お葬式のマナー本には書かれていない
弔電(お悔やみ電報)の安くて効果的な送り方について解説します。
 
私は葬儀屋さんという立場上、これまで数万通の弔電を受け取って、約5千通の弔電をお葬式で読み上げてきました。現場の実践的な情報をお伝えすることで、実際に電報を打たれる方のお役に立てれば幸いです。

お急ぎの方は下記の
お得な電報業社の比較(2017年6月改訂)
をクリックしてください。 
 (お時間のある方は一通り記事に目を通して頂ければと思います)
 

弔電とは何か

まず弔電とは何か、と言う話から。
読み方は「ちょうでん」で
人の死をいたみ悲しむ気持ちをあらわした電報、のことです。(三省堂大辞林より)
故人の訃報を聞いた方で、葬儀式場に参列できない方が弔意(お悔やみの気持ち)を表す電報を打つわけです。
(後述しますが参列する人も電報を打っても良いと思います)

せっかくいただいたものなので弔電披露という形で一部の弔電を式中に葬儀の司会者が読み上げるケースが多いです。
(一部なのは、全部読むだけの時間が無いことが多いから。本文を読むのは3通くらい、名前だけを紹介するのは5通くらいでしょうか)

そんなわけで
良い弔電は、お葬式をキレイに暖かく引き締める重要なアイテムだと思います。

近年コミュニケーションには電子メールが使われることが多いですが
「手で触れることができる」アイテムというのはお葬式では大切なことです。
儀式というのはそもそも
目に見えないものを見えるようにする役目がある(弔意を表すために頭を下げる、手を合わせる、など)
からです。
電報2

弔電の正しい打ち方

さてこれから、
実際の電報の「正しい」打ち方について
お話しします。

電報と言えば「115」に電話して、という方法を取られる方も多いと思います。

この記事をご覧になっている方はインターネットを使用していらっしゃると思うので
クレジットカードをお持ちならインターネットからの申込みをおすすめします。
詳しい理由は後述いたしますが、安くて文章の校正がしやすいからです。

ではまず弔電の申し込みのポイントについてご説明します。

 ☑台紙の値段ではなく文章が大事

まず台紙を選んで印刷した紙をはさみこむタイプの弔電の選び方について。
ほとんどの弔電がこのタイプです。
ハート電報中身

基本的に料金はNTTを例に挙げると
電報台紙料金+電報(メッセージ)料
という構成になっています。
そのうち電報台紙料金にランクがあるわけです。これによって1,000円〜7,000円くらいまで幅があります。
さてどれにしましょうか?

そもそも弔電の台紙のランク選びで迷うのは
遺族に対して効果的にアピールしたいから
少しでも豪華なものを、と迷うのですよね。

しかし正直なところ弔電の種類なんてせいぜい20種類程度なので
ある程度の分量の弔電が届く場合は、だいたい誰かと台紙がかぶるわけで
実際はどれを選んでもアピールにはほとんど関係がないのです。
そもそも弔電を受け取る遺族には
その弔電を送るのにいくらかかったのかなんて、わかりません。

アピール度というのは、
台紙のランクではなく弔電の文章で決まるのです。
弔電は「弔意を言葉で伝える手段」なわけですから当たり前の話ですよね。

つまり台紙は安めので良いので
(とはいえNTTの場合、厚紙を二つに折ったもので0円のものがありますが、それは貧弱なので正直おすすめしません。それ以上のものならなんでも良いと思います)
定型文をそのまま使うのではなく、自分で考えた文章を入れるのです。

せっかく台紙は漆塗りの高級なものなのに
本文は
「●●●様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみを申しあげます。
ご冥福を心からお祈りいたします。」
という電報会社で用意した決まり切った例文を使用しているため、
残念なことになっているケースが多いのです。
よく遺族の方が
「これ、誰なのかしら」
と弔電を見ながらつぶやいているケースが多々あります。
(例えば弔電の送り主が、亡くなった夫の会社関係だったりすると、
奥さんは送り主が誰なのか分からない、というケースが良くあります)

おそらく9割以上の方が定型文を使っているのではないでしょうか。
だから、なおさら自分だけの文章を少し付け加えるだけで、
その他大勢から抜け出すことができ
遺族に対するアピール度がグンと上がるのです。

さらに言うなら、
0円のタイプも5,000円のタイプも
文章を印刷している紙は同じものです。
その紙をどの台紙に挟み込むか、で値段が決まっているのです。
そういった仕組みなので、弔電を保管しておく遺族の人も、結局お葬式が終わると台紙は外して
文章を印刷した紙だけ保管している方がほとんどなのです。
このことからも台紙にこだわるのではなく、文章を考えるのが大事
というのがお分かりいただけると思います。
電報1 

弔電の文章はこうやって決める

さて弔電の選び方をご理解頂いたところで
次は弔電の文章を具体的にどうするか?ですよね。

とは言っても初心者の方は、
(というか総務部所属の会社員でない限り弔電を送り慣れている人はいないと思います)
何をどうしたら良いか分からないですよね。

そういう方は電報サービス会社のホームページVERY_CARDの弔電文例画面)  
からとりあえず適当な定型文を選び出し
頭と末の文章はそのまま定型文を流用して、その間に自分なりの文章を入れる
という方法をおすすめします。

自分なりの文章をどう書いて良いか分からない方は
自分だけが知る(そして遺族が知らないと思われる)故人の想い出を書くのが良いと思います。
学生時代の友人なら学生時代のエピソードを、
会社の友人なら会社員時代のエピソードを書くのです。

文末が「が、思い出されます」
という文章を挿入すると良いと思います。

(例)
「●●●さんのご逝去の報に接し、謹んでお悔やみを申しあげます。
ご遺族の皆様のお悲しみをお察し申しあげますとともに、安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。」
という定型文を使って、自分なりの文章を入れると・・・

「●●●さんのご逝去の報に接し、謹んでお悔やみを申しあげます。
●●●さんとは学生時代席を並べて勉強しました。私の就職が決まったとき
「おごりだ」と言ってくれて、居酒屋に連れて行ってもらい、朝まで痛飲したことが思い出されます。
やさしい彼の心遣いを一生忘れません
ご遺族の皆様のお悲しみをお察し申しあげますとともに、安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。」

こんな感じです。

そしてこういった自分だけが知るエピソードを書くことで
・自分が故人とどういう関係かを伝えることができて
・今や新しいエピソードを生み出すことのできなくなったはずの故人の新しいエピソードを遺族は知ることができて
・遺族は、遺族以外の人からも故人が愛されていることを知る
ことでしょう。
もしかするとグリーフワーク(悲しみからの立ち直り)に役立つこともあるかもしれません。
そして遺族はその弔電を長く手元に置いてくれるでしょう。

ね、高い台紙を購入して無味乾燥な定型文を載せるよりもずっと有効なお金の使い方だと思いませんか?

それからやはり自分だけの文章を挿入するので、
115に電話して口頭で文章を読み上げるよりも
インターネットから入力することをおすすめします。
ちょっと照れくさい内容だとしても
問題ありませんし聞き間違いも起きないし、
何より推敲できますので。

電報3

弔電あれこれ

次に参列者電報のすすめ、です。

会社関係や友人など一般の参列の方は近年、
お通夜に参列することが多いと思います。
しかし実際のところお通夜の場では
ゆっくりと遺族とお話しする時間がとれないことも多いです。
そんな方で、もし、遺族に何かメッセージを伝えたいと思っている方は
あえて弔電を打ってみてはいかがでしょうか。
冒頭で原則的には参列できない方が弔電を送ると申し上げましたが
参列された方が弔電を打つのは別にマナー違反ではありません。
直接会って話すと、何を言っていいか分からなくなってしどろもどろになっている人も多いです。
そのような方々に、参列者電報をお勧めします。

次に法事電報のすすめ、です。

またお葬式の後、49日法要、一周忌、三回忌という法事を執り行います。
電報サイトにもちゃんと法要用の文例 が掲載されています。
法事の際に、弔電を打つ方は少ないので、あえてこのタイミングで打つことで
遺族に対してずっと故人のことを想っています、という気持ちを伝えることが出来て
効果的だと思います。

これまで義理でなんとなく弔電を打たれてきた方も多いと思いますが
遺族に送る手紙、という気持ちで弔電を打ってみてはいかがでしょうか。
きっと故人も喜んでくれるはずです。
弔電4

お得な電報業社の比較

では上記のおすすめの方法で弔電を打つ場合、
主要な電報業者を比較してどこがお得か
調べてみました。(2017年6月現在)

条件は
・上記の文例(172文字)を使用したとして
・一番安い台紙で
・コストのかからないWEB経由で弔電を申し込む
ということで比較したいと思います。

まずは最も知名度が高いNTTです。
台紙500円+文字代3,360円=3,860円(税別)
WEB申し込みなんだから文字代で
こんなに料金取らなくても・・・と思ってしまいます。 

ソフトバンクグループの電報サービスです
台紙 500円+文字代3,350円=3,850円(税別)
ほとんどNTTと同じ料金ですね。
 
電報業者のなかでこちらの二社が突出して高いです。
おそらくこの二社はネット以外に電話での口頭申し込みも受け付けているからでしょう。
コストのかかる電話申し込みの料金にネット申込の料金を合わせているために
(ネット申込みにした場合、NTTの場合は40円、ほっと電報の場合は50円安くなるだけ)
高額になっているものと思われます。
ネットが使えないという人向きです。

KDDIグループの電報サービスです。
文字数に関係なく台紙の違いが価格差になっています。 
最安値の台紙で1,620円(税込)
通信大手の中ではかなりがんばっている価格設定です、
 
文字数に関係なく台紙の違いが価格差になっています。 
最安値の台紙を選ぶと1,382円(税込)
文字数に関係なく台紙の違いが価格差になっています。 
最安値の台紙を選ぶと1,120円(税込) 
会員登録を行うとさらに10%割引きになります。 
 
こんなところでしょうか。 
私が弔電を送るときは最安値のハート電報  
の弔電を使っています。
私は会員登録していますが 
弔電を送る頻度が低い人は会員にならなくても良いと思います。
非会員でも安いので。 

(余談ですがVERYCARDは弔電といっしょに供花を送るサービス もやっていますので
弔電のついでに供花を送るかたにはお勧めです。)

ちなみにお歳暮などの場合、
(百貨店の包装紙などによって)どこから送られてきたっていうことが
アピールになる場合があります。
しかし弔電の場合、受け取る側の遺族には、どこの電報会社から送られてきたか
というのはほどんど意識されません。
電報に会社のマークが入っていないことも多く、
そもそも遺族がどの電報会社から送られてきたかを知っても
その弔電にいくらかかっているかというのは伝わりません。

インターネットで弔電を申し込むときのアドバイス

実際に弔電(お悔やみ電報)をネットで申込するときのアドバイスです。
まずPCで申し込むかスマホで申し込むかですがどちらも使える状況であれば
画面が広くキーボードが使えるPCが少しだけ有利です。
しかし、数分時間がかかるだけでスマホでも特に問題なく申し込めます。
(参考記事:スマホで弔電を申し込んでみた<ハート電報編>

初挑戦の方でも迷わないような仕組みになっていますが念のため注意点を記しておきます。

1.事前確認事項
a(お通夜ではなく)お葬式の開式時間
b 送り先(≒葬儀が行われる場所)の住所
c送る相手の名前(例えば喪主) 
を調べておいてください。

a.届いた弔電の代読(披露)はお通夜ではなくお葬式に行われます。
早く届くぶんには問題ありませんが、お葬式に間に合わないのは問題があるため
お葬式の開式時間を入力させられます。
b.自宅に弔電を送る方がいますが、遺族は(式中に代読してもらうために)その弔電をわざわざ葬儀式場に持参しているケースが多いのです。そんな手間をかけさせないために最初から葬儀式場にお送りするべきです。

2.レイアウト
(縦書き・横書き)と文字の書体が選べるので特にこだわりが無ければ
縦書き毛筆体
がもっとも格調高く見えるのでおすすめです。

3.名前に特殊な文字が使われている場合
たとえば
鉃 圡 社 祐
↑こういった文字ですが(機種によって文字化けしていたら申し訳ありません。)
前述したVERYCARDのサービスで申し込めば専用の外字入力方法が用意されています。(ただしPCの場合)

また心遣いとしては
名前の読み方が難しい方は本人の自覚がおありだと思うので
御手洗(みたらい)
というように読み方を()付で表記するのが親切です。 

4.最終確認
最終の入力確認画面では特に
a お葬式の日時
b(文中に入れているなら)故人の名前
c 送り先の方(例えば喪主)の名前
を間違っていないかもう一度確認してください。
まれに喪主の名前を間違っていたり、届け日の入力を間違えてお葬式が終わってから10日後に届く弔電があります。
こうなってしまうと送らない方がマシということになってしまいます。

5.申込にかかった時間は私の場合、スマホを使って初挑戦で13分くらいでした。(PCならもっと早いでしょう。
また自作の文章を考える時間は入れていません。つまり定型文をそのまま使った場合、この時間だということです)
簡単貼付け入力という機能を使用すれば相手の送り先のテキストデータを貼付けてさらに時間を短縮することが可能です。
電話で弔電を申し込んでいたころに比べると格段に楽になっています。

その他のアドバイス

 ☑この言葉は弔電で使ってはいけない
弔電を含めてお葬式などの不幸事で使ってはいけないと言われているのは
「忌み言葉」です。

例えば死(し)を含む言葉ですね。
4という数字を嫌がるのもそうですね。

もしくは同じ表現を重ねる言葉です。
不幸事の繰り返しを連想させるから、というのが使ってはいけない理由です。
例えば「度々(たびたび)」「益々(ますます)」「再び」などです。

以上の内容は葬儀のマナー本によく書かれています。
私は出版も経験した事があるので内部事情が分かるのですが、葬儀のマナー本は一定数売れるので、葬儀参列経験の無いライターさんが聞きかじった内容を寄せ集めたいい加減なものが結構出回っています。
正直申し上げてこれまで数万回弔電に目を通して、式中に読み上げてきた葬儀屋さんの立場からすると、
もう忌み言葉は特に気にしなくても構いません
仮に使われていたとしても今は気に留める遺族はほとんどいないのです。
私も式中に読み上げた弔電を、遺族に渡すために整理しているときに、「あ、そういえばこれって忌み言葉だったな」と気づいたことがありましたが、プロでもこの程度の気に留め方なのです。
あえて使う必要はありませんが、失礼はないかと弔電を送る前に何度も見直すなど過剰に気にする必要はありません。

私の経験上、皆さんが一番失敗している弔電の言葉は「天国」です。
日本のお葬式の8割は仏教形式なのですが、天国は仏教の概念ではなくキリスト教の概念です。
たまに仏教形式のお葬式に「天国で幸せに・・・」という文章の弔電を送ってこられる方がいます。
式中に読み上げなくてはいけない場合は「これ、読んでいいですかね?」とお坊さんに都度確認しています。

逆に「ご愁傷様です」「ご冥福をお祈りします」は仏教の言葉だから、キリスト教のお葬式に送る弔電に使ってはいけない、ということを言う人がいます。
しかしこれは間違いです。
(困ったことにNTTの弔電のページの解説ですら、同様の間違いを犯しています)
ご愁傷様や冥福は仏教から派生した言葉ではないので、キリスト教のお葬式に送る弔電で使ってもかまいません。
(このあたりの詳しい事情は文末の参考記事を参照してください)
一方「成仏」や「極楽」は明らかに仏教用語なので、キリスト教のお葬式の時は使ってはいけません。
しかしそもそもこの言葉をわざわざ弔電で使うケースはありませんので、実際は気にしなくて良いでしょう。

 ☑故人はこう呼ぼう
忌み言葉と同様に、文中の故人の呼び方(敬称)についても、ああだ、こうだ言われます。
弔電の受取人と故人との続柄によって
父・・・ご尊父様
母・・・ご母堂様
夫・・・御主人様
妻・・・ご令室様
妻の父・ご岳父様
妻の母・ご岳母様
よく使われるのはこんなところでしょうか。
細かいところでは、おむこさんを指す、ご令婿(れいせい)という言葉すらあります。
一度企業の総務部の方から質問を受けたことがあるだけで、
広辞苑には載っているというレベル。
実際に使われているのを見たことは一度もありません。

この「敬称」は必ず使わなければならないというものではありません。
最近は「○○様」と故人名をそのまま使うケースが増えてきています。
弔電の目的が儀礼的なものから、自分の弔意を伝えるものへとシフトしているからでしょう。
確かに会社同士の付き合いで総務部から弔電を送る場合、もしくは故人との続柄は分かっているが名前が分からない場合は、敬称を使うべきです。
しかしもう少し親しい関係なら、「三郎様」というように名前で呼びかけた方が、
むしろ送り手の弔意や気持ちが文章から伝わりやすくなると思います。

 ☑もし弔電の到着が間に合わなそうなら送らない
 もし弔電の到着が間に合わなそうなら・・・

訃報(誰かが亡くなったという連絡)を受け取るのが遅れて
今から弔電を送っても、お葬式の開式時間(お通夜じゃないです)に間に合いそうにないという場合。
弔電は送るべきでしょうか?
私は送るべきではないと思います。
弔電はあくまで
遺族が指定した通夜・葬儀の日時に合わせて参列することができないので
すぐに届く電報という手段を使った
というのが本来のかたちです。

電報が葬儀の翌日に届くのは間が抜けています。後日で良いならこちらのスケジュールでいかようにもできるわけですから、
・後日訪問するか
・お悔やみと参列できなかったお詫びの手紙を送る
という対応が正しいと思います。

参考までに主要なネット電報サービスの締切り時間一覧を作成しました。(2017年6月現在) 
仮に20日の12時開式の都内で行われる葬儀に間に合わせたいときは

ハート電報         
 19日(前日)の16時まで (註1) 
VERYCARD <通常>    
 19日(前日)の18時まで (註2) 
NTT<ネット申込>     
 19日(前日)の19時まで (註3)
VERYCARD<サプライズ便> 
 20日(当日)の9時まで  (註4) 
 

(註1)弔電のみの場合。線香など商品が付いたタイプは18時まで 
(註2)種類によっては14時までのタイプがあります。
(註3)NTTのサイトによると19日(前日)の19時までなら19日中、19日24時までに申し込むと20日の8時以降になるという記載があります。実際の葬儀現場では19日24時までに申し込むとほぼ20日の12時までに届いているようですが、申込は自己責任でお願いいたします。 
(註4)+700円かかります。 
※配達は交通状況の影響を受けます。最終的には申込の際にサービス会社のアナウンスを参考にするようにしてください。

☑弔電の替わりにメールを送るのは許されるのか

弔電の替わりにメールを送って済ますことはおすすめしません、
というのが私の意見です。

確かにメールは手軽です。
お金もかからず簡単に早く送ることができます。

さて、お葬式は儀式という「一見無駄で面倒なこと」をやっています。
参列者が手を合わす、頭を下げる
という行為で故人に対する弔意や感謝を表します。
このように目に見えないみんなの「気持ち」というものを、
儀式という行為で見えるようにすることで
遺族の悲しみを癒(いや)しているのです。
ああ、あの人はみんなに愛されていたんだなと。
多分遺族を経験した方には、私が言っていることがなんとなくお分かり頂けると思います。

だからもしなんらかの事情があって葬儀に参列できない場合でも
弔電(≒遺族への手紙)という、メールに比べて一見手間のかかる儀礼的な手段で、弔意を目に見える(手で触れられる)形にしてほしいのです。
同じ文章でも、メールではなく弔電という形式の方が、絶対あなたの気持ちが伝わると思います。
メールと手紙、大切な人からもらいたいのはどちらですか?
そういうことです。

もう一つメールをおすすめしない理由は
メールで、弔意を表すフォーマル度が高い文章を使うと違和感がある
ということです。
実際メールでお悔やみの文章を送ろうとした私の友人がそう言っていました。
例えばメールで
「この度はご母堂様の訃報に接し、誠に痛惜の念に堪えません。」
という定型文を打ってみれば分かりますが、(実際はコピペかもしれませんが)
言葉が軽くなる感覚があるはずです。
弔意を表す文章は、まだメールという媒体になじまないようです。

なにより受け取った遺族が、
「弔電の替わりにメールなんて・・・」
と気分を害する可能性が十分あります。

メールがもっと長い年月使われてくればこの感覚も変わってくるかもしれませんが
今はまだその時ではないのでしょう。

それでもがんばってメールにしっくりくる弔意を表す上手い表現をなんとかひねり出してみたら・・・
おそらくかなりの時間を費やさねばならないはずです。
文才も必要でしょう。
私にも思いつきません。
だったら最初から弔電というフォーマットを使った方が
送り手の負担が少ないと思うのです。

メールほどでないにしろ、ネットで申し込めばそれほど手間もかかりません。

以上の理由では私はメールより弔電をおすすめします。

 ☑お花(造花)などの商品付の弔電は選んではいけない

弔電といってもいろんな種類 があって迷いますね。
大きく分けると前述した
オーソドックスな台紙を選んで印刷した紙をはさみこむタイプの弔電と
ここ数年で登場したお花(造花)などの商品付の弔電
があります。

結論から言うとお花(造花)などの商品付き弔電は選んではいけません。
 
このタイプは2〜3年程前に開発されました。
弔電と5,000円程度の造花、プリザーブドフラワーや線香など
がセットで届きます。
(前述した、弔電業者が運営している15,000円程度の供花を送るサービスとは別の話です) 
お葬式で使われ始めたのがここ数年のためアピール度は高いので
弔電を自宅に送るケースには有効でしょう。
しかし葬儀式場に送る場合(実際このケースの方が圧倒的に多いのですが)
正直無駄になっているな、と感じることが多いです。

お花付き弔電を式場に送ると葬儀社のスタッフが受け取ります。
そうすると葬儀社のスタッフは、
式中に代読する弔電を遺族が選びやすいように
花とは別にその弔電だけを他の弔電と同じ束にまとめてしまうことが多いのです。
で、せっかくのお花は弔電の束のわきに置かれてしまう結果になりがちです。
このお花自体には送り主の名前がわかる表記が無いという致命的な欠陥があるので
遺族にとっては、はてこのお花は誰から?
という残念なケースが多いのです。
しょうがないので私は
弔電に付いてくる送り主の名前が書いてある短冊みたいなものを
花の底にテープで貼っています。
しかし開式前で忙しいほとんどの葬儀屋さんはそこまではしていないでしょう。
以前NTTに勤めている友人に対し指摘したことがあるのですが
改善されていないようです。

それからお葬式終了後、義理堅い遺族はその花を持って帰ろうとするので
迷惑なことになりかねません。

と、いうわけで葬儀式場に商品付弔電を送ることはおすすめしません。

以上、葬儀屋さんが教える弔電の安くて効果的な送り方でした。


 ☑弔電を海外へ送る、海外から送る
リクエストをいただいたので
海外→国内 もしくは 国内→海外への弔電の送り方について説明いたします。 
海外にいる人が日本国内宛に弔電(おくやみ電報)を送るのは簡単です。 
このページで前述した国内のインターネット電報サービスを利用してください。 
使い方は国内の人が申し込むやり方と全く一緒です。
支払いはクレジットカード払いでOK! 
念のためVERYCARDのサイトから転記しておきます。
お申込みに当たり、お申込者情報で、ご住所・電話番号の欄のご入力が必須となっておりますが、こちらは日本在住の方が入力し易いようになっております。
その為、郵便番号については日本の郵便番号しか受付けないようになっておりますので、海外在住の方は半角数字のゼロを7桁「0000000」ご入力ください。
また、都道府県名のプルダウン選択は「その他」をご選択頂き、都道府県名以下の住所を入力する欄に、お客様の現住所をご入力頂ければ結構でございます。
お電話番号は最初に0をご入力頂き、現地の番号をご入力ください。
問題は国内から海外へおくやみ電報(弔電)を送ることができるか、という話です。 
結論から申し上げますと 
「国際電報というサービスがありますので海外へ弔電を送ることは可能です。
しかし電子メールにしておいた方が無難。」 
 
理由は下記の通り。 
・日数がかかりすぎる 
先進国なら1日で届く場合もありますが、
国によっては1週間見ておいた方が良い場合もあります。 
お祝いの電報(祝電)なら事前にイベント開催日が分かっているので
日にちに余裕があります。
しかし弔電は訃報(亡くなった知らせ)を受けてからお葬式の日までに届くようにしなければならない、
というタイムリミットが存在します。
遅れて届く訃報はどうしても間が抜けています。 
・費用が高い 
例えば台紙代とは別に配達費用としてアジアなら1,800円、北米なら2,400円ほどかかります。 
  
・弔電という習慣が無い(受取人が外国人の場合) 
海外の葬儀で電報を披露するという話は聞いたことがありません。 
それに現地の習慣をいちいち調べるのも大変です。 
 
以上の理由で相手のメールアドレスを御存じの場合は、
弔電ではなくお悔やみのメールを送った方が良いと思います。
(住所知っているけどメルアド知らない、というケースはほとんどないでしょう) 
相手も海外なので事情は理解してくれるでしょう。 

最後に外国人の方にお悔やみのメールを送る方のために 

参考記事
ご愁傷様の意味と正しい使い方
「ご冥福を祈る」の意味と正しい使い方
「お悔やみ申し上げます」の意味と正しい使い方
 葬儀屋さんが教える香典のマナー


<2012年10月04日>記載