今回は終活ではなく就活の話です。
たとえば大学訪問をしての企業合同説明会などでは、
10分程度で自社のことを説明しないといけないことがあります。
そんなとき、
まったく葬祭業のことを知らない学生さんに短時間で興味を持ってもらうにはどうしたらいいか?
という目的でしゃべった内容を掲載します。

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みなさん、こんにちは!

本来なら我々葬祭業のスタッフがどんな仕事をしているのか、
最初に業務内容を説明しなければならないのでしょう。
しかし細かい説明はしません。 

なぜならここで業務の細かいデティールについて言葉を重ねても伝わらないと思うからです。

自分の一番大切な人のことを今、思い浮かべてください。
もしその人が突然亡くなったら?
想像はできますよね。
でもその想像は正確ではありません。
人間は自分の本当に身の上に起こったことしか正確に理解することはできません。
皆さんの年齢のころ自分もそうでした(註1)

だから我々の仕事、つまり人が亡くなってからやらなければならないことを一から説明することはできますが
正しく伝えることは難しいと思います。
真実は経験するしかありません。
だから細かい業務の話は後回し。
あとで当社のホームページを見てください。
観客

これからはもっと本質的なことを話したいのです。

皆さんはなんで就職活動をしているの?

多分理由は3つ有ると思います。

一つ目は「安定した収入が欲しい」ということでしょう。
本音を言えば。

これは当然です。
まだ何者でもない今は特にそうでしょう。

ただこれはどんな企業もそうだけど皆さんが働く間30年以上に渡って
収入が保証されている業種、企業はないと思います。
正確に言うと現在の時点でそこまで見通すのは無理。
私が学生の時は就職したい企業1位はJALだったんですが、
その後一度潰れたよね。
だから完全に未来を予測することは無理なんです。

だけど仮説をたてることはできます。
今後日本は少子高齢化。
去年日本では126万人の方が亡くなっている。つまり126万件の葬儀が行われた。
2038年には165万件の葬儀が行われると言われています。
つまり活動機会は増えるのです。
だからもちろん保証はできないけど
他の業種に比べれば有利じゃないのかと思います。(註2)

二つ目は「正社員」になりたい、からじゃないですか?
非正規雇用の問題を皆さんは痛いほどかんじているでしょう。
できることならちゃんとした仲間として
迎え入れてもらえたいと望んでいるはずです。
50億円以上の売上規模の企業の中では
葬儀業界というのは最も正社員になりやすい業界だと思います。

なぜなら希望する人が少ないから。

三つ目が1番大切なことです。

みなさんはそもそも何のために働くの?

何のために働くのか さらにもっと次元を上げると、何のために生きているのか?
それは誰かに必要とされたいからじゃないの?
自分なんか誰からも必要とされていないと思いながら生きていくのは
どんなにお金があっても無理だよ。

お客様の立場にたったとき。
もっとも他人を必要とするときはいつ?
もっとも人生でつらいときだろう。
もっとも人生でつらいときはいつ?
大切な人を亡くした時だよね。
そんなときに我々葬儀屋さんは登場する。
そして遺族の側に寄りそう。
これ以上必要とされる仕事ってあるかな。
もちろん心臓外科のお医者さんとかレスキュー隊とか、人命救助系の仕事はそうかもしれないけど
その仕事は望んでもそう簡単になれないよね。

葬儀屋さんならなれる。

誰かに必要とされる存在に。

さっき葬儀屋さんならなれると言ったけど
続けていくのは誰でもできることではない。

精神的肉体的に大変ハード。
徹夜明けでさらに夜まで働くときもある。
そしてお客様は大切な人を亡くしたばかりの人だ。

でも考えてみれば、簡単に誰でもできてやりがいがある仕事
っていうのは成立しないよね。
選ばれた人間にしかできないことをやっているという実感があるから
やりがいもうまれるんだよね。

ここでみなさんが悩むのは
じゃその仕事、自分はやっていけるのか、適性があるのか
ということだと思う。
でも自分がその仕事に向いているかどうかなんて悩まなくていい。
なぜならあなたたちが自分自身を自己分析するのは無理だから。
だって冒頭で言ったように仕事の内容を文字情報じゃなくて
実感として理解することすらそもそも無理でしょう。

適性の見極めは私たちがやる。
本人に自信がなくても、我々が向いていると思ったら採る。
自信があっても向いていないと思ったら採らない。

皆さんに必要なのは
葬祭業という仕事をやってみたい
という意思。
それさえあればいい。

私の言葉に共感できる人だけが来てほしい。
誰かに必要とされることを望んでいる人は当社に来てください。

お待ちしています!



(註1)本当は学生の時点で私は両親が亡くなっていたのでこれは事実ではない。
ただ聴衆である学生とラポールを形成する必要があるので、こう言った。

(註2)本当は葬儀業界は衰退産業であると私は思っている。
正確には葬儀業界は衰退するがその環境でも自分の会社は伸びると思っている。
しかしそれをかみ砕いて説明しだすとキレが弱くなるので省いた。



<2015年09月19日>記載