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ホテル業界から葬儀業界が学ぶこと




セブンイレブンを今日の姿に発展させたセブン&アイ・ホールディングスCEOの鈴木敏文氏が
田原総一郎氏との対談で語っていたのですが、
彼はローソンやファミリーマートに「行ったことがない」そうです。
恐らくウソだと思いますが(^^;)
でも、見て、まねたところで同レベルになるだけで、圧倒的な勝利はおさめられないと言うのは確かにその通り。

とはいえ葬儀業界は、まだまだ他のサービス業から学ばなければいけないところが、たくさんあります。

さて今回ご紹介するのはこの本。

ホスピタリティ・マーケティングの教科書

ホスピタリティ・マーケティングの教科書

窪山 哲雄 有楽出版社 2014-01-28
売り上げランキング : 420811

by ヨメレバ

 

葬儀業界以外から学ばなきゃと考える葬儀社の人間にとって
窪山哲雄氏のこの本は有益です。
書かれていることは極めてまっとうなことなのですが
同じホスピタリティ産業であるホテル業界も同じところで悩んで、問題を解決してきたというところに
勇気づけられます。
特にザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパをスタートさせたあたりのくだり。

(P142~)
ホテル運営の最大の敵は、トップの意思や意向が現場のスタッフに正確に伝わらないことなのだ。
現場での苦労が多く、また様々な経験を持つスタッフで構成される組織体は常に歪もうとする慣性を持つものである
(P144~)特に中途採用のホテルマン達の、ある種のニヒリズム(中略)
富裕層マーケットが反応する事を信じていなかったし、高度なサービス技術を練磨するための必要性すら疑問視していた(中略)部下がネガティブな考えを持ったとしても、それに同調してしまうようなマネージャーが多かったのである。

そんな状況下で洞爺湖サミットはスタッフみんなを同じ方向に向かせるための起爆剤だったのです。

(P222~)「ホスピタリティ」とは、「サービス」という土台の上に位置するイメージだ(中略)
「ホスピタリティ」とはこれらの「サービス」が十分に提供される環境下で提供可能となるものである。つまり、基本的なサービス技術を体得していないスタッフが、単なる思いつきで、相手に合わせる対応をしても、かえって客に不満を与えてしまぅ危険があるのだ。

この考え方は安易に葬儀で感動をうたうことへの警告とも受け取れます。
練習でドリブルできないのに試合でオーバーヘッドキックをするな、
という言い方を私はしてました。
ホテル
あと、おもしろいと思ったのはここ。

キャリアアップよりも定年まで安定的に仕事をこなしていければ良いという従業員もおり、その場合はそれに合ったプロフェッショナルプランを用意する。

確かにマネージャーの職務が好きでも得意でもない人もたくさんいるわけですし
みんながみんなマネージャーをやるわけではありませんし。
こういった層の存在をちゃんと組み込んでいるところが
理想だけでなく現実も見ているんだなと。

窪山氏はホテルのバーテンダーなんて年を取っている方がいいとおっしゃっています。
確かに接客の部分に関して葬儀屋さんも同じことが言えます。
人生経験は語る言葉に説得力を持たせますから。
たとえば
「お通夜の料理にいなり寿司を追加しましょうか?」って
モーガンフリーマン演じる葬儀屋さんに言われてみなさいよ・・・
って例えが分かりずらいよ(-_-)

とはいえ接客以外の部分では、葬儀屋はホテルマンよりはるかにハード。
だから加齢した状態で現場仕事に堪えられるかというと、これが難しい。
定年まで現場仕事をやるには
体鍛えろ、くらいしか解決方法が見当たらないのがつらいところ。

他業種から学びたい
葬儀業界のマネージャー職に一読をお勧めします。











11 件のコメント

  • 酒を飲まない物理教師さんには無縁ですが、ホテルのバーは究極のサービスです。
    お奨めは横浜の「シーガーディアン」と新宿の「ポールスター」。
    しかし、横浜は「時代の流れで行かなくなりました」。

    横浜はパーフェクトでしたが、時代とともに「大きな変革」があり行かなくなりました。
    この店は「シガーの名店」であり、品揃え、スタッフの知識、客を考えると国内でも
    トップ・クラスでした。
    しかし、時代の流れとともに「全席禁煙」となりシガー文化は消滅しました。
    この店のバーテンダーを始めとしたスタッフの殆どは「シガーの専門家」も言える
    人達でしたが、会社の方針で「封印」されました。(現 シーガーディアンⅡ)
    電子煙草を燻らせ、ノンアルコールを飲んだヘミングウェイからは、文学は出来ない
    でしょう。

    新宿のポールスターのスタッフは外れがありません。
    カウンター内のバーテンダーは時間が来るとウエイターとなり、ウエイターが
    バーテンダーに代わります。
    すなわち、この店は「お酒をつくりる人、お酒を運ぶ人」ではなく、全てのスタッフが
    「カクテルの名手」であり知識と技能を持っています。
    そのためにウエイターに座席でカクテルを頼むと、注文を受けた者がカクテルを
    つくり運んできます。

    マティーニはビィフィータ・ベースが基本ですが、私はタンカレー・ベースですので
    カウンターで飲む場合は良いのですが、ウエイターに頼むと間違えられることが
    多いのですが、ポールスターでは「受注者が制作」なのでミスはありません。
    おネーチャンを連れて行き、「レインボー」を頼むと、ライトで7層を光らせてくれます。
    客層や店内稠度は横浜には劣りますが、「スタッフに外れがない」との意味では
    新宿はお奨めです。(俗にいう、客満足度は高いのでは)
    当然ながらロイヤル・ハウス・ホールドも置いてあります。

  • お初です。
    「葬儀」「利益」などで諸々検索をしてみたら、このブログにたどり着きました。凄く面白いですね。今後も読ませていただきます。

  • prof様
    >ライトで7層を光らせてくれます。
    これは絵が浮かばないのですが
    テーブルにライト置くんですか?

  • Halさん
    >凄く面白いですね。今後も読ませていただきます。
    ありがとうございます(^_^)
    今後もよろしくお願いします。

  • 取りあえず、「レインボー」はこれ。
    https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AB%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%AB+%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC&hl=ja&rlz=1T4MORJ_jaJP526JP526&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=_HnbVILQG4ixmwWIl4CoDQ&ved=0CCEQsAQ&biw=982&bih=443
    美味しいカクテルではありませんが、技術が必要なカクテルです。

    ライトは、懐中電灯を持ってきて「私が造りました」と下から照らしてくれます。
    (カウンター席は明るく必要が無いのですが、ソファー席はうす暗いので7色が
    見えないので)

  • 添付アドレスがおかしいみたいですので
    グーグルで「カクテル レインボー」で画像が出ますので

  • 西新宿の高層ビル群の中の高層ホテル、最上階のBar。
    バーテンダーやウエイターに頼べば、下の部屋を取ってくれます。
    後は各自の判断で、検討を祈ります。
    私的な問題点は「都庁の隣」。

  • prof様
    >下の部屋を取ってくれます。
    その前に相手をどこで見つけるか、が難しいんですが(^^;)

  • 自社以外のコンビニ行ったことがないのは本当ですよ
    内々では有名な話です
    彼なしではセブンイレブンは成り立たなくなってしまっている

  • 教祖 鈴木敏文様
    鈴木氏がたまたま立ち寄ったセブンイレブンで買ったアイスクリームが気に入らず
    3時間後日本全国のセブンイレブンからそのアイスクリームが撤去されたという伝説を聞いたことがあります。

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