葬儀屋さんがお勧めする、男性が葬儀で履くべき靴を紹介します。

私は靴好きの葬儀屋さんです。
この記事の一番最後にも書いていますが、一足15万円の究極の葬儀靴を持っています。
そんな私が葬儀で履くべき靴を紹介していきます。

お葬式の靴の理想の条件は以下の通り。
当然色は
靴のデザインは最もフォーマルであるべきなので内羽根ストレートチップ

我々葬儀屋さんは当然このドレスコード(装いのルール)に従って
お葬式の最中は常にこの黒の内羽のストレートチップをはいています。
しかし葬儀屋さんの業務は結構肉体労働なので、すぐにはきつぶしてしまいます。
そのためあまり高価な靴は普段履きができません。とはいえ葬儀のプロとしてあまりにも安っぽい靴を履くわけにもいきません。

そんな葬儀屋さんがお勧めする、コストパフォーマンスの高いお葬式ではくべき靴をご紹介します。

昔から自分が愛用していたのはシューズショップASBeeという全国展開している靴屋さんのオリジナルの内羽ストレートチップ。
そこそこの作りで、内羽のストレートチップで1万円を切る価格帯は魅力的でした。
外羽より手間のかかる内羽で1万円を切るのはおそらくここくらいではなかったでしょうか。
このストレートチップを3足のローテーションで履き回していたのですが、
今年(2017年)の1月にとうとう寿命がきてしまいました。
そこで再購入しようと思って、Asbeeさんを訪れたのですが、
一昨年あたりに自社生産を止めてしまったとのこと。

ショックです。

しょうがないのでABCマートやら東京靴流通センターやらチヨダやらいろんなお店を回って、Asbeeオリジナルに替わるストレートチップを探し回りました。
安いだけの商品ならいくらでもあったのですが、
幸か不幸か普通の人より靴に対する目が肥えてしまっているため、
コストパフォーマンスの観点からなかなか気に入る靴が見つかりませんでした。

そしてやっと見つけたお葬式に履いていくべきベストの靴は
ケンフォードのストレートチップビジネスシューズ(商品番号KN08/BLACK)です。


あのリーガルのエントリーモデル(廉価版、セカンドライン)です。

正直申し上げて、いわゆるリーガルコーポレーションの中核ラインであるREGALの靴に対する私の評価は高くありません。
8年ほど前、2万数千円のREGALのストレートチップを買ったのですが、革が最悪でした。

私は左足のつま先の内側を、右足でこする歩き方の癖があります。
そのため左足のつま先の内側に軽くこすった跡がつきます。
ちゃんとした革なら靴クリームで磨くだけで元通りになるのですが、そのリーガルの皮革はなめしが悪かったようで、どんどん表面がはげていって1ヶ月後には無残な状態になってしまいました。
運悪く不良品に当たったのでしょうが、その悪印象はなかなかぬぐえないのです。

個人的意見ですが、価格と品質のバランスを考えると、リーガルに3万円近く出すくらいなら、あとさらに1万円出して伊勢丹やトレーディングポストなどで、世界長ユニオンなどの国産中規模靴メーカ−の靴を買った方が、コストパフォーマンスは高いと思います。

そんな考えの私ですが、このケンフォードのコストパフォーマンスは評価せざるを得ません。
1万数千円の価格でこのクオリティは他には無いと思います。

REGALとケンフォードの大きな違いは靴底の製法です。
REGALはグッドイヤーウェルトという靴底を縫い付ける製法ですが、ケンフォードはセメンテッドと言って接着剤で貼り付けています。そのためケンフォードは靴底を張り替え修理するということができません。

これが価格差になっていると考えられます。

とはいえ、前述したようにREGALも革の質はそんなに良くないので、そもそも靴底をリペアする前に表皮がだめになると思います。多少私の経験のバイアスがかかっていますが。

ケンフォードの革は少し樹脂を塗っているのでしょうか、
ちょっと不自然なつま先のテカリがあります。
ただこれは高級靴好きの意見なので一般の人は気に留めないでしょう。
シルエットも細身できれいです。

現在3足買ってローテーションで履き回しています。

それから私はストレートチップの中でも商品番号KN08というタイプを購入しました。
ケンフォードのストレートチップはウィズ(靴の幅)や
つま先の形(ラウンドトゥといって丸みを帯びているか、スクエアトゥといって角張っているか)
によっていくつか種類があります。
自分の足に合うものを選んでください。

商品の説明上、商品ページにリンクを貼っていますが
ネットショッピングで購入するのはできる限り止めてください。
必ず店舗で実際に履いてみて購入してください。
上記のAsbeeの店舗でも扱っています。

また余談ですが私の場合、足の甲が低いため、インソール(靴敷)を入れて使っています。
インソールでお勧めはこれ。
少し高いですが、耐久性と通気性のバランスが高いと思います。
安いのはフリーサイズで靴の形に合わせてハサミで切ってくれ、というのが多いのですが、これは細かくサイズが分かれているのもありがたいです。
足の幅はぴったりなんだけど、ちょっと高さが、という方にはおすすめです。


 さてここからは
お葬式に履いていきたい「高級」靴ベスト3
っていう内容にしてみました。

選択基準は
当然お葬式にふさわしい色やデザイン。 
次に葬儀屋さん目線ではなくて参列者目線で、
さらに靴の好きな私の目線で。

お葬式の靴の理想の条件は以下の通り。
前述したように、色は内羽根ストレートチップで有ることに加えて
艶っぽさがなくて靴自体は自己主張はしないもの。
そうなると形は
ロングノーズでもなくて、スクエアトウでもなくて、中庸なラウンドトゥ
コバはあまり張り出していないもの
となるとイタリア靴ではなくて、イギリスノーザンプトン系になりますかね。

そして価格に関しては
一生もの〜ここぞっていうときの特別感を持てることができるくらいのもの。

というわけで
3位は
チャーチのコンサル 
私は持っていないのですが、
年季の入った靴好きからは高い支持を得ているようなので。
以前これをお履きになっていた喪主さんがいらっしゃって、
法事の打合せでお邪魔したのに
「これいいって思った靴が足に合わないとホッとするよねー。
これ以上買わなくて済むから」
という靴好きにしか理解できないあるある話を一時間ほど話し込んだ経験有り(^^;)


2位クロケット&ジョーンズのコノウト
私が生まれて初めて買った5万円オーバーの靴。
10年近く活躍中。
クロケットは悪く言えば節操なくどんな靴でも作る力があるので
黒のストレートチップだけでもいろんな種類があります。
しかし流行に左右されない中庸さと価格と品質のバランスでは
これが一番かと。


1位エドワードグリーンのチェルシー
クオリティや価格の面からも既製靴の頂点かなと。
個人的にいつかは手に入れたい一足です。

「いつかは」といいつつ、この靴を緊張しながら
ストラスブルゴで初めて試し履きした頃って
今の7割くらいの値段だったと思うのですが ・・・
あれから円高は進行しているはずだし
JMウェストンは値下げを行ったことを考えると
ちょっと日本の高級靴輸入靴市場は消費者に対してあまり誠実ではないと思う。

さて
ジョンロブのシティのシリーズが1位では?はというご意見も当然あると思うんですが
なんか、どう?高級でしょ、感が鼻につくんですよね。
(もちろん個人的な意見です。というか今回の記事の後半は全て個人的な意見なんですが)
シティはトゥをワックスで光らせないとおさまりがつかない感じが
お葬式に履いていくということを基準にすると
ちょっと外れるかな。

番外として国産の靴について少し。

日本の高級靴全体に言えることですが
国内の人件費は安くないのですが、
輸入関税がかからない分コストパフォーマンスは高いです。
実用性で言えば国産が一番かも知れません。 
その中でも特に私が
コストパフォーマンスが高いと思うのはのはこのあたりでしょうか。

大塚製靴

国産は作りの丁寧さはいいけど
自己主張の無さがいまいち、という評価を受けることがあるようですが
お葬式に履いていく靴という観点からは
むしろ好ましいと思います。

(追記)
靴にこんなにお金をかけられない、というご意見もおありかと思うのですが
(私も以前はそう思っていました) 
・クラシックなデザインの靴は流行に左右されず、
・底の張り替えなどメンテナンスをしっかりやれば10年〜20年は持つ
・ 靴がいいと装い全体がクラスアップする
ので他のアイテムに比べるとお得なんですよね。
(↓参考文献) 
それから各商品にリンク貼ってますが
もし購入されるなら
ネットで靴を買うことはおすすめしません。
必ず店舗で実際に履いてみてから購入してください。
ジョンロブ以外なら伊勢丹新宿店にそろっています。

(さらに追記)
とうとうあこがれの
↓エドワードグリーン・チェルシーを買ってしまいました。
究極の葬式靴を買った話


<2012年08月21日>記載