インターネット葬儀社紹介サービス会社の「みんれび」さんが
コンビニ後払い決済を導入したとのプレスリリースがありました。

初見の方にご説明いたしますと「みんれび」さんは
葬儀屋を探している顧客をインターネットで集客し、全国の葬儀屋さんに紹介して
紹介手数料を得るという活動をしている会社です。
葬儀屋さんてIT系弱いのでこういうニーズがあるのです。

コンビニ後払い決済を導入した背景について説明されているのですが・・・
みんれびはインターネットで葬儀の手配を行っているため、お客様情報の紐付が効率的かつ申込みから決済までをスムーズに行うことができる
コンビニ後払い決済の上限金額は30万円 (30万円以下の葬儀プランがあるからこそ実現可能)
葬儀をお申込みいただくお客様は金銭面だけでなく、判りやすさ・明朗会計などを求めている方が多くコンビニで支払うことができるという仕組みがニーズと合致する 
この文章ってどちらかといえば顧客ニーズの話ではなく、後払いシステム運営会社に葬儀費用の支払いを取り扱ってくれって売り込むとしたら、の文言ですよね。
そもそも
「金銭面だけでなく、判りやすさ・明朗会計などを求めている方が多く」
って明朗会計って金銭面の話じゃないのかよ、
とか
明朗会計求めた結果がなんでコンビニ支払なんだよ
とか部下がこの書類上げてきたら突き返すレベルです。

さらに
1)葬儀費用は現金で支払う古くからの習わし
いやいや、これまで直葬という葬儀習慣の破壊を進めておきながら
支払方法だけ「習わし」に則(のっと)られても・・・
2)喪主の多くが50〜60代、届いたハガキで支払う利便性 
うーん、これもねぇ、喪主世代がWEB苦手っていっても
そもそもみんれびさんのサービスってほとんど全部WEBからの受注ですよね。

どうも釈然としません。
コンビニ2

次に考えられるのが
「食い逃げを防ぎつつ件数増やす」
ということ。

葬儀社の方なら絶対と言っていいほど経験あるでしょう。
お葬式が終わってから、葬儀費用を払わない、もしくはドロンしちゃうお客さん。

葬儀の商習慣ではお葬式が終わって後日現金集金(もしくは銀行振込)というのが主流です。
打合せの段階で料金先払いをしてもらえればいいんでしょうけど
・参列者のいる葬儀の場合、料理や返礼品などの変動費があるため葬儀後でないと料金を確定させるのが難しい
・香典を葬儀費用の支払分に充当する場合もある
・他の商売に比べれば早期にキャッシュの回収ができるのでまだ恵まれている
という事情があったわけですね。

そうはいっても
もし葬儀の施行後「不良債権」が生まれると金額が大きいだけにダメージが大きいのです。
回収コスト(≒取り立て)をかけても追いかけざるを得ません。
 
一方でみんれびを初めとしたインターネット葬儀社紹介サービス株式会社の場合
地方で少額の葬儀費用(といっても数十万は、いっているので商材としては高額だが)が焦げ付くと
なかなか回収コストはかけづらいはず。
泣き寝入りが一番合理的、になりかねません。 

さてここでちょっと寄り道して
未回収の場合のリスクは葬儀社紹介会社と葬儀社のどちらが負っているのか
と言う問題を考えてみましょう。

私はおそらく葬儀社の方が負っていると思います。

葬儀社紹介会社が負うとなると前述したように回収のコストの問題が生じますから
それは是が非でも避けようとするでしょう。
葬儀社にしてみれば、おまえんとこが紹介したから葬儀引き受けたのに、と言いたいところでしょうが
そこはクライアントと下請けのパワーバランスが働いているものと思われます。
回収できなかったら知らないよ(もしくは回収できなくても紹介手数料払えよ・・・鬼や) という世界ですね。
残酷な言い方をすると、こういう契約を結ばざるを得ない葬儀社はもう先が長くないわけですが・・・・

そうはいってもそうそう葬儀社にリスクを負わせるわけにはいかないので、
みんれびさんは
(1)当日葬儀社に支払う現金払い(当日支払)、(2)事前に決済するクレジットカード払い、(3)最長36回の分割で支払うことのできる葬儀ローンという3つの支払方法
(今回のプレスリリース記事より)
 
という支払方法に限定することによって、(2)(3)の場合はカード会社及びローン会社に未払いリスクを肩代わりさせていたんではないでしょうか。
ただしカード会社及びローン会社に対しそれなりの支払手数料が発生していると思います。
コンビニ3

そこで次に生まれた選択肢が今回のコンビニ後払いではなかろうかと。

今回のコンビニ後払いは
佐川フィナンシャル株式会社のサービスを利用しています。
客側の負担は200円のようです。
審査の窓口はみんれびのコールセンターのようですが審査機能があるとは思えないので
審査もバックオフィス的に佐川フィナンシャルが請負っているのでしょうか?

しかしこのコンビニ払いの仕組みは通常
コンビニに届いた商品を受け取るのと引き替えで支払い
で使われることが多いです。
そうなると(葬儀の性質上)完全に役務と物品の提供してから、後日回収っていうのはやはり相変わらずきな臭い。

後払い方式のメリットとして「カードを持っていない方でもご利用できます」ってあるけど
ネット使っているのにカード持っていないということは
「持てない」人である可能性も高いですよね。
ということは、財務内容の悪い人が主に利用するという(本来の意味の)モラルハザードは高まる気がします。

こういう風に考えてくると
「食い逃げを防ぎつつ件数増やす」つまり
未払いリスクを管理しつつギリギリ間口を広げようという試み
という読みも違うかなと。 
正直そんなに実効性は高くないし消費者ニーズも無いと思います。
コンビニ

となると最後の結論は
お坊さん便と同じく実効性とニーズはないけど、
話題作りを仕掛けたとか?

案の定、よく分かってなくて上っ面をなでた記事も出回り始めていますし。

お坊さん便がプレスリリースされたときも
実効性やニーズという視点から議論されてましたけど
別にあのサービスは実効性やニーズが高いわけじゃないです。
アマゾンの仕組み上、法事にしかお坊さんを呼べないわけですからね。
あれって最初から話題作りが狙いだったのではないかと。
みんなまんまとそれに乗っかったわけですけど。
(参考記事: Amazonでお坊さんを呼ぶ方法

今回も話題作りを狙ったのでは?というのが私の見立てです。


<2016年05月28日>記載