お葬式が終わって一年後に電話を差し上げると、ありがたいことに
ほとんどの御遺族は自分のことを覚えてくださっています。

長いこと葬儀屋さんをやっていると、10年ぶりに葬儀の御依頼をいただくことも、
ままあるのですが、その時も同じで。
私の名前も覚えていただいてて
「まだ、(同じ葬儀社に)いてくれて良かった」
とおっしゃっていただける。

この時のうれしさって、ちょっと例えるのが難しいです。

この御遺族との距離感って
他のサービス業でもなかなかないんじゃないでしょうか。
(参照ページ:私は「ご愁傷様でございます」と言わない

でもよく考えてみたら、病院でお会いして、葬儀が終わるまで、
その御遺族と一緒にいた時間なんて24時間を超えていないはずなんですよね。

それでも覚えていただけているのは
葬儀屋さんが
恐らく御遺族の人生最悪の時に登場して、力を尽くそうとする存在だから、
だと思います。

ところでマーケティングの本によると
新規顧客を開拓するより、既存の顧客との関係を構築する方が
10分の1のコストで済む
らしいです(出典忘れました<(_ _)>)
そのため葬儀後もこまめにイベントなどを打って
顧客ロイヤルティ(忠誠度)を持続させる
という戦略の葬儀屋さんもいると思います。
もちろんそれはそれで正しいのでしょう。

でも(良いことがどうかは別にして)自分は御遺族のことをお客様というより
人生の辛い時期を生き抜くという共通の経験を持つ「同志」
だと思っています。
(参照ページ:私が葬儀屋さんになった理由
そして
君子の交わりは淡きこと水の如し(くんしのまじわりはあわきことみずのごとし)
だとも思っているので
(自分が傍観者であることの限界も自覚しているせいでもありますが)
(参照ページ:会社説明会での出来事
いざって言うときに声をかけてもらって寄り添える存在であればいいかなと考えています。

まずは
(実際一緒にいるのは24時間未満だとしても)
仮に10年20年つきあっても信用される人間でありたい

っていうのが私の望みです。

なんか青臭い文章になってしまいました。
でも、本当のこと。


<2010年03月31日>記載