考える葬儀屋さんのブログ

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お葬式の担当をしながら日々考えたことを書く葬儀屋さんのブログ。 葬儀費用が心配な方、 お葬式のマナーを知りたい方、 葬儀社への就職を考えている方、 是非お立ち寄りください。
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葬儀業界の「採用と面接」について考える 2/3

葬儀社の採用がダメな理由の3つ目です。

3.葬儀屋さん採用の方法論が確立されていない


私は入社した新人の教育係は何度もやりました。
そこで感じるのは
いくら教育が大事と言っても結局
その人自身が元々持っている「素材=職業の適性」で、
決まってしまう部分が大きい
ということです。

自分にできるのはその新人のベクトル(方向性)を伸ばすだけで、
向きは変えられないってことです。

同様のことは、安田佳生氏や日垣隆氏、そして多くのホテルマンが記した本でも目にします。
一流のホテルはスタッフの採用の際、多額のコストをかけているようです。
素材が大事、ってことが分かっているからだと思います。

私の勤めている葬儀社は、採用に関しては
まぁ、ちゃんとしている方だと思います。

それでも採用担当者に採用の根拠を聞いてみると、結局のところ
「印象」
を選択理由にしているようです。

面接

で、最近こんな本を読みました。

新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか (光文社新書) (新書)
樋口弘和 (著)


内容に関しては賛同できる部分とできない部分がありました。

賛同できる部分を一つ挙げると
印象を基準にするのは危険
という点です。

特に葬儀業界の場合、面接官が印象を基準にすると
バーンアウト型の人材を選びがちです。
バーンアウト型は八方美人型が多いですから、
面接官に良い「印象」を与えてしまうのです。
(参考ページ:葬儀屋さんのタイプ

そして採用して熱心に教育したものの、これからって言うときにやめてしまう、
というパターンを繰り返すことになります。

逆にマイウェイ型は
印象を基準にした場合、面接の場ではバーンアウト型に負けてしまうと思います。
場合によってはこいつちょっとクセがある、って否定的に見られる可能性がありますから。
本当は一番投資とリターンのバランスが良い人材なんですけどね。

バンカータイプはそもそも面接に来ないからいいです(^^;)

アルチザンタイプは、面接官がアルチザンタイプだと共鳴して、
気に入られるってことが起こりえると思います。

個人的な意見ですが、採用人数が五人くらいいたら、
一人は意図的にアルチザンタイプをいれておいてもいいと思います。
アルチザンタイプはスキルアップのスタートダッシュは早いので
新人全体のレベルを早い段階で上げてくれるからです。
周りはトップの水準に合わせようとしますからね。

ただアルチザンタイプは一人前になってから、
上達を止めてしまうか、
もしくは上達を顧客のためでなく仕事の手抜きに使ってしまいがちなのです。

アルチザンタイプはあくまで組織にとっての、悪い意味で安定的な予定調和を避けるためのスパイス(毒?)として必要であるというのが私の考えです。

次回葬儀業界の「採用と面接」について考える 3/3に続きます。


葬儀業界の「採用と面接」について考える 1/3

以前葬儀業界の採用について
採用されるための最大の要因は、
採用されることを目指す人の能力より、
求人のタイミングの方なのかも知れない
」ということを言いました。
(参照ページ:葬儀社に就職したい!人のためのノウハウ 4/5

システムにおいて葬儀業界が他の業界より進んでいる部分て無いのですが(^^;)
ご多分に漏れず採用においても同様だと思います。

葬儀社の採用がダメな理由は以下の3つ

1.人を選べるほど希望者がいない
2.辞めていくのが普通なので、採用してからふるいにかければいいと思っている。
3.葬儀屋さん採用の方法論が確立されていない

調査1

1.人を選べるほど希望者がいない

葬祭業というのは、みんながやりたがらない仕事なので、
かつては就職希望者があまりいませんでした。
だからよっぽどひどい人を除いて、フリーパスだったようです。

私が葬儀業界に入ったときも、
あなた、それ社会人としてどうよ?
っていう人が結構いました。
(今でもいますけど・・・)

でも時代は変わりつつあります。
最近は新卒で葬儀業界を希望する人も珍しくありません。

日垣隆さんの本「部下の仕事はなぜ遅いか」によると
「順調に伸びている会社の採用倍率は7倍が目安」
だそうです。
そのうち葬儀社もこのラインを超えるところが出てくると思います。

そうなったときにちゃんとした人材を選べるでしょうか?

2.やめていくのが普通なので
採用してからふるいにかければいいと思っている。


この業界は人の流動性が高く転職が多いことを以前お話しました。
(参照ページ:葬儀屋の給料ってどれくらい? 2/2
葬儀業界は新人教育が下手である 1/2)


たしかに中途採用が多く、仕事は盗めという考えだった時代は
2の方法でも採用コストも、教育という投資コストも少なくて済みます。

もちろんそれではちゃんとした人を採用して、
ちゃんと育てることはできないのですが、
全体的に葬儀屋のレベルが低かった時代はそれでも成立していたのだと思います。

しかし最近は新卒を採用し、教育にも投資する葬儀社も増えてきました。
そんな状況で新人に1年ほどでやめられては、教育という投資と、
ヒューマンリソース(人的資源)というリターンのバランスが取れなくなります。

つまり2の方法論は通用しなくなりつつあります。

次回 葬儀業界の「採用と面接」について考える 2/3 に続きます

参考文献


かつて葬儀担当者だった管理職が気をつけるべきこと

葬儀の現場を離れた上司が部下の現場仕事を見るときに
気をつけるべきと思われる点を自戒の意味を込めて
二点述べたいと思います。

一つ目。
プライオリティ(優先順位)を考えず、
葬儀担当者の細かいアラが目につきやすくなっているという点です。

葬儀担当者は当然葬儀全体を見ています。
そしてサービス業に満点も完璧もありません。
無限にある「やるべきこと」からプライオリティ(優先順位)をつけて、
処理していきます。

逆に、チェックを入れる立場の人間は
個々の部分にフォーカスしやすい傾向があります。
その状況においてプライオリティの低いことを指摘してしまうのです。

担当に対して達成できていない点を指摘するのは構わないのです。
しかし担当と同じ階層の視点も持ってあげないと、注意したところで、
担当サイドは「いや、それはわかっているけど」という話になってしまいます。

自分の現役時代はそんな指摘を受けいれ難(がた)かったのに、
現場を離れるとついついそのこと忘れて指摘する側に回りがちです。

二つ目は
自分達が頻繁に担当していた昔に比べて、
現在はお客様の要求レベルが格段に上がっている
という点です。

・お葬式の単価が低下している、
・相見積もりで他社に負けてしまった、
・コンプレインやクレームを受ける頻度が上がってきた。

このような事実をもって
「今の若い奴は」的な批判は危険です。そして有害です。

お客さんの知識量は10年前と比較になりません。

葬儀の小規模化で、
大量の参列者をさばいたりするスキルや経験に関しては、
今の子は弱いかも知れません。
しかし
お客さんの要求するハードルがかつてより、
ずっと上がっている環境で戦っているので
総合力では今の若い現場担当者の方が我々の時代より数段ハイレべルだと思います。

でも、特にアルチザンタイプの上司は、
部下が自分より現場仕事が優秀とは死んでも認めません。

しかし本当に優秀なマネージャーは、自分より優秀な葬儀屋さんを
育ててコントロールできる人
だと思います。

墓石

カーネギーの墓標に書かれているように
"Here lies a man who knew how to enlist the service of better men than himself."
「己より優れた人物を使う方法を知っていた男、ここに眠る」
という境地が理想なんでしょうね。

でもそうは思いつつも、私の場合、やっぱり部下と現場仕事で張り合ってしまうんですよね。

スポーツ競技においては選手よりコーチの方が偉いはずなんですが、
コーチだって可能ならいつまでも現役でいたいはずですよね。

現在も何かと理由を付けて私がお葬式の担当を持っているのは
お客様ほど自分をほめてくれる人がいるだろうか(いや、いないっ!←反語)
、というのが一番の理由ですが、二番目の理由は、
自分の現場(=お客様)に対するアンテナがさび付くのが怖いからです。
現場から離れると、どんどんバカになると思っているからです。

きっと若手からは煙たがられてるし、
上司からはちょっとは管理系の仕事をしろって思われてんでしょうねぇ(^_^)

でも体が動くまではなんとか現場にかじりついてやる!・・・って
いつの間にか文章のテーマ変わってるし(T_T)

落ち込んだとき

仕事で落ち込んだとき、自分はどうしてるか、という話です。

自分はあまり落ち込むということはないタイプです。
感情に揺さぶれる前に、落ち込んだ原因を分析し始めて、
改善策を考えているうちにそのことに集中しちゃって、
なんで落ち込んだか忘れてしまうっていう・・・

えーっと・・・バカじゃん(^^;)

まぁ、そんな私でも、落ち込むことはあるわけで・・・

そんなときはお客様ファイルを検索(参照ページ:お葬式の記憶)し、
来月命日の喪家をピックアップします。

で、電話をかけてみる。

電話1

「来月、多分ご法事だと思うんですけど、お困りのことございませんか?」
というような、話題から入って、お孫さんが今年から小学校に入学したとか、
たわいの無い話を5分くらいして終了。

で、リフレッシュ完了!
ちょっといい気分で仕事再開。

「なに、それ?」って言われそうですけど、うんうんって、
うなずいてくれる葬儀屋さんも多いはず。

なんか、自分がやってきたことを振り返ることで、
ほんのちょっとの万能感(て言い方矛盾してるかな)とともに、満たされるんですよねー

部外者の人から見たら、すごく単純て思うんでしょうねー(^^;)


殺人を見逃す?

葬儀屋さんをやっている人なら
「日本て結構殺人事件を見逃してんじゃないの?」
と思ったことがあるのではないでしょうか。

で今日のおすすめ本はコレ
「死因不明社会」



これはあの「チームバチスタの栄光」がベストセラーになった
医学博士の海堂尊氏の著作です。

保土ヶ谷事件が起こったとき、私の知り合いの横浜市の葬儀屋さんは
「いつかこういうことが起きると思ってた」
と言いました。

私が初めてこの監察医の方に会ったときの印象は
「酔っぱらってんのかな?」でした。
監察医というと上野正彦さんのイメージ(インテリの好々爺)を抱いていた私は、
ちょっとビックリでした。

もちろん海堂尊氏はこの監察医を訪れたことは無いと思いますが、
データを見て横浜市の監察医制度がおかしいと思ったのはさすがです。
(90ページ)

もちろん保土ヶ谷事件の真相は私にも分かりません。
ただ「さもありなん」と感じさせるものがあるということです。

またこの本の後半ではAi(遺体に対してCTやMRIを用いて画像を保存しておく)の導入をとなえています。
最近になって、どうやらAiも導入され始めたようです。
こちらのページが詳しいです)
将来は検視と検死の形も変わるかもしれませんね。
(ちなみに警察官が遺体を検(あらた)めるのが検視、医師が検めるのが検死です)

というわけで、この本は日本における検視と検死の仕組みとその問題点をほぼ完全に網羅していると言えます。

(特に都市部の)葬儀屋さんは前半の1章から4章まで必読です。



御遺体を「適切に恐れる」 2/2

前回からの続きで
感染症に対する葬儀屋さんの「自衛」方法についてです。

私の勤める葬儀社では
A型肝炎
B型肝炎
の予防接種が義務づけられており、
インフルエンザの予防接種に関しては補助金がでる
っていう仕組みになってます。

それに加えて
・遺体に触れるときの手袋の着用
(ただしご遺族の手前、医療用の無骨なラバー製ではなく、布の裏側がラバーコーティングされているものを使用しています)
・バンドエイドの常時携帯
・ささくれ(さかむけ)防止のため指先にスクワランオイルを塗る
・医療用保護クリームの使用
・アルコール系殺菌剤の常時携帯
・手洗い・うがい
ってことをやってます。

これらの対策は、当然重要です。
でもまだまだ衛生意識が低い葬儀屋さんが多いような気がします。

例えば病院の出入りの葬儀社さんで手袋をはめていない人をよく見かけます。

葬儀会館の霊安室の衛生管理もずさんです。
いろいろな御遺体を安置しているわけですから、御安置の度毎に、
清掃だけではなく、殺菌消毒をする必要があると思います。
しかし実際にそこまでやっている葬儀社は全体の1%に満たないのではないでしょうか。

エンバーミングを行えば感染症の場合でも衛生度は
かなり改善されるようですが、まだ普及率は日本全体の2%ほどです。
以前記事に書いたように(参照ページ:エンバーミングは日本に定着するか
一般的な普及は難しいと思います。

葬儀屋さんに就職を希望する方は
その葬儀屋さんの衛生管理に着目するのも良いかもしれません。

大体、衛生管理がダメな葬儀社って、従業員も大切にしないので。

あと一般の方の誤解例としては
おくりびとの粋ではない批評でも述べましたが、
納棺士が素手で遺体に触りすぎです。
(映像上しかたなかったのかもしれませんが・・・)
故人の死因を確認しているとも思えません。
だから広末の「さわらないで、けがわしい!」発言は医学的には正解。

「モーニン」という葬儀社を舞台にした漫画のなかでも、
葬儀屋さんが手袋を外して遺体に触れることが
感動的なエピソードとして描かれています。
これもヘンというか、安っぽいヒューマニズムというか。


と、いろいろ感染症の危険性について書き連ねましたが
一方で過剰に怖がりすぎるのも良くないのかなと思います。

自分がまだ駆け出しのころ、
故人がハンセン病患者であると知り、かなり動揺した記憶があります。
そして文献を調べてみて自分の無知を深く恥じました。

昨日の日経新聞で瀬名秀明氏が寺田寅彦氏の
「適切に恐れる」
という言葉を引用し、
インフルエンザに対する過剰反応と軽視を戒(いまし)めていました。

できるだけ正しい知識を持つことと
バランス感覚が重要ってことですよね。

御遺体を「適切に恐れる」 1/2

流行ってますね、インフルエンザ。
と、珍しく時事ネタではじめてみましたが、
しっくりこないですね(^^;)

数ヶ月前、もしパンデミック(感染症の世界的流行)が起きたときの
自社の運営シミュレーションデータ作成の指示を上司から受けました。
自分が勤めている葬儀社が営業活動を全部停止させて葬儀施行に注力したら、
お葬式の最大施行件数は何件かを割り出したわけですね。

でも、よくよく考えてみるとパンデミックが起こったら、
日頃から疲労が蓄積して免疫力が低下している状態のまま人混みで仕事をする
葬儀屋さんが、まっさきに倒れてしまうだろってことに途中で気づきました(^^;)

火葬許可証(病院で発行された死亡診断書を役所に提出して火葬許可証をもらって初めて法的に火葬が可能になります)には
「一類感染症等」か「その他」どちらかに○をする欄があります。

これは何のためかというと
通常亡くなってから24時間以内の火葬は法律で禁止されているのですが
(脳死ではなく心停止で死亡確認していた時代は、生き返る人がまれにいたためだと言われてます)
一類感染症等などパンデミックを引き起こすご遺体は、
感染拡大防止のため即座に火葬することが認められているためです。

以前ある葬儀社の新人さんが、
エイズでお亡くなりなった方の火葬許可証の申請書を書く際、
一類感染症等に○をしてしまったという話を聞いたことがあります。
もちろん、これは間違い。
一類感染症はエボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘瘡 (天然痘)、南米出血熱、ペスト、マールブルグ熱、ラッサ熱の7つだそうです。(ウィキペディアより引用)
なんかどれも怖そうな名前です。

病院

病院を訪れた段階で、葬儀屋さんには、
故人が何の病気で亡くなったか分からないというリスクがあります。

結核の場合は隔離病棟なのでわかります。
しかしそれ以外の感染症だった場合はお手上げです。
(ちなみに結核の方の場合は亡くなった後でも、
空気感染をする可能性があるといわれています。
そのため医療用マスクは必需品です)

血液が体外に流出しているご遺体もあり、血液感染を起こす危険が常にあります。

病院を訪れた葬儀社には死亡診断書の病気の内容を開示することを義務づける法律を作ってくれないか、といつも思います。

とはいうものの、感染症を苦に自殺した方の場合は、
死亡診断書には自殺としか表記されないので、葬儀屋にはわからない。

結局、葬儀屋が「自衛」するしかないというのが、現実です。

次回は葬儀屋さんの「自衛」の方法についてです。


考えろ!考えろ!考えろ!

今回のおすすめ本?はコレ

ジョジョの奇妙な冒険  (ジャンプ・コミックス)
荒木 飛呂彦 (著)


この漫画の絵のタッチや下品なセリフは好きではないんですが・・・
それにもかかわらず
なんでおすすめかって言うと。

この話ってピンチになった登場人物が何とか頭を使って、そのピンチを切り抜けていくていう構成なんですね。

でお葬式の現場って良くピンチが起きる(>_<)

開式30分前に親戚同士がケンカを始めたとか
喪主が開式10分前になっても来ないとか
返礼品が足りなくなりそうとか

参照ページ(葬儀の担当者はパレートの法則をうまく生かせない
葬儀屋の業務にマニュアルは絶対必要

うわっ、もうコレ無理かも
って思うこともまれにあります。

そんなピンチのときに私がイメージするのがこの漫画の主人公の1人、
空条承太郎

彼は
「考えろ!考えろ!考えろ!解決方法が絶対どこかにあるはず!」
というスタンスです。
解決方法が絶対どこかにある と信じて考えることがポイント。
(そういえば、ダイハードのブルースウィリスも良くthink!って言ってますね)

「自分が解決できる問題しか、自分の身には起きない」
(↑出典忘れちゃいました。ジョジョではないです)
という考えとあわせて、
どうぞ。
いや、どうぞって言われても困ると思いますけどね(^^;)
結構自分はこれであきらめず冷静に考えることができるものですから・・・

あ、まさか俺って単純?

それから野口悠紀雄氏曰く、アイデアを生む最大の秘訣は
「考え続けること」
だそうです。



たしかに仕事に関するノウハウも、本で読んだことより、自分で考え出したことの方が、絶対身につきますもんね。

本当に本で読んだことが100%身につくなら
ビジネスの生産性を上げるハウツーをあれだけ載せている
日経ビジネスアソシエイト や プレジデント
などの雑誌自身が少年ジャンプより売れてなきゃおかしいはず(^^;)


葬儀屋さんの職業病

同僚を見ても、職業病と言って良いくらい腰を痛めている人が多いです。
体格の良い御遺体や重い御棺や祭壇を持ち上げる機会が多いからでしょう。

そんなわけで、持ち上げる動作についてのアドバイスを、
ちょこっと述べようと思いました。

以前葬儀屋に必要な能力 というページで、こんなふうに書きました。

「この仕事は特に脊柱起立筋を鍛えておく必要があります。
脊柱起立筋というのは腰のあたり、背骨周辺についている筋肉です。
物を持ち上げる時に使う筋肉ですね。
故人の体重が100キロを超える場合もありますから、
この筋肉が弱いと腰を痛めます。
良く葬儀屋の方で腰を丸めて持ち上げようとしている人がいますけど、
これは腰痛のもとです。
「トレーニング デッドリフト」でネット検索してみると分かりますが、
常に背骨はS字を描く(おへそを突き出し、お尻を引く)必要があります。
エー次に膝の動きは・・・
ってマニアックな話が続いてしまうのでこのあたりで終わります<(_ _)>」

持ち上げる動作のポイントは
背骨がS字を描くこと

腹圧を高めること
です。

「背骨がS字を描く」
トレーニングジムならインストラクターの方がちゃんと教えてくれるのですが、言葉ではイメージしづらいかもしれませんね。
で、良いページを見つけました。

この方は古武術の甲野善紀氏のお弟子さんのようですね。
この動作のポイントは、最初の手のひらを下に向ける動作で、
自然に「背骨がS字を描く」状態にしているところですね。
お客様の前でいちいちこの動作をやったら、ちょっと不自然ですね。
でも「背骨がS字を描く」状態を実感するのにはよいと思います。
「背骨がS字を描く」状態にすると猫背の状態に比べて
重いものが持てないと感じる方もいると思います。
しかしそれが本来その人が持ち上げても良い重さなのです。
猫背の状態は背骨に無理な負荷がかかっていますので、
その状態を続けると確実に腰を痛めます。

「腹圧を高める」
ウエストを締め付けることにより、
腹圧(お腹の中の圧力)を高め、腰を痛める危険性を低くすることができます。
パワーリフターの方がよく太いベルトをしているのを見かけますよね・・・ってパワーリフターの方自体を「よく」は見かけねぇよって自分でつっこんでおきますね(^^;)

私は作業着の時はこんなベルトをしてます。
ベルト
いわゆる「ワークマン」などの作業着屋さんで売っているやつです。
これでウエストを思い切り締め付けて、腹圧を高めています。
余談ですけど、私、年齢の割には結構いい体してるんですが(*^_^*)
顔が書生風なので作業着が似合わない、似合わない (^^;)

また制服の時に着用するベルトも、いざというとき
目一杯きつく閉められるようなサイズにしています。

腰を痛めてしまうと、現場仕事のパフォーマンスに大きく支障がでますから、葬儀屋の皆さんは十分お気をつけください。

政治家のお葬式から学ぶこと

「人間学」という学問があるかどうかは知りませんが、
人や世間を学ぶ目的で
早坂茂三さんの本はよく読みました。

オヤジの知恵 (単行本)
早坂 茂三 (著)

念のため説明すると早坂茂三さんは、田中角栄氏の秘書を長年務めた方。
2004年にお亡くなりになっています。

私が学生時代、学園祭に講演にいらっしゃったことがあり、
偶然学内の廊下ですれ違いました。
実際すれ違ってみると背は低い方だったのですが、
『おお、これが「貫禄」ってやつか』
と圧倒された記憶があります。

田中角栄氏の言動をまとめた本を何冊も出されているのですが、
今回紹介する本にはそのエッセンスが詰まっています。

では220ページから記されている葬式に関するエピソードを3つ紹介しますね。

・野党の議員のお葬式の出棺は雨の中だった。
自宅前の狭い通りを霊柩車が通りやすいように田中角栄は傘をたたみ、
びしょ濡れで見送った。

・野党の議員の奥さんが亡くなったとき、お葬式まで日にちが空いた。
そのため最初に届けた枕花がしおれた頃に二つ目の枕花を届けた。

・そして早坂氏の父親が亡くなったとき、田中角栄氏はこう言う
「いいか。世の中というのはね、
何をもって二代目を一人前と見るかといえば、それは葬式だ。
おやじの葬式をせがれがキチンと取り仕切れるか、それを見て、判断する」


賛否両論ある田中角栄氏ですが、
上記のエピソードは葬儀屋サイドから見ても学ぶところがあります。

「気配り」の人、田中角栄氏の処世術の一つは
「この世は嫉妬の大海」だから
「味方を増やすのではなく、敵を減らせ」
だったそうです。
政敵のお葬式でこのような振る舞いをするあたりが、憎いなって思います。
(ただ三つ目エピソードでの発言には時代の変化を感じますね)

ちなみに私がある政治家の方のお葬式に参加したときの話です。
参列者の中で小沢一郎氏だけが式場から退席する際、
遺影に向かって一礼をしていたのを、見たことがあります。
さすが、このあたりが田中角栄の流れをくむ人なんだなと思いましたね。

最後に自分がこの本の中で重要と思った部分をのせておきますね。

     ・相手の目を見て大きな声で話せ
     ・大事なのは数字と事実だ
     ・一に体力二に気力三四がなくて五に頭
     ・真理はいつも簡潔で具体的
     ・よく考え抜かれた言葉は明晰な表現をとる
     ・結論を初めに言え、理由は三つにしろ
     ・人間の生きがいは世間に必要とされている実感だ
     ・叱るのは30秒で良い
     ・本人のやる気を出して任せる
     ・辛抱して結果を待つ
     ・一番してはいけないのは自慢話
     ・最後に笑うのは丈夫で長持ちな人
     ・人間は環境の生き物




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