以前
「葬式は、要らない」島田 裕巳 の誤りを指摘する
という記事を書きました。
その際、国内の葬儀費用について
日本消費者協会のデタラメなデータを引用していることを
指摘しました。

それとは別の切り口で
「日本国内と海外との葬儀費用の比較」
に関する記述の検証
を行ってみたいと思います。

「葬式は、要らない」では、
海外の葬儀費用との比較に関して下記のデータが提示されています。

「日本の葬儀費用は231万円、イギリス12万3千円、ドイツ19万8千円、韓国37万3千円、 アメリカ44万4千円」

このあと日本の葬儀費用がいかに高いか、という島田 裕巳氏の論説が続きます。

上記の記事で
日本国内の葬儀費用のデータは間違っていることを指摘したわけですが
海外のデータは合っているのでしょうか。

このデータの出典は、
互助会のサンライフさんの資料
であることが表記されています。
そこでサンライフさんの総務部に電話して聞いてみました。

このデータはそもそも経済企画庁(現 内閣府)の依頼で、
サンライフさんが調査協力をしたそうです。

その調査結果は
経済企画庁物価局価格構造対策室のサイトに掲載されています。

島田 裕巳 氏が参考にしたのは上記ページのリンク先の
このデータだと思われます。

このページを見ると
島田 裕巳 氏が、自分に都合良く作為的にデータを引用していることに
気づくはずです。

本来このデータを使用するのであれば、
「日本国内の葬儀費用の平均は405万円(!)」
というべきでした。

物価は変動するわけですから、
同じ時期(1995年頃)のデータである405万円という数字の方が
比較対象として正確なはずです

それに日本の葬儀費用は405万円であると言った方が、
より島田 裕巳の主張(日本の葬儀は高額だから贅沢)に添うはずです。

それなのになぜ
彼は日本消費者協会の2007年の調査データを使用したのでしょうか。

それはこの405万円というデータは信用できないと
島田 裕巳氏自身が気づいていたからでしょう。

いくらなんでも、葬儀の平均価格が405万円というのはあり得ないです。
当時でも400万円を超える葬儀は社葬を含めて、1割もなかったと思います。
島田 裕巳氏がいくら世間をなめていたとしても
これはウソだと世間にばれてしまう
と思ったのだと思います。

(ちなみにこの405万円というデータは「くらしのとも」という一葬儀社の、
調査データを反映させたようです。)

であるならば
自国内の数字すら、大幅に間違っている調査なら、
海外のデータはもっと信用できない
と、
普通の人は考えるはずです。
そしてそんなデータは使わないか、
独自に自分で調べるのが正しい行動だと思います。

サンライフさんに、海外のデータの調査方法をお聞きしましたが、
「もう昔のことなので、どのような調査を行ったかは、わからない。
それに、そもそも葬儀の形態が違うのに、
このような比較の仕方は無理があると思う」
との回答でした。

しかし、島田 裕巳氏は、世間をだませそうな日本消費者協会のデータと、
15年前の調査データを組み合わせることによって、
「葬式は贅沢」と言い続けています。

別に海外より日本の葬儀が安い、というつもりはありません。
国内のデータは間違っていますが、
海外のデータは、もしかすると合っているのかもしれません。
(海外のキリスト教の葬儀は日本で言うところの直葬に近い形態なので、安価であるという意見もあります)

私がいいたいのは
島田 裕巳氏が学者のはしくれなら、事実をちゃんと調べるべきで、
作為的なデータの使い方はするべきではない

ということなのです。

あとこちらのページも併せて御読み下さい。
碑文谷創のはざまの日々
手抜きですか?島田さん


<2010年03月07日>記載