筆されています。
以前の事件にもかかわらず
継続して使われているということは
彼女のレベルの高さによるものなのか人手不足なのかは分りません。

PRESIDENT (プレジデント) 2014年 10/13号 [雑誌]

プレジデント社 2014-09-22
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今回の記事中でも
散骨に対して
法務省が節度を守ったものであれば違法ではないという公式見解をだしているにも関わらず
「グレー」と言ってみたり、
「実際に家族葬を選ぶ人は全体の半分ですが検討する人は8割から9割」って
ソース(出典)はどこの統計値だよ、あんたの印象じゃねぇか
とツッコミたくなる、経済誌の記事とは思えないクオリティは
相変わらず抜群の安定感です。

しかし時代は変わります。

プレジデントの彼女の記事は88ページで終わり
89ページからニューカマー佐々木悦子女史の記事が始まるのです。

ここに
葬儀の専門家の
世代交代をみるのは私だけでしょうか。

以前から佐々木悦子女史の活躍を預言していた私としては

佐々木悦子女史はさらに
2014年9月26日放送のフジテレビ「してみるテレビ 教訓のススメ
にも出演されていました。
 
「芸能人のお葬式ってお金かかるんですねー」のフリに
「1,000万円くらいはかかっているはずですね」という
小学生の言う「ひゃくまんえん」レベルの回答。

あと出演者の加賀まりこさんが
「迷惑かけたくないから、葬儀に人は呼ばない。私はゼロ葬」
とおっしゃったので、
私はとうとう島田裕巳氏の「ゼロ葬」がここまで普及したのか、とびっくりしたのですが
そのあと続けて「お墓はもう買った」とおっしゃったので、テレビの前で苦笑しました。
いや、墓を用意してるんなら、それゼロ葬じゃなくて、直葬じゃん。
 
0葬 ――あっさり死ぬ

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でも佐々木悦子女史はツッこみません。
正しさ、はどうでもいいのかもしれません。

さてI女史のポジションを着実に佐々木悦子女史が奪っている秘訣は
なんなのでしょうか。

お二人とも経歴を見る限り
通常の葬儀屋の業務、
つまりお葬式を取り仕切った経験は全くないようです。

普通の神経ならマスメディアに登場して
葬儀のことについて語るなど怖くてできないはずです。
そういう意味ではお二人とも素晴らしいメンタルの強さと言えるでしょう。
(わたくしごとで恐縮ですが先日地域のコミュニティ誌への寄稿しました。
この程度の部数ですら私には結構なプレッシャーでした。
自分の小物感を残念に思います)

ただこのメンタルの強さ、において
佐々木悦子女史はI女史をはるかに凌駕する。

I女史が名乗る肩書きは所詮、「葬儀相談員」です。
フツーだ。
これに対し佐々木悦子女史の肩書きは
葬儀・お墓のプロフェッショナル(笑)
です。

テレビ出演時に番組が勝手に付けたものではありません。
サイトなどの公式プロフィールにおいて
自分でそう名乗っているのです。
(私は1,000件以上お葬式の担当をしていますが
テレビに出て、真顔でこの肩書きを名乗れと言われたら
こめかみに銃口を当てられている状況でない限り、無理です)
言ったもん勝ちです。 

佐々木悦子女史がI女史の仕事を奪いつつあるのは
まさにこの点だと思うのです。

佐々木悦子女史がこのポジションを得たことで
今後、彼女の見解が、お葬式における正解として
全国レベルで撒き散らかされることを
私は危惧しています。
過去の記事でも指摘したように
葬儀屋さんなら犯さないような誤りや
「葬儀屋ってこんなヒドイ奴」的な一方的ポジショントーク
を自重されることを祈らずにはいられません。 

今週号の週刊プレジデントの88ページと89ページの見開きは
葬儀の専門家世代交替の
メルクマールとして長く記憶されるはずです。

俺の脳内に限り、だけど。


この葬儀にはやられた!

遺品をただ式場にちょっと並べたくらいで
「その人らしい葬儀を行うのがウチのモットーです」
みたいな広告を出している葬儀社の方へ。

今回紹介するのはこの本。 

世界に売るということ

平野 暁臣 プレジデント社 2014-07-26
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著者は
岡本太郎のパートナーである岡本敏子の甥であり
空間メディアプロデューサーでもある平野 暁臣氏。

この本の中に、氏が企画した岡本敏子さんの葬儀(お別れ会というべきか)に
関する記述がある。(P70〜)

幸いにもネット上にそのページが掲載されていた。 

常識を度外視した岡本敏子の葬儀


葬儀屋として
やられた!
という感じ。

この「作品」は
・亡くなった二人に最も近い存在で
・空間演出のプロでもある人物が
・考え抜いた
という条件が揃った結果
生まれた傑作。

引いて引いて最後に本質だけを残すというやり方。
wmf

どうしても葬儀屋は
足そう足そうとするんだよね。

一つは商売だから。
足し算でしかお代はいただけないと思ってしまう。

次に葬儀屋は故人の生前の情報を持たないから。
過剰に情報を足して埋めようとする。
でも最近のように親しい人が中心のお葬式になると
あくまでモノは故人への想いを喚起させるトリガーであればいい。

実際、限られた時間や情報や予算の中で
こういう「引き算の付加価値」をつけることは大変難しい。
 
だけど自分の引き出しの中に持っておきたいと思う。


それは言わない方が・・・

先週から今週にかけて、
名古屋の葬儀社ティアの社長冨安徳久氏のインタビュー記事が
あるサイトに掲載されました。

仕事をしたら“葬儀を安く”できた(前編):葬儀代を明朗会計にした会社――すぐに“嫌がらせ”をされた (1/6) - Business Media 誠
 
仕事をしたら“葬儀を安く”できた(後編):どんな人が向いているの? 葬儀会社で働く人が感じる壁 (1/5) - Business Media 誠

後編は一般読者向けとしては良い内容だと思いました。

一方、前編のインタビューを読んだときに
ちょっとこれは言わない方が良いのではないか
と感じた箇所がありました。

それは
という話です。


(以下記事本文から一部引用)
土肥: これまで業界が隠してきたことをオープンにしたわけですから、いろいろな嫌がらせがあったのではないでしょうか?
冨安: ありました、ありました(笑)。ある団体の人が「ウチの組織に加盟しろ」と言ってきたんですよ。なぜ、加盟しなければいけないのかと聞いたところ「このままだと、葬儀代金が値崩れしてしまうから」と言うんです。
土肥: また、えらく正直に(笑)。
冨安: 業界が結託して、高価格の葬儀を維持しようと動いていたんですよ。「消費者は気にしていないから、いや、そもそも知らないんだから、この価格でやろうよ」といった感じ。でも、私がなぜ会社を立ち上げたかというと、高価格の葬儀に疑問を感じたから。値崩れさせたいためにやっているのだから、そんな団体には加盟しませんでした。そうしたら、その後大変なことに……。
土肥: どうしたんですか冨安: 嫌がらせが始まったんですよ。
土肥: どんな嫌がらせですか?
冨安: 葬儀を行うとき、場所を示すために看板を立てます。見たことがある人も多いと思いますが、その看板には「→」「←」といった感じで、矢印を記しているのですが、その方向を変えられたんですよ。そんなことされると、困りますよね。お葬式に参列しようと思っている人たちが、道に迷ってしまう。
 誰だこんなイタズラをしたのは……と思って他の看板を調べたところ、それも向きが変わっていた。気になったのですべての看板を確認したところ、すべて矢印の向きが変えられていました。
土肥: それはイカンですねえ。ティアを困らせるだけでなく、参列しようと思っている人も困らせようとしている。
冨安: 看板は動かないようにゴムでとめているのですが、そのゴムの一部を切られたことがありました。そうすると、看板がブラブラしてしまう。近くを歩いている人やクルマを運転している人たちからクレームが入るようになりました。また、朝になって看板を確認したところ、すべてなくなっていることがありました。夜中に撤去して、処分したのでしょう。
土肥: 嫌がらせはまだまだあるような。
冨安: 夜中の1時30分、会社の当直室に電話がかかってきました。「価格なんか出すな!」「安い金額でやるな!」などと言って、電話が切れる。毎晩1時30分にですよ。あまりにもしつこくかかってくるので、「オレは代表の冨安だ。オレの自宅にかけてこい」と言って、切ったんですよ。まさか自宅にまではかけてこないだろうと思っていたら、当時はNTTが配っていた電話帳に自宅の電話番号を掲載していたんですよ。というわけで、自宅に電話がかかってくることに(涙)。
 また、当時の名刺には携帯電話の番号も明記していたので、携帯電話にもイタズラ電話がかかってくるようになりました。しばらく続いていたのですが、ある日「お前をぶっ殺す!」と脅されました。さすがにこれは行き過ぎだと思って、先輩に警察関係の人がいたので、その人に相談したんですよ。
 「警察は事件が起こらないと動かないことは分かっているのですが、もし私になにかあったら同業他社を調べてください。実は、夜中にイタズラ電話がかってきているんですよ」と。すると、先輩は「『ぶっ殺す!』と言っているうちは、殺さないよ。本気で殺そうと思っている奴は、そんなこと言わないから」と話してくれました。その言葉を聞いたときには、それまでのモヤモヤした気分が晴れましたね。
犯罪

これは読者に対し
「間接証拠だけを根拠に(≒決定的な証拠がないのに)葬儀屋ってヒドイ奴らと思わせる」
というミスリードを起こしていると思います。

確かに私も新規出店時の嫌がらせを経験しています。
冨安氏と同じように
案内看板をボコボコにされて捨てられたり、深夜嫌がらせの電話を受けたりしました。
あと電話で自宅に来てくださいと言われ、行ってみたら誰も呼んでませんと言われたり。

ただこれって、
本当に同じ葬儀屋の仕業と言い切ってしまっていいのでしょうか・・・

なぜそう考えるかというと、
嫌がらせをする葬儀屋の立場に立つと
労力の割にメリットがほとんど無いからです。

看板の件に関して言うと
そもそも式場までの動線を表示する案内看板は
徒歩や車の参列者が道に迷わないようにするため
できるだけ分りやすい、人通りの多い表通りに設置されます。
そのためもしいやがらせをやろうとするなら、
人通りの絶えた真夜中にやらなきゃいけません。
葬儀屋って毎日の激務で疲れて果てているのに、
わざわざそんなことするでしょうか?

そこまでやって相手に与えるダメージって
たかが知れてますよね。

案内看板とはいえ壊したら器物破損、盗んだら窃盗です。
万一犯行現場を見つかりでもしたら、
前科がつくかもしれないし、自社の評判はガタ落ち。
おまけに相手は事業を立ち上げたばかりの葬儀社で
脅威になるかどうかもわからない。

全然割に合わないと思いませんか?

そんなことするなら、
自社のレベルをアップする、
とそこまで健全でなくても
相手のネガティブな噂を流したりする方が
まだ有効で楽だと思うのですが・・・

確かに合理性のないバカ葬儀屋もいないではないだろうけど(^^;)
近所に葬儀会館ができたことを
非常に憤慨している反対派の中の特別にイタイ人の嫌がらせ
という可能性もゼロではないですよね?

電話の件もわざわざライバル葬儀屋って分るような
足の付く言い方するって言うのも不自然。
下手すりゃ火葬場や公営式場で話し声聞かれてバレかねないし。

もちろん、上記の話は全て私の推測です。
でも冨安さんの、「葬儀屋の」いやがらせを受けたっていう話も全て推測ですよね。
犯人の葬儀屋とっつかまえたわけじゃないですよね。

きっと葬儀屋がやったに違いない・・・
これって、冤罪の可能性は無いですかね。
ワルそうな奴だからきっとやったに違いない、みたいな。

公式な場にもかかわらず推測で、こういう発言をすることで
結果的に葬儀業界全体をおとしめるようなことになっていませんか?

あと冨安さんて
(同じ話を何度もしている人に多い現象なんだけど)
ちょっと話をふくらました結果なのか、
たまに理屈の通らないストーリーを話すことがありますよね。
警察が動かないっていうくだりも、「殺す」と言ったケースは脅迫罪が適用されるから
NTTの通信記録を調べるくらいはしてくれると思うんだがなぁ・・・
犯罪2

新規参入の葬儀社は、
「葬儀業界に嫌がらせを受けた」と
お約束のように喧伝します。
(参考記事:大前研一氏の葬儀業界の分析が非常にいい加減な件(おまけ)
そういう「やり口」をずっと見てきているので、
仮に百歩譲って冨安さんの件の真犯人が葬儀屋だったとしても
冨安さんにはそういう手法は採ってほしくないのです。 
「他の葬儀屋はチンピラだけどウチは違うもんね」
ということをことさら強調するのは
所詮2流3流の葬儀屋だと思うのです。

冨安さんが日頃おっしゃっているように
葬祭業は働く人の心が大切な仕事なのだから
まっとうな商売をやっていけば消費者は評価してくれます。
この点は冨安さんが誰よりも分っていらっしゃるでしょう。

いまやティアさんは率先して葬儀業界を変えていく存在であり
私は冨安さんのことを
ティアさんだけでなく葬儀業界全体の広告塔であると
思っています。

そういうわけなので個人的には
「嫌がらせを受けた」ネタは今後は封印していただいて
これからは一層、葬祭業のすばらしさを世間に訴えて欲しいのです。

ますますのご活躍を期待しています。


きれいな字を書く方法

きれいな字を書く方法
についてのお話しです。

ずっと自分の汚い字が気になっていました。
打合せの時などお客様の前で
肉筆で字を書く機会は多いのですが
自分でもため息がでるくらい悪筆でした。

ではなぜ今まで
汚い字をそのままにせざるを得なかったかというと
有効と思える、字が上手くなるメソッド(方法)に出会ったことが無かったから。

ウエイトレーニングや資格試験の勉強などの方法論と比べて
「上手い字を書く」ということに関して
これっ!っていう確立した方法論が見当たらなかったのです。

確かに世にはペン字講座のたぐいがあふれています。
でもその方法のほとんどはお手本をなぞって、その通りに反復コピーする方法。
でも果たしてそれで上手くなるのか、甚だ疑問だったのです。

まず反復練習で上手くなるものなら自分の名前って
凄くうまくなっていなければおかしいはず。
でもそうじゃない。

それに仮にお手本の字を完璧にコピーできるようになったとしても
日常で使う字は絞っても何千とあるわけで、
全部完全コピーするのは無理です。

そもそも生まれつき字の上手い奴がいる。
絵と一緒で練習ではなく才能の占める割合が高いのでは・・・
と疑心暗鬼になったり。

編曲家は音楽センスだけで楽譜を書いていくのではなく
コード理論に則って書いていくように
何か有効な法則というかメソッドって無いのか
と思いつつ今に至っていたわけです。

で、半年前、知人がこの本を薦めてくれました。
 
ボールペン字3時間速効練習帳

富澤 敏彦 高橋書店 2014-01-28
売り上げランキング : 93953
by ヨメレバ
その知人も悪筆で有名だったのですが
見違えると言わないまでも、たしかに上手くなっている。

そこで私も始めてみた、という次第。
このメソッドの軸になるのは
すべての字を右上がり6度で書くと言うこと。
線だけでなく全体のバランスも右上がり6度にする。
それに加えて何点かコツを徐々に加えていく方法。

ちなみに書名に3時間でと書いていますが、これはウソ。
この5倍はかかると思います。

でも効果がありました。
確かに字は上手くなりました。
30点が65点くらいにはなったかな(^^;) 
元が下手だったっていうのもあるけど。
 
達筆な人みたいにさらさらと上手い字を書くことはできませんが
キレイに書かなきゃいけないときに、
それなりにキレイに書くことができるようになりました。

いままでは郵便物の宛名を書くときに面倒としか思わなかったのに
最近は宛名を書くことが楽しい。

なんとか恥ずかしくないレベルで書けるようになったので
先日ダンヒルのサイドカーシリーズを購入しました。 
アウトレット品ですけどね。

いい大人なら高級ボールペンの一本くらい持っておきたかったのですが
私のような悪筆が高級ボールペンを持つのって
泉ピン子がシャネルのスーツ着ている状態と同じではないかと。
高級ボールペンに失礼だと思って購入できなかったんですよね。 

字が下手で困っている人は一度試してみてはどうでしょうか?