以前
葬儀屋のマニュアル不要論に異論有り!
という記事を書いたことがあるのですが
先日コメント欄で、
さがみ典礼という互助会系大手葬儀屋さんのサイト
http://megalodon.jp/2015-0813-1805-57/https://www.sagamitenrei.com:443/about
を教えていただきました。
私達にはマニュアルはありません。
なに!

なぜなら、故人さまの歩んできた人生はそれぞれ違い、ご家族さまの想いも違います。それをマニュアルでまかなえるわけがないという考え

うーん、私の考えはこれ。
私はずっと葬儀屋さんにはマニュアルが必要だと訴えてきました。
「故人さまの歩んできた人生はそれぞれ違い、ご家族さまの想いも違」うので
その葬儀もそれぞれに異なるからこそ
マニュアルが必要
と私は考えます。

時折マニュアル不要論を唱える葬儀社がいらっしゃいますが
今回さがみ典礼さんのサイトを素材として考察を行ないます。

マニュアル3

さがみ典礼さんに勤めている知り合いがいないので本当のところは分からないのですが
たぶん考えられる実態は3パターン

A本当にマニュアルがない
B経営陣はマニュアルを持つなと言っているが、現場はこっそり持っている。
C本当はマニュアルを持っているが、無いといった方が消費者に評価されると思っている。

パターンA
確かに町の葬儀屋にはこのパターンは良くあります。
職人の徒弟制度(私はアルチザンシステムと呼んでいます)であり
見て盗めという主義。
以前こういう記事を書きましたが

教えないことで自分もしくは小さい共同体(ギルド)の希少価値を高める戦略が取れる場合は
職人の徒弟制度は有効でしょう。
だから、教えること(ナレッジ化→マニュアル化)は必要はなかったのでしょう。
さがみ典礼は町場の葬儀屋として始まりました。たとえ会社は大きくなっても、その志は変わることはありません。
確かにこうおっしゃっていますし。

しかしレベルを一定に保った状態で組織を巨大化させる場合、
職人の方法論は機能しません。
マニュアル(品質基準を含む)が必要です。
計画的戦略的に組織を大きくしても
レベル感を保つのは至難の業(わざ)です。
ましてや職人の方法論のままで組織を巨大化させてしまったら
レベルがバラバラでひどいことになってしまうでしょう。
 
さらに大手葬儀社がマニュアルを導入することは
葬儀業界全体のレベルアップ(≒ボトムアップ)につながると思いますので
業界全体のことを考えても必要なことです。
遺族にギャンブル(できる人に当たるか、できない奴に当たるか)をさせてはいけません。
葬儀はやり直しができないので。

さがみ典礼さんて、業界有数の巨大企業なわけですが
どうやってレベルを維持しているのでしょうか?
謎です。

となると次は 
パターンB
が考えられます。
しかし
経営陣はマニュアルを持つなと言っているが、現場はこっそり持っているなら
これはこれで経営陣の現場のマネジメントはどうなってんだ
という話になります。

となると可能性が高いのは
パターンC
でしょうか。
マニュアルが無いって言った方が
カスタマイズされた特別なサービス提供感が出て顧客好感度が上がる
という考え方。
私と意見を異にしますが、地域性や顧客年齢によっては支持されるのかもしれません。
(ただし顧客に対してウソをつくことになるのですが。)

C説を裏付ける根拠としては役員山村千尋氏の発言。 
世の中のご葬儀をよくするためなら、弊社の技術をすべて公開して真似して欲しいと思っている

もし本当にマニュアルを持っていないのなら
上記の発言は、矛盾しています。
他社に真似しろという発言するのであれば
それ以前に社内のスタッフが真似すること(≒マニュアル化)が行われていなければおかしいでしょう。 

ところでもしC説のように顧客好感度を上げることが目的としたものなら

同じく役員山村千尋氏の発言
ご葬儀で学んできた経験をもとに「心の試験」を行います。一生出くわさないくらいの難題を投げかけるため、
(中略)何度もチャレンジし、合格したときは泣き出すくらいですから、相当厳しいものと自負しています。

はどうなんでしょうか。
どん引きしたのは私だけでしょうか?
個人的にはちょっと「苦手」な感じです。
スタッフが述懐するならともかく、役員がホームページで語るってことは
これが自慢、もしくは社風ってことですよね。
マニュアルが無い≒共通基準が無い、って事だと思いますので
「一生出くわさないくらいの難題」の合格基準って、採点官(上司)の腹一つ、
で決まるものでないことを祈ります。
「心の試験」というネーミングも「精神論>技術論」の香りが。
泣き出した社員を見て役員は達成感で感極まって、と解釈したのかもしれませんが
私はどうしてもパ○○ラ的なものを連想をしてしまうのです。
(もちろん実態がそうだっていうことではなく、私はそう感じるという話です)

たしかに
マニュアル不要論〜職人気質〜精神論
って並べてみるとなんとなく一貫性は感じますが・・・

最後に改めて誤解のないように申し上げますが
私はさがみ典礼さんを批判しているわけではありません。
成長されているので当然高品質の裏付けがあるのだと思います。
ただ私と意見を異にするので考察してみた、
けど真実はどうなんだろう?というのが今回の文章の主旨です。

もしさがみ典礼さんのサイトに書いていることが本当なら、
(私は働きたいとは思いませんが) 
この会社の方法論には大変興味があります。
中の人がこの記事を読んでいらっしゃったなら
ぜひ実態を教えてください。

(追記)
さがみ典礼で遺体取り違えて火葬
↑やっぱりマニュアル使った方が・・・ 



<2015年12月10日>記載