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香典の書き方を葬儀屋さんが教えます




これからお葬式に参列するので
今すぐに実践的で役立つお香典のマナーに関する知識が必要
という方に向けてこの記事を書きました。
ちなみに弔電を送りたい方はこちらの記事(弔電の安くて効果的な送り方を葬儀屋さんが教えます)をどうぞ。

本来香典とは
故人に対し天然香木(香りのする木)をお供えする習慣が
現金に変化したものです。
つまり香典とは
弔いたいという自分の気持ちを表現するために
持参するものだと思うのです。

しかしそういう気持ちはあるものの、誰かが亡くなったという連絡を受けて参列するので、ひとまず失礼のないように香典のマナーを知りたい、という方も多いと思います。
香典のマナーについては最近いろんな書籍・雑誌・サイトに書かれていますが、葬儀屋さんから見て実際はそんなことはしない、という事例も多いです。

そんなお困りの方向けに、実際のお葬式の現場での体験をもとに、実践的な最新の香典の作法について、葬儀屋さんが初めての方にもわかりやすくお教えします。

香典

実際に訃報(亡くなったという連絡)を受けてから
香典を受付に出すまで
という時系列で見ていきます。
ある程度段階が進んでいる方は
該当する見出しまでスキップしてください。

香典はいつ渡す?

まずどなたかが亡くなったという訃報を
受けてからの動きです。

最初に考えるのは、香典はどのタイミングでいつ渡すか? つまり
通夜に持っていくべきか、
それともお葬式(葬儀・告別式)に持っていくべきか

ということでしょう。

昔は、お通夜は遺族を中心に過ごすものだから
(身内で夜通し故人を弔うから「通夜」と言います)
参列者はお葬式(葬儀・告別式)に参列する
という原則がありました。
そのためお香典はお葬式(葬儀・告別式)に持参するのがスタンダードなルールでした。

しかし最近、特に首都圏を中心に参列者は
お通夜に参列するケースが多くなりました。
こうなった原因は、
仕事の勤務時間を考えると夜に行われるお通夜の方が、参列しやすい
ためだと思われます。

このケースの場合はお葬式(葬儀・告別式)には仕事の関係で参列できないわけですから
通夜に香典を持参するしかありません。
そのため特に首都圏ではお通夜に御香典を持参するケースの方が多いです。

さてここで問題となるのは
通夜とお葬式(葬儀・告別式)両方に参列する人は
どちらのタイミングでお香典を出せば良いのか?

ということです。

この場合は
地方の習慣に従うのが一番ですが、一般論として
西日本を中心とした地方の場合はお葬式(葬儀・告別式)にお香典を出す
東京を中心とした首都圏の場合は、通夜にお香典を出す

のが良いと思います。

Q&Aサイトでは
常にお葬式(葬儀・告別式)にお香典を出すのが正解、
と回答している場合もあるようですが
葬儀のマナーも地域や時代によって変わります。

首都圏ではお通夜にお香典を出すことを非常識と見る習慣はありません。
首都圏の場合、参列者の過半数は通夜のみの参列のため
通夜にお香典を出すのが「普通」になっています。

それに事前にお香典袋に現金を入れた状態で
通夜から葬儀にかけてずっと持ち歩いているのも落ち着かないでしょう。

首都圏の方はお通夜にお香典をお出しください。

香典

 

香典の金額を決める

まず最初のステップとして香典の金額を決めましょう。

香典金額の相場

香典金額の相場は以下の通りです。

両親・・・.5万円~10万円
兄弟・・・3万円~5万円
祖父母・・・1万円~3万円
親戚(血縁の濃さによる)・・・1万円~3万円
友人の親族・・5千円~1万円
仕事先・・・5千円~1万円
仕事関係の親族・・・3千円~5千円
ご近所・・・3千円~5千円

香典を出す人の年齢によって金額が異なると言っているマナー本もありますが、気にしなくてよいです。

兄弟・子供・孫の場合は香典を出すべき?

故人との関係が、兄弟・子供・孫の場合は香典を出すべきか相談を受けることがあります。
原則葬儀費用を負担しない場合は出すのが原則でしょう。
ただし施主(葬儀費用を負担する遺族)が「いいよ、気を使わなくて」と言ってくれるような関係なら、無理に渡す必要はありません。

三千円の香典は問題有り?

「三千円香典」という単語で検索されて、このページにいらしている方がいるようなので、この点について述べておきます。
おそらくあまり予算がなくて、香典を3,000円で済ませたいが失礼にならないか、気にされていらっしゃるのだと思います。

地方では3,000円の香典が風習になっているところもあるようなので、その場合は問題ありません。
しかし正直申し上げて、都市部の場合、義理で参列した知人の関係でも香典は5,000円からで、3,000円の香典の方は珍しいです。
そのため3000円の香典は、都市部ではやめておいた方が無難です。

それでも、どうしても香典は3,000円しか出せない、という方の場合。

同僚との連名で一つの香典袋で香典をまとめて出す、という方法があります。
たとえば同僚を誘って3人連名で1万円とか、
7人連名(←この場合表書きは代表の名前のみ書いて、中の袋に7名の名前を書く)で20,000円とか
という形で出すのです。
ちょっと小ずるい方法なのですが、
金額の少なさを気分的にカバーすることができます。

香典の金額が多いのは失礼?

香典の金額が相場より少ないのが問題ありなのはわかるのですが、一方で金額が多すぎる場合はどうなのでしょうか。

生前大変お世話になったからといって、上記の相場を著しく超える香典を持参するのはおすすめしません。

たまに喪主さんから「ある方から香典を10万円もらったのですが、どうしたらいいでしょうか?」と困惑気味に相談を受けることがあります。
確かに香典返しは香典の金額の半分に相当する品物を、と言われますが、香典返しの商品のラインナップにそんな高額なものはなかなかありません。

喪主とも大変親しくて、「香典10万円入れといたけど、香典返しはいらないから」と言える関係なら、高額な香典を持参しても問題ないでしょう。
しかしそうでない場合は、お世話になったという気持ちは分かりますが、喪主を困らせる可能性が高いです。

私の勧めるスマートな方法は、
お葬式の香典は5万円くらいにしておいて、四十九日、一周忌、三回忌の法事の時に都度高額な供花を送る、という方法です。
この方法なら、いつまでも故人のことを想っていますという気持ちを効果的に遺族に伝えることができます。
(参考記事:葬儀のお花(供花・生花)の効果的で正しい送り方を葬儀屋さんが教えます | 考える葬儀屋さんのブログ

香典袋を手に入れる

時間がある方や、お葬式に参列する機会の多い方は
日頃から香典袋を買っておいても良いでしょう。
(「御霊前 封筒」で検索されている方が結構いらっしゃるのですが
これはおそらく香典袋のことを指しているのだと思います)

Amazonの香典袋売れ筋ランキング

香典袋はコンビニでもOK

しかし普段から御自宅に香典袋のストックをお持ちの方は少ないと思います。
また時間に余裕もなく、お葬式の服を探していたら、家を出る時間が迫ってきたとか
会社で、今日が通夜、という情報を受け取ってそのまま葬儀式場に向かわなくてはいけない
という状況の方も多いと思います。

そのような方は、お葬式に参列する途中で
香典袋をコンビニエンスストアで購入してください。
99%の確率で置いていると思います。

香典袋の選び方

さてコンビニでさえ香典袋も、値段によって3種類くらいあります。
当然値段に比例して、香典袋の作りも豪華になっています。

原則的には、どれを選んでも問題ありません。
良く言われるのが、同封する香典の金額にふさわしいもの、でしょうか。

しかし効率的な出費という観点から私は
家族葬(家族を中心とした小規模な葬儀)の時は高級な香典袋を
100人以上の参列者が見込まれる規模の大きいとき葬儀の時は安い香典袋
おすすめします。

なぜなら参列者が多いお葬式の場合は
遺族は香典袋を見ないことが多い
からです。

参列者のいる葬儀の場合
お葬式の受付のシステムは以下のようになっていることが多いです。

受付係・・・お香典を受け取る。記帳を勧める
会計係・・・受付係から香典を預かる→香典袋を開ける→中袋を取り出す→
中身を確認する→中袋の情報(住所・名前・金額)を帳面に転記する
→中のお金をまとめて厳重に保管→最後に検算する→
葬儀終了後、情報を記載した帳面・まとめた紙幣・空の香典袋をまとめたもの、
の三点を遺族に渡す
(受付係と会計係が兼任することもあります)

そして会計係から以上3点を受け取った遺族は、
帳面と紙幣は確認しますが
基本的に空の香典袋をわざわざ検(あらた)める人は少ないようです。

つまり、香典の金額と異なり、
香典袋を豪華にしても、その配慮は遺族に伝わらない可能性が高いです。

逆に家族葬の場合は、人数が少ないので受付に会計係を置かず、お葬式後、直接遺族が香典袋を開けて中を確かめますから香典袋のレベルが伝わることが多いです。

以上の理由で効率的な出費という観点からは
家族葬の時は高級な香典袋を
100人以上の参列者が見込まれる規模の大きいときは安い香典袋を
と、申し上げました。

それから「蓮の花」の模様が入っているものは仏式以外は使ってはいけない、と言われています。
ただ他宗教で使えなくなるというデメリットがあるので、コンビニには置いていないことが多いです。
余談ですがキリスト教用に十字架が印刷された香典袋があるらしいのですが、キリスト教の葬儀で使われているのを見たことがありません。
香典

香典の表書きの書き方

さて香典の表書きの書き方です。

薄墨でなくてもいい

もしコンビニで香典袋を購入する場合は、
ほぼ確実に筆ペンもコンビニで売っているはずですからいっしょに購入してください。
表書きは薄墨が正式と言われていてコンビニでも結構な確率で、薄墨の筆ペン(インクが黒ではなく灰色)が置いています。
薄墨が清拭と言われているのは、慌てて駆けつけたので墨をする時間が無かったからという説と、涙で文字が薄くなったからという説があります。
もし薄墨のペンがなければ通常の黒の筆ペンでもかまいません。
葬儀の現場では、黒い文字の方が多いです。

コンビニで書くなら宅急便の伝票を記入する要領でカウンターの一角を借りて
表書きを書けば良いでしょう。

最悪、コンビニで香典袋も筆ペンも購入できずに「丸腰」で葬儀式場に付いたとしても
気の利いた葬儀屋さんなら受付まわりに予備の香典袋と筆ペンを置いています。
そのため葬儀式場に着いてから、葬儀屋さんに声をかけてこっそりもらう、ということも可能です。
(大体葬儀屋さんは、制服を着ていたり名札を付けていたりしているはずなので識別できると思います)

とはいえ表書きを書く場所が無かったり、
気の利かない葬儀屋さんは用意していなかったりする危険性がありますので
できるだけ事前に書いておくことをお勧めします。

表書きは御霊前で

販売されている香典袋の表書き(中心部の上段)には通常「御霊前」(ごれいぜん)と書かれていることが多いです。
「御霊前」はオールマイティなので、訪問する先のお葬式がどの宗教でおこなわれるか分からない場合はこの「御霊前」でOKです。

「分かっている」と思われたい人で、下記の宗教の場合は、以下のように表書きを書いてください。

神式・・・玉串料
キリスト教・・・御花料
浄土真宗・・・御仏前(これについては下記の記事で触れています)

ただ繰り返しますが、全部「御霊前」で問題ありません。

そしてその下に、
自分の名前を書きます。
↓記入例

  • 自分だけの香典の場合・・・自分の名前を書いてください
  • 夫婦の場合・・・ご夫婦二人の名前を連名で書いてください
    (古いマナー本には、妻が夫の代理で参列したときには夫の名前の横に「内」と書く、とか一緒に参列したときは夫の名前だけ書く、と書かれていることがあります。もう今はそんな時代ではないので、どちらの場合もちゃんと連名で書いてください)
  • 組織の場合・・・組織名か、もしくは組織の代表者を肩書き入りで書いてください。(例:○○株式会社 代表取締役 田中 太郎)
  • 連名の場合・・・常識的に3名までなら順番に3人の名前を書きましょう。4人以上なら見た目のバランスが悪いので、表書きは代表者1名にして、中袋に全員の名前を書くか、全員の名前を書いた紙を同封しておきましょう。

また香典袋を購入した際、書き方の説明書が同封されているはずなので
それを参考にしてもよいでしょう。

おそらく「御霊前」がオールマイティな表書きとして載っているはずです。

字が下手な方の対策

さて自分は字が下手なので、手書きで書くのが恥ずかしい、とお考えの方。
「香典袋の選び方」で述べたように遺族は香典袋を検(あらた)めたりしないので、あまり気にされなくても良いと思います。

とはいえ事前に香典袋を準備しておけるのであれば
購入時に表書きを書いてくれる香典袋もあるにはあります。
ただし少しお高いです。

もしくは
下記の商品を事前に用意しておくというのはいかがでしょうか。
慶弔の表書き用に自分の名前を入れられるスタンプです。

浄土真宗の表書きが「御仏前」の理由

浄土真宗は亡くなってからすぐに仏様になるという教義なので、通夜葬儀の時の香典の表書きは「御仏前」を使うということが言われます。
一方ほとんどの仏教の宗派は、四十九日後に仏になるという考え方なのでお葬儀の間は御「霊」前で、四十九日の法事の際は成仏しているので御「仏」前という考え方です。

浄土真宗の方が「御仏前」という表書きを望んでいるなら、そうすべきだと思います。
(参考:門徒もの知らず

しかし首都圏の場合で言うと、浄土真宗の遺族の方は、ほとんどはその点を気にしていません。
そのため香典を持参する参列者も気にしていないことが多いのです。
そのため表書きを御霊前と書いて香典を収めた後、今日のお葬式の宗派が浄土真宗だと知って真っ青になる、
という必要はありません。

お金を入れる

中袋の書き方

香典袋のさらに中に入れる中袋という一回り小さい袋があるはずなので
それに現金を入れてください。

中袋には、住所・氏名・同封した金額を記入します。

この中袋の情報は、遺族が後日、香典のお返し物を郵送する際に必要なものです。
特に住所はていねいに、名前はフルネームで書いてください。
郵便番号も記載すると遺族は助かります。
字が汚くて読めないため、後日香典返しを送るときに遺族に手間を取らせるケースがあるので、
注意してください。

あと中袋に書く香典の金額は領収書などに使う漢数字で(参萬円とか)
書くことを勧めているマナー本もありますが日頃書き慣れていなければ普通の漢数字(三万円とか)
で問題ありません。

お札の入れ方

お札を入れる向きまで指示しているマナー本があるようです。
しかしお札を入れる向きに関しては諸説あるうえに、気を遣っていることがほとんど相手に伝わらないので
同じ方向で揃(そろ)えておけば、表裏や向きを気にする必要はありません。
それでも気になるという方は、下の画像を参考にして、お札の肖像が裏向きになる方向で入れてください。

新札か、旧札か

あとマナー本に、
「新札は使わない。もし新札しかない場合は一度折ってから使う」
とよく書かれています。
もちろんこのマナーに従ってもいいのですが、
上記で述べたように遺族が受け取る時点で
他の方の御札といっしょにまとめられていることも多いですし
また実際に受け取る遺族は新札か旧札かはまず意識していない、
というのが現実だと思います。
気にしなくても大丈夫です。
香典

香典の包み方

最後は中袋を外袋で包み、水引をはめます(←水引が印刷されている場合は不要)
外袋の上下を内側に折り込むタイプの場合は、
先に下を折り込んで、次に上を折り込んで下さい。
頭(こうべ)を垂れている様に見えるから、だそうです。

受付での香典の渡し方

 袱紗(ふくさ)を用意しておきましょう

受付で袱紗(ふくさ)から香典を出して渡すと
たとえ香典袋が安いものでも、
すごく「分かっている人」という印象を与えることができます。
袱紗とは御香典などを入れておくお盆付きの小さな風呂敷だと思ってください。

この先また使うこともあるでしょう。
袱紗はコンビニでは売っていないので、事前に安いものでよいので一枚購入しておくことをお勧めします。

お葬式には珠数(じゅず)よりも袱紗(ふくさ)を持っていくべき理由 | 考える葬儀屋さんのブログ

受付での渡し方

香典袋を直接手渡しするのは不作法とされているので
受付にお盆があればそれに載せてください。

葬儀屋さんのレベルが低くてお盆の用意が無い場合は
袱紗を持っている方は袱紗の上に
持っていない方は受付のテーブルの上に置いてください。

それから受付で香典を出すとき、
受付の人に何と言ったら良いのか?、

という質問を受けます。

受付係が面識のある遺族というレアケースを除き、
通常は何も言わず黙礼をする、で構いません。
何か言いたい方は「この度はご愁傷様でございます」が良いでしょう。
(最近テレビのバラエティ番組で、受付の挨拶は聞き取れないほど小声で言う、などと放送されてしまったようですが、ウソです。真に受けると恥をかきます。
参考記事:例のトンデモ葬儀マナーの元凶は「佐々木悦子」ではなく「岩下宣子」だと考える理由 | 考える葬儀屋さんのブログ  )

受付の作法をもっと詳しく知りたい方は↓この記事をお読みください。
葬儀屋さんが教える葬儀の受付のマナー | 考える葬儀屋さんのブログ

友人から香典を預かった場合

それから友人から香典を預かって来た人は
友人の香典の分の受付記帳を忘れないようにしてください。
数が多いと最後の方は汚い字で書いてしまいがちです。
しかし後でお返しものを送るときの住所が分からなくなる
というトラブルの元になりがちですので
丁寧な記帳をお願いします。

香典辞退の場合

せっかく香典を用意して持参したのに葬儀式場に着いてみたら
「香典辞退」の表記があった場合。

この場合はせっかく持ってきたんだから受け取って、などと言わず
素直に遺族の希望に従ってください。

一応用意したことをアピールしたければ受付で
「香典辞退なんですね?」と一言念を押す発言をしても良いです。
実際は余り意味がなく、あくまで香典持参者の自己満足のためですが・・・

香典

香典の御礼

地方にもよりますが、大体香典の金額の半額に相当する商品を香典返しとして
御礼の気持ちとともに差し上げる習慣が一般的です。
タイミングは四十九日過ぎて郵送で送るか、
お通夜お葬式の時に渡すパターンです。

最近は、カタログが送られてきて、この中から選んでください、
という方式も出てきました。
これは数ヶ月何もしないと、決まった商品が強制的に送られてきたり、
依頼主(遺族)に確認の連絡が返礼品業者から入ったりすることがあります。
そのためカタログが手元に届いたらできるだけすぐに発注手続きを取ることをおすすめします。
香典

 

もし参列できない場合は現金書留で郵送しましょう

もし
参列できず、知合いにも頼めない
もしくは葬儀が終わってから亡くなったことを知った
自宅を訪問するのも気が引ける、などという場合
香典を郵送するという方法があります。

ただし送る前に香典辞退をしていないか、必ず確認するようにしてください。

現金なのでもちろん、普通郵便でなく、現金書留を使ってください。
まず今までの文章を参考に、香典を受付で出す時と同じ状態にします。

また現金書留には文書を同封することが認められています
お詫びと冥福を祈る文章
「〇〇様の御霊前にお供え頂きたく、心ばかりの厚志を同封させていただきました。ご冥福を心からお祈りいたします。」
を同封しても良いでしょう。

香典袋(あれば同封する手紙も)を郵便局へ持参して、現金書留の手続きをしてください。
あまり容量を取らないように、香典袋はごてごてした装飾が多くないシンプルなものを使うことをおすすめします。
大体500~600円程度の費用で郵送できます。

香典を渡すのはいつまでOK?

また香典を渡すという行為はいつまでなら許されるのか、たとえば亡くなってから三ヶ月後にそのことを知ったのだがそのタイミングで香典を持参してもいいのか、という質問を受けました。

結論から言うと、特に決まりはありません。
訃報を知ったことが遅くなったことに対するお詫びを添えて、持参するなり、郵送するなりしましょう。
その際は、香典返しは不要ということを伝えた方が良いと思います。
あなた一人のために香典返しの準備をするのは、遺族にとって負担だからです。

香典袋の黒白の水引の意味は?

最後に豆知識です。
余談ですが、香典袋の水引(封筒に付けられる飾り紐)についてです。

香典袋の黒白の水引はそもそも勘違いが原因という話です。
昔大陸から贈られる海産物は赤と白のひもで結んでありました。
それを受け取った日本人は「大陸では贈り物を送るときには赤白のひもを使うのだ」と勝手に解釈。
お祝いごとの品に赤白のひもを模した赤白の水引を使うようになりました。
熨斗(のし)紙につける熨斗(のし)が元来乾燥させたあわびを指すのは水産物の名残りです。
そして祝い事が赤白だったら不幸事は白黒でよいのでは、ということで白黒の水引使うようになった、
というのが有料な説です。

また関西では黄白の水引をつかうことがあります。
その理由としては皇族の使う慶事(祝い事)の水引は緑白らしいのですが、素材の関係で黒白に見えてしまうそうです。それと区別するため関西では黄白が定着したという話を聞いたことがあります。

以上香奠のお話しでした。

参考記事
弔電の安くて効果的な送り方を葬儀屋さんが教えます
お葬式で使ってはいけない言葉
ご愁傷様の意味と正しい使い方
「ご冥福を祈る」の意味と正しい使い方
「お悔やみ申し上げます」の意味と正しい使い方
葬儀の挨拶について
通夜の時間ついて
弔辞について