今回ご紹介する本はこちら。

日本のお葬式はどう変わったか: お葬式の今までとこれから

著者が自身と同世代(30代〜40代)、
つまりそろそろ親の葬儀のことも考えなきゃという世代の視点で
葬儀のことを考えてみよう
という主旨で書かれた本です。
そのため主語が「私たち」という文体になっています。

冒頭の
「果たして本当に焼くだけでいいのか。
私たちは皆、特定の宗旨を持たないけれど、
魂の存在を全否定する程の唯物論者ではないのだ。」
という文章からも分かる通り
この世代の、お葬式に対する気分というかとまどいを
うまく伝えている良書だと思います。

これまで
葬儀屋のポジショントーク全開の本か
葬儀業界に対する差別感情丸出しの本が多い中で
筆者のようにバランス感覚をもって思索を深めていく姿勢は好感が持てました。

そして
いろいろ調査や考察を重ねて出した筆者の結論というのは・・・・
ネタバレになりますので、全部は書かないようにしときますね。

消費者サイドだけでなく葬儀屋サイドから読んでもおもしろい本です。

さて、ただほめただけで終わると、私らしくないので
些末(さまつ)なツッコミをいれて、イヤな空気感で文章を終えたいと思います(^^;)

・P83〜84で紹介している旧体制の葬儀屋さんのこと、筆者は本心では
評価してないですよね(^^;)

・取り上げている「葬儀」という仕事」という書籍は、
業界を読み解く資料としては適切ではないと思います。

・文中で某生協の葬儀サービスを評価しています。
明瞭で適正価格であることには私も異論はありません。
ただ出版直後にその生協のサイトに本書の該当ページが
そのままPDF形式でアップされていたのは、
ちょっと不自然だったと思います。
(現在はPDFデータが見れなくなっています。)

・葬儀の受付をやっていた葬儀屋が、
香典袋を受け取って中身の紙幣を確認し、
顔も上げず「はい、結構です」と言った、という
葬儀屋の駄目さ加減を表すエピソードが記載されています。
でも、この話は腑(ふ)に落ちません。
葬儀屋が受付で香典係をやるんでしょうかね?
集計で金額が合わないなどのトラブルを考えると
葬儀屋が受付係を引き受けるのはあまりにもリスキーです。

そもそも
「その受付係は、葬家(原文ママ)の親類等ではなく、
明らかにその会館の社員だったという。」と記述されているだけで、
何をもって受付の人物を葬儀屋と判断したのか不明です。
制服を着ていたのでしょうか?ならばそのように書けばいいと思うのですが・・・ 


<2013年05月15日>記載