以前
大前研一氏の葬儀業界の分析が非常にいい加減な件
という記事を書きました。
今回も、相変わらず大前研一氏の葬儀業界と葬儀屋に対する評価が間違っているという話です。


ベストセラーになった

を初心者向けに書き直したものです。以前この2冊は読んでいたので、
この「超訳・速習・図解 企業参謀ノート[入門編] 」はスルーしていたのですが
最近手に取ってみるとこんな記述が・・・

私は日本国内で唯一の成長産業は葬式産業ぐらいだと常々言っているが(P25)

いや、ほめて頂いて恐縮なんですが、間違ってます。
葬儀業界って衰退産業なんですって。
(参考記事: 佐々木俊尚氏ですら間違う、インターネットの葬儀情報

成長している国に行ったっていい。葬式産業が国内でも伸びると思ったら、身を投じてもいい。
(中略)
そんなときこそ、「人と違ってもかまわない」という自由な心から生み出される発想が大切なのだ。
(P185あとがき)

なんか葬儀屋のこと評価しているようで
葬儀屋になるには海外で就職したり普通の人がやらないことをするほどの覚悟が必要
と言っているわけで、ある意味失礼ではないかと(^^;)

いやそれって、考えすぎとか被害妄想とかおっしゃる方には
この本をどうぞ。

「好き嫌い」と経営

楠木 建 東洋経済新報社 2014-06-27
売り上げランキング : 11842
by ヨメレバ

この楠木教授との対談で、大前氏が
結婚式には出ないが葬式には出る、と言っているところまではいいのですが
わけのわからない坊さんがグジュグジュグジュグジュ言って、葬儀社の人が立てだの座れだの、横から命令するでしょう。「なんてイヤな野郎だ」と思いますよ。みんなが同じように一礼して、香をつまんで手を合わせるとか、しょうがないから言われたとおりにやるけど(笑)、ああいうことは全部イヤですね。

冗談交じりに言っているとはいえ
大前氏は葬祭業に対する敬意はお持ちでないようです。

大前氏自身はこの対談で述べているように
実質重視で、形式はどうでもいい。
という主義だから葬儀という「形式」に我慢がならないのでしょう。

しかし多くの人は最愛の人を亡くしたとき
その悲しみや弔いたいという気持ちを癒(いや)すために
どうすべきなのかがわからないのです。
だから人類は宗教や葬式という「形式」を作ったのです。
人類は葬式という形式によってみんなが弔意を表せるようにした、
つまり大切な人を失ったときに何をしたらよいか?
に対する答えを用意したのです。

大前氏は数々の著書を世に送り出していますが
戦略を考えるときに個々が勝手に思いつきで考えろとは言っていないですよね。
ちゃんとフレームワークという「形式」を推奨しているじゃないですか?
それと同じ。

葬式に対する大前氏の意見は少数派。
御本人にもその自覚がおありだと思います。 
極めてパーソナルな意見を表明するのは別に構わないのですが
多数派の内面が読めていない状態でその産業を語るのは危険です。
ましてや葬祭業なんて人の内面に大きく関わっている産業なんですし。
下戸がアルコール業界語っている状態だと思います。

分かっていないから
サイバー墓参り(-_-)
なんてことを提案してしまうわけです。

複数筋の情報によると大前氏に葬儀のことをレクチャーしているのは
お仏壇のH社のトップらしいです。
(もしかすると大前氏が葬儀より墓参りが好きって言うのはこのラインでのプロモーションなのか?)

これが大前氏の判断を歪ませている原因ではないでしょうか。

申し訳ないですがH社は本業の仏壇墓地関係は優秀だと思いますが
H社からみて周辺業務に当たる葬祭業そのものへのかかわり方は
センスがいいとは言い難いです。
過去に立ち上げた葬儀紹介業のマーケティングやオペレーションは?という感じでした。

そんなわけで大前氏は今の状態で葬儀業界に言及しない方が良いと思います。
企業参謀ノート
とはいえ大前氏はコンサルタントとしては非常に優秀なので
(基本的に濃くて頭が良くておかしな人が私は好きなので
大前氏に対しても実は好意的なのです。)
企業参謀ノートに書かれた手順で葬儀業界の今後の戦略を
さわりだけ考えてみたいと思います。

次回に続きます。 


<2015年03月23日>記載