御遺族の希望があれば、お葬式で流すイメージ映像の制作を、
葬儀屋さんが行うことがあります。
なかなかぴったりの動画がなくても、
スナップ写真を10枚ほどお預かりして、それを加工します。

制作ソフトがない時代は、スキャナーで取り込んだ写真を
マイクロソフトのパワーポイントに貼り付けて紙芝居ふうに切り替えていましたが、
今はパソコンの映像作成ソフトを使えば結構上質なものが作れます。
たとえば集合写真の引きの画像から、故人の顔にズームしていく、
なんてことも簡単にできます。
それを式場内のモニターやプロジェクターに映すわけですね。

とはいうものの
プロの方がよりきれいに作れる
という点と
葬儀担当者は制限時間内に他にもやることがたくさんある
という理由で外部の映像制作会社に頼むことが多いです。
遺族の方と打合せをした葬儀担当者が
写真の順番、カメラの動き、テロップの文言
などを指示するわけですね。
2〜3万円で作ってもらえます。

無宗教葬の場合は、ほとんどの場合、式中に流します。
かなり好評です。
仏式のお葬式の場合でも、開式直前に流すこともあります。

スクリーン

いままで一番大変だったのは
「テロップの代わりに、亡くなった妻に似た声のナレーションを入れて欲しい」
というリクエストを喪主様からいただいたときでした。

同僚の女性全員から(イメージ通りの声質かどうかチェックしてもらうため)
喪主さんに電話してもらったのですが、全員ダメ。
万策尽きたかと思ったのですが、
以前退職した女性の中に演劇部出身者がいたことを思い出しました。
そこで故人のキャラクターを説明し、役を作ってもらって、
デモ音声を喪主さんに聞かせたところ、OKがでました。

その後無事ナレーションを録り終えて、一件落着と言いたいところなのですが。

開式数時間前に、喪主様からナレーションの一部を変更したいとの申し出が・・・
その女性に電話をしたら、バイト中。
車を走らせ、バイトの休憩中にICレコーダーに訂正したナレーションを吹き込んでもらい、WAVのデータをその場からメールで送って、なんとか開式に間に合わせました。

(この記事を読んだ一般の方はもしかすると、
この喪主さんのことをわがままだと捉えてしまうかもしれませんね。
しかしそうではなくて、「ムリだったらいいですけど、こんなことできますか?」
という質問に対し「はい、大丈夫です」
と私が答えたので、上記の展開になりました。
「NO」と言ったらサービス業として「負け」ですから
・・・とはいうものの、かなり冷や汗ものでした。
なにより遺族の希望に近づけることで、少しでもグリーフワークの一助となれば・・・という気持ちです)

式中にその制作した画像を流し終えたところで、
喪主さんがスタンディングオベーション

式後「こんなに良い物ができるとは思わなかった」との感想を頂きました。

葬儀担当者でなければ味わえない、苦労が報われた瞬間です。


<2010年03月23日>記載