先日、日本の死因究明制度の不備について述べました。
(参照ページ:殺人を見逃す?

ところが2009年12月9日の日経新聞に下記の記事が載りました。

「中井治国家公安委員長は9日、日本経済新聞の取材に応じ、
犯罪の見逃しを防ぐため死因究明制度を抜本的に見直す法案を
2011年の通常国会に提出したいとの考えを示した。(以下略)」

今後はAi(遺体に対してCTやMRIを用いて画像を保存しておくこと)も
積極的に導入していくとのこと。

いいことです。

それにしても、世の中の仕組みって変わるんですね。
何事もあきらめてはいかんなー。
でもまだ実現には紆余曲折(うよきょくせつ)がありそうですね。

さて制度改革は我々の生活に影響を与えてきたわけですが
この検視制度改革が実現すると、
葬儀屋さんの業務内容にどのような影響を与えていくでしょうか。

現状では監察医制度が無い地方ではほとんど解剖が行われていません。
監察医制度がもっとも機能している東京23区でも解剖にいたるのは25%ほどです。

Aiが導入されると、解剖の比率は同じか低下すると思うのですが
(今後解剖医の人件費に税金をたくさん投入するとは思えないため)、
御遺体を病院まで連れて行ってCTやMRIの検査を行う
というケースは増えてくると思います。
検視を行う場合は全てAiを行うということも考えられます。

この作業を行政が全てやるとは、とても思えません。
予算カットのご時世ですからね。

とすると、この業務を行うのは、葬儀屋さんの仕事ってことになります。

本来
死亡場所訪問→検視待ち→検視終了→安置先へ 
って流れで終わっていたのが
死亡場所訪問→検視待ち→病院でAI→検視終了→安置先へ 
という流れになるでしょう。
葬儀屋さんにとっては1件あたりの労働時間が増えるわけです。

それに今後、検死が必要な独居老人の変死はどんどん増加していくことが予想されます。
さらに葬儀屋さんの労働量が増えていくことになるのではないでしょうか。
特に人手の少ない家族経営的な葬儀屋さんにとっては
キツイ時代になるでしょうね。

増えた労働量をその分、価格に転嫁できればいいのですが、
葬儀費用が低下し続けているこの状況では難しいでしょう。

社会正義の観点からはAiの導入は
間違いなく良いことなのですが
葬儀屋さんにとっては
かならずしも朗報ではないようです。


<2009年12月17日>記載