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葬儀屋さんが伊勢丹でちょっとだけ高級な葬儀の服を仕立ててみた。




新宿の伊勢丹メンズ館で(やや)高級な葬儀の服を仕立てました。

とはいえ伊勢丹には50万円を超えるオーダースーツがたくさんあるのですが、私の予算は10万円です。
オーダーといってもビスポーク(一から仕立て屋さんと相談していく)の様な高価な物ではなく、パターンオーダーよりはちょっと凝っている程度のレベルですね。
興味のある方はどうぞお読みください。
ドーメル

きっかけ

お葬式参列用には既製品のそこそこ高級な黒いスーツを持っています。
(ユナイテッドアローズのイタリア製)

先日伊勢丹エムアイカード会員向けにバーゲンのお知らせがあり、新宿の伊勢丹メンズ館を訪れました。

冷やかし半分でオーダーコーナーをのぞいていたところ
クラシックなブリティッシュスタイルでお葬式に着ていける服をオーダーしたらどうなるだろう
とふと思いついたのです。

ちなみにこれまでスーツを仕立てたことはなく、全て既成品でした。

現在ワードローブのスーツはちょうどいいアイテム数で、これ以上増やす必要もないということもあり
それからこのブログのネタになるかもという本末転倒の考えもあり(笑)
黒い生地でスーツをオーダーすることにしました。

これまでブリティッシュ系のシルエットのスーツを着たことはありません。
ブリティッシュ系のシルエットというのは、軍服から派生したことからも分かるように肩はパッドが入ってかっちり目でウエストを絞った男らしいシルエットです。

あこがれているシルエットはガチガチのクラシックなブリティッシュスタイルなのですが、
自分に似合うという観点からこれまでクラシコイタリア系シルエットのスーツを選ばざるを得ませんでした。
クラシコイタリア系というのは、肩はナチュラルラインの、自然なドレープのスーツです。

また既製品ではブリティッシュスタイルのスーツがあまり流通していないというのも、
ブリティッシュ系のシルエットのスーツを着てこなかった理由の一つです。

だからあえて、オーダーで、ブリティッシュスタイルのスーツにするのもいいかなと。

生地選び

まず生地選びです。

色々悩んだ結果、スリーシーズン着れそうなドーメルの黒い生地を選びました。

バーゲンシーズンということもありドーメルにも関わらず10万円以下で作れそうです。

採寸

生地を選ぶと今度は採寸です。

ブリティッシュスタイルのサンプルをはおってサイズを調整します。

採寸の方に伝えたのはクラシックなブリティッシュスタイルに憧れてはいるけれども、一歩間違うとイギリス紳士のコスプレになってしまうので、もしそうなりそうなら忌憚(きたん)なくアドバイスが欲しいと伝えました。

大体スーツは自己満足では無く、他者に対するマナーが大切であると考えているため、自分の視点よりプロの他人の視点を入れた方が正解のケースが多いです。

それからせっかくのオーダーなので3ピースにすることにしました。
実際ベストを着て参列するかどうかというのは分かりませんが
既製品でブラックのスリーピースってなかなか見かけないこともありこの機会に挑戦してみました。

袖口は昔は必ず既製服でも本開きにしていたのですが、10年ほど前からそういうことにはこだわりがなくなっていました。
しかし今回はせっかくのオーダーだし、と思い久しぶりに本開きでお願いしました。

フィッティングはタイトに攻めてもらいました。
腕を動かしましたが、アームホールも合っており窮屈ではありません。

パンツはあまり深く考えずノープリーツにしてもらいました。日頃着ている既成のスーツがノープリーツのものが多かったからです。
しかし後日考えてみるとこのスタイルではツープリーツにした方が良かったかなと若干後悔しています。
ノープリーツが悪いというわけではないのですがツープリーツにした方がよりクラシックで落ち着いて見えるからです。

私がオーダーしたのはたくさんあるオーダーのラインの中で、一番安い伊勢丹のプライベートラインのものだったので、裏地に伊勢丹三越というネームが入ると言われました。
そのためネームはドーメルのものだけにしてくださいと伝えました。

伊勢丹だけなら良かったのですがどうも三越というのかおじさんの既成服のイメージがあり、気に入らなかったためです。
三越の方申し訳ありません<(_ _)>

結局合計で、9万2千円ほどでした。

受取り

約1か月後に受け取りに伊勢丹を訪問。
試着した時にはぴったり・・・だと思いました。

しかし家に帰って着てみるとどうもベストとパンツのヒップ周りが窮屈です。
特にベストに関してはタイトすぎて動いてる間にV ゾーンが上にせり上がってくる感じです。

お直し

伊勢丹側と相談しようと思い、メンズ館5階のオーダーサロンを訪問しました。

生地選びは採寸の時はバーゲンシーズンだったので特設会場での対応だったのですが、さすがに本家のオーダーサロンを訪問するとちょっとだけ気後れします。

不具合をスタッフの方に伝えました。

確かにタイトフィットですねと言われてパンツはお尻の生地を少し出すこと、
ベストは作り直すと言われました。

作り直すと言われるとちょっと恐縮してしまいます。
さらに2週間後訪問しました。

パンツはいい感じになっています。

しかしやはりベストは胸回りがきつい状態です。
店員さんから、再度作り直させてくださいと申し出を受けました。

さらに2週間後を訪問して、作り直してもらったベストはぴったりでした。

感想

この伊勢丹の対応には、評価が分かれると思います。

安いとはいえ、オーダーなんだから最初からそこそこフィットするものが出来ていなければいけない、という考え方もあります。

一方でフルオーダーでさえピッタリ合うのは2着目から、という話も聞きます。

私としては何度も挑戦してもらったので、伊勢丹を訪問した手間を差し引いても結果的には満足です。

唯一良くないと思う所はスーツのジャケットの奥襟のやや右側の部分の吸い付きがちょっと甘いことです。
ここが完全に合ってれば15万円出してもいいかなと思えるものでした。

万人におすすめですとは申し上げられませんが
もし伊勢丹でスーツをオーダーしようとお考えの方がいらっしゃいましたら参考にしてください。

ここまで苦労したブラックスーツですが
当然のことながらお葬式に参列する時しか活躍の機会がないため
タンスの中でずっとデビューを待っています。











5 件のコメント

  • いいね~

    私は「ダブルカフス派」なので、既製品はほとんどありません。
    オーダーでも意外と安くて、3枚で2万数千円で造れます。
    カフスボタンはティファニーの銀を使っていましたが、最近は大人しく象牙です。
    クレックのレギュラー(少し細め)ばかりです。(近年のワイドは嫌いです)
    これであれば「ピンホール」を開ければ、カラー変化もも色々と楽しめます。

    ジャケは最近ではハリスを使わなくなりましたが、年に数回は「肘と肩に革」を
    付けた物は着ています。(重いのが難点ですが、クラッシックで味がある)
    タイも「ダブルノットの細め縛り」です。(本当はシングルノットがオシャレですが)
    鼈甲のメガネフレームを探していますが、なかなか気に入る物が見つかりません。

    これが私の「仕事着」。

  • prof様
    数年前からハリスツィードのスリーピースが欲しいと思っているのですが、
    どこに着ていく?と考えたときに我に返ってしまいます。
    今年のラルフローレンの広告にいいのがあったのですが、確認してみたら輸入してませんとの返事。それ広告載せる意味ってあるのだろうか・・・

  • ハリスの3pは国内では使いきれないでしょう。
    ばらせば、ジャケ、アイビーの紺ブレの中、シェットランド・セーターとパンツ等の
    使い方も出来ますが。(以前より、薄手が出ている様な)
    それより、ハリスが欲しくなるのは「40歳代の兆候」です。
    古着屋では数十年前は「10万以上したハリスのジャケ」が、3,000円位で売っています。

    一応は先週(8月25日付け)で、証券取引委員会の報告/公示も終わっています。
    後は、「TOBをどうするか」です。
    「他のケイマン島」にも動きがあります。(10数年前から上場葬儀社はケイマンが多い)
    「CL」も身売り、統廃合も視野に。(株価を見る限り、今が叩き時かも)

    国の葬儀協会は「昨年に上層部入れ替え」があり、「民間への市場開放を推進」して
    おり、M&Aを仕掛けるには都合の良いタイミングです。
    本来、葬儀協会は北京派閥でしたが、昨年に上海市の元民政局長がトップになり
    上海派閥が強くなりました。(USで言うと北京がD.C、上海がNYC)
    政治の北京から「商業の上海」(協会は北京にあるが)に変わったことで、大きな
    変化が出ています。(政府民政部としては商業化亢進による高騰化は認めないが)

  • prof様
    >以前より、薄手が出ている様な
    オリアンの副資材無しの一枚物のツィードジャケットは最近のお気に入りです。
    カントリーコスプレにならずに済みます。
    それから
    中国の派閥闘争って普通に死人がでるイメージで怖いです。

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