先日テレビ東京の「なないろ日和!」 
という番組でまた終活特集がありました。

↓まぁ未だにこんな事言ってる程度の番組です。
 奥山晶子2
そこに奥山晶子(おくやま しょうこ)女史が
終活の解説者として登場していました。
奥山女史は以前
東京MXテレビの「ぷらちなライフ」にも登場していたので
(参考記事:東京MXテレビ「ぷらちなライフ」を見て
今後彼女の出番が増えるかもしれません。

「彼女どう思う?」と葬儀屋仲間からたまに聞かれることがあります。
これはつまり「この人を許していいの?」ってことだと思うんですけど(^^;)
私の現在のスタンスとしては問題はあるけどもう少し見守ってはどうか、
と考えています。

今回のテレビ出演をきっかけに彼女と彼女の著作に
触れておきたいと思います。

葬式プランナーまどかのお弔いファイル

奥山 晶子 文藝春秋 2012-08
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彼女のプロフィールはこんな感じ。
作家
葬儀ライター
フリースタイルなお別れざっし『葬」編集長
1980年、山形生まれ。新潟大学人文学部卒業。主に哲学を学ぶ。
大学時代4年間通して本屋でアルバイトをするほど本が好きで、
出版社への就職を試みるも採用されず、互助会へ入社。
配属先がご葬儀部門、営業に始まり、
その後搬送から司会業まで年間約50回のご葬儀をプロデュースする責任者へ。
約2年間の勤務の中で、同年齢の女性の突然の死や子供の死などに触れた経験から
「人生、やりたいことをやらないと後悔が残る」と決心、互助会を退職。
大学時代憧れだった書籍に関わる仕事を模索し、
書籍営業代行会社や脚本家などを経て現在の出版社に就職。(以下略)

「どう思う?」って聞いてくる人の発言にはおそらく
たかだか2年ごときで辞めた奴がテレビで葬儀を語るのか?
というニュアンスが含まれているようです。

確かに初志貫徹と言えば美しいが
葬儀の現場投げ出して出版社を選んでおきながら、
結局元葬儀屋の肩書きを飯のタネにするという行動は
葬儀屋サイドからすれば嫌みの一つも言いたくなる気持ちはわからんではありません。

ただ少しだけフォローしておくと彼女の著書では
元葬儀屋の女の子が主人公なのですが
葬儀屋を辞める自分自身を自嘲気味に評価する辺り(P21〜)
引け目を全く何も感じていない、ってことでもないみたいなんですよね。

とはいえ実践不足という印象はぬぐいがたいものがあります。

葬儀社に入社後2,3年目の新人に多く見られる
なんとか担当を持てるようになって自信を付けてきた感じ、
悪く言えばまだ葬儀の本当の怖さに気づかず調子に乗り始めた感じ
のまま止まってる感じがします。

特に著作やTVでいわゆるDIY葬とやらを勧めるのは軽率だと思います。

「遺体の処置」と「段取り」を葬儀屋を介さず
実際に遺族に行わせるのはかなり無理があります。

上記の著書の第一話で「DIY葬−葬儀屋ナシでもなんとかなる」
とか言っておきながら結局第六話で火葬場予約など段取りを全てやっているのは
元葬儀屋の主人公ではないですか。
これは明らかに矛盾しています。
(そもそも主人公は役所に転職した設定なのに、そんなことやっていて大丈夫かと)

遺体搬送時に防水シート用意しろったって一般の人はなかなか持ってないでしょうし
自家用車に遺体をシートベルトで固定って軽く言ってるけど、
(実際にやろうとした遺族も知ってるけど)
硬直や体液の問題もあって大変だよ。(P47)

棺は注文して翌日の夕方届くという設定になっているけど
BtoC(企業と消費者との商取引)でそんなに迅速にできる仕組みはありません。
どうしてもというなら、亡くなる前に棺を買って自宅に置いておくしかないけど、
その方法勧めますか?

それから個人で利用できる会館の例として千代田万世会館をあげているけど
奥山さん、きっとここ使ったこと無いでしょう。
大変使いづらい場所なんだけど。

ね、一般の人が自分たちで葬儀するって大変なんですよ。

この本の前書きで
「やることが多すぎて当然徹夜です。三日三晩ほとんど寝ずに、
葬儀本番に倒れる令夫人を何人も見てきました」
と言っておきながら大変な「DIY葬」すすめるっておかしくないですか。
(それからそんな令夫人をたった2年の勤務中に何人も見たってことは
おまえが葬儀担当者としてデクノボウだからなのではないかと
ほとんどの葬儀屋さんがツッこむと思う)

あと僧侶紹介はここに相談!って
紹介しているのは、中の人から見るとちょっと危なっかしい。

それから葬儀社選びのポイントの一つが
「事前相談の時に管理職が担当してくれるか」(P64,P72)
と言ってしまうのは幼すぎます。
あのね奥山さん、管理職の仕事は現場をマネジメントすることなの。
事前相談に管理職が出てきてしまう葬儀社って言うのは
マネジメントができていないか、肩書きだけの役職を乱発しているかのどちらかなので
むしろダメな葬儀社なの!

さすがにこれは本人もバカなことを書いてしまったと思ったのか先日のテレビでは
ベテランという表現を使っていましたが、そんなにベテランを評価するなら
2年の勤務歴にもかかわらずテレビでお葬式のことをしゃべっているあなたはなんなんだと・・・

奥山さんが多用する「素人のあなたでもお葬式ができます!」ていう主張は
彼女が素人以上葬儀屋未満であるが故の視点ではないかな?
消費者目線ということではなくて。
奥山晶子
さて今回はヒール(悪役)に徹して
いろいろ厳しいこと書きましたけど
叱咤激励だと思ってください。

冒頭で書いたように私は
少し見守るつもりです。
(お前こそ何様だ、という状態ですが(^^;)) 

なぜならご遺体に触れたことさえないのに
私はまだ貴方に期待せざるをえないのです。

あなたには、
まだ自分自身が未熟であるという自覚がありそうなので
望みはあると踏んでいます。

何はともあれがんばってください。
今後実務経験を重ねる気はないでしょうから
とりあえずもっともっともっと勉強してください。
応援しています。


<2015年07月31日>記載