本日御紹介する本はこちら。

編集者の方が優秀なのか、主婦の友社から出版される「終活」関係の本は
よくまとまっているものが多いと思います。

この本も例外ではなく、読みやすく、値段も安いです。
そしてなにより文例が豊富です。

ただ、それだけに、
挨拶のマニュアルの限界
を示してしまっているように思えてしまうのです。

以前弔辞に関する記事を書きましたが
(参照ページ:弔辞のススメ
挨拶って、やっぱり
いかに故人の固有の、故人らしいエピソードを語るか
が大切だと思うのです。

だからこの本で基本的な挨拶の構成を学習する分にはいいのですが
いろいろな種類の挨拶の文例や解説を読み込んでも、
心配性の人は混乱するだけでしょう。
結局、挨拶の必要に迫られている個々の読み手の役に立たないということです。

いろいろなシチュエーションを想定したためだと思うのですが、文例として
「娘の自殺に断腸の思いを述べる挨拶」
「(娘がひき逃げにあい)突然襲った不幸への怒りを抑えつつも語る挨拶」という
そもそも誰が必要とするんだ?
と首をかしげる事例が多く載せられています。
当事者ならこの本を開く余裕などないはずですし。

それから
『「○○さん」と故人へ親しみを込めて呼びかけましょう』
というような解説もちょっと作為的で、逆効果かと思うのです。

なんというか、葬儀の挨拶って
故人と語り手が、関係性を含めて、素の状態でむき出しになると思います。
そのため付け焼き刃かつ小手先の技術は
あまり役に立たないのではないでしょうか。

というわけで、
心配してマニュアルを開く気持ちはよく分かりますが
お葬式の挨拶は、
ご自分の言葉で語られるのがよいと思います。


<2010年08月10日>記載