「影響力の武器」
について触れたので、この本の話を少し。

この本の中には
葬儀屋が遺族との交渉を有利に進めるヒントがたくさん書かれています。
新人の頃、純粋に勉強のためと思い名書と言われるこの本を読み込みました。
この本に書かれているテクニックを葬儀の打合せに応用したら・・・・というテーマで 
今でも付箋が100枚くらい貼ってあります。

本書を読まないとよく分からないと思いますが
たとえば付箋のメモ書きの一部を抜粋すると・・・

コントラストの原理・・・先に祭壇や棺などの高額商品を決めてもらう
返報性のルール・・・香典や供花を辞退する人に使う
ドアインザフェイス・・・かなりの高額商品の説明から入る
ローボール・・・総額が確定したあとで言い忘れたフリをして必需品を販売する
コミットメントと一貫性・・・
 故人のことを大切に思っているというコメントを冒頭で引き出す
 見積書の一部を遺族に書かせる
(以下略)

で、当時そこまで読み込んでからこう思ったのです。

「このテクニックは絶対に使うまい。」

おそらくそう思った葬儀屋さんも何人かいるのでは。

なんで?、という方には
この本からの引用を載せておきます。

絶妙な聞き方の技術
(P158から引用)
あなたは誰かに操作されたいですか?
 
相手を操作して売るやり方は、長い目でみると、結局はうまくいきません。
「買い手の後悔」などといわれますが、ふと相手がわれに返ったときに、
何かだまされた印象を持ち不信感につながるからです。
これは何もセールスだけでなく、マネジメントでも同じです。
「部下を思い通りに動かす方法」なんていう本を読んでいる上司と、
本音で話をしたい部下はいるでしょうか?
あなた自身、相手に操作されたいですか?
答えはNOでしょう。
(引用終わり)

自分がされたくないことは他人にしない、
というシンプルな理屈です。

ただその時
自分は葬儀が好きなのであってビジネスはあんまり好きじゃないんだな
ってことに気付いたのでした。
この時点で、資本主義社会で生きる自分の限界が見えてしまったという・・・

ただ前回も言ったように
別に安いものを売れと言っているわけではないのです。

「見積もりの金額を見たときは結構な金額だと思ったが、
葬儀を終えた今は十分納得が出来る」

以前自分が担当したお客様からのアンケートに書かれていたコメントです。
こういう売り手と買い手の幸福な関係ををずっと追い求めていきたいのです。


<2013年11月23日>記載