今日はファッションの話です。
先日国内アパレルメーカー三陽商会のメンズブランド フランコ・プリンツィバァリーのスーツを買いました。
購入動機は、三陽商会が業績悪化のためフランコプリンツィバリーのブランドの打ち切りを決めたからです。
だから無くなる前に買っておこう・・・ということではなく今なら投げ売り状態で安く買えるはず、と判断して店舗に行ったら案の定半額以下で購入することができました。

三陽商会の今年の業績悪化は、バーバリーのライセンス契約を打ち切られたことが引き金です。

国内アパレルが海外生産に切り替えるなか、
国内工場生産にこだわる三陽商会のクオリティは高いです。
フランコ・プリンツィバァリーも
今は亡き服飾評論家の落合正勝氏がひいきにしていたイタリアのテーラーの名前を冠してはいるものの、
国内生産です。
スーツに関して言えば、イタリアもののような艶はありませんが、作りは非常に丁寧。
イタリアもののスーツは有名どころでも結構縫製がほつれてくることが多いのですが、(ショップに言わせると着心地考えてわざと甘く縫っているらしいのですが、縫い直しは日本でやるわけだからいかがなものかと)国内の日本人の職人さんは手縫いでかなり丁寧に縫ってくれます。
私はそんなスーツも好きです。
そもそも国内で流通していたバーバリーの多くは、アンダーライセンスで国内生産だったわけです。
そして今年はバーバリーの名前が取れただけで、後継ブランドは今のところクオリティを落としていないのです。
ライセンス料を払わなくて良くなった分をクオリティアップに使っているなら、今年に関してはコストパフォーマンスはむしろ良くなっているはず

このようにクオリティが高いにもかかわらず
三陽商会が凋落したのは
自分たちのクオリティの良さを消費者に伝えることができなかった
ためだとおもいます。

その一例としてネットでの伝え方が下手なことを挙げたいと思います。

三陽商会のネット通販サイトのフランコ・プリンツィバァリーのページをご覧下さい。
ZOZOTOWNや単独モデルを使うファッション誌ですらここまで合わない服は着せません。
自社サイトで10万円オーバーの自社の商品を紹介しているのに・・・
スーツがキツすぎて、
・前肩が当たってハの字のシワができている
・Vゾーンが浮いている
・パンツのサイドポケットがういている
状態です。
おそらくこのモデルさんはイスに座ることもつり革をつかむこともかなり困難でしょう。

また他のページのサイズ表記もかなりの箇所が間違っていると思われます。
48Rと48Lの寸法が全部一緒なわけないのに・・・

確かに10万円オーバーのスーツを着る人は実店舗に足を運ぶので
ネットでは購入しないかもしれません。
だからといってこれはないです。

それからスマホサイトは、三陽商会の男性商品を見ている最中に、自社の女性ブランドを勧めるポップアップ広告が立ち上がります。
嫌がらせか!

多分経営陣は、高齢だからかどうかは知りませんが自社のサイトを見たことがないと思われます。

このままでは工場の職人が気の毒です。
おそらく今後厳しいコストカットの指示がでるでしょう。
外から見て分かりやすい表生地はそのままにするでしょうが、着心地や耐久性を左右する芯地やハンドメイド工程は省略化されるでしょう。
不調が長引けばいずれその技術は継承されることなく消滅してしまうはずです。

さて我々の葬儀業界。
同じことが起こっていますよね。
葬儀の価値を伝えることができず。
ただの直葬専門業者に成り下がりつつある葬儀社がたくさんあります。
能力の高いスタッフは他社に移ってしまって、ちゃんとした遺体の処置ができるスタッフすらいなくなってしまった、という・・・
そういうところはネットでの情報発信がまずい、ってところも同様です。

既にダメになっているところは、なるようになっただけで、ある意味あきらめがつくかもしれません。
キツいのはスタッフの志も技術もあるのに、営業がまずくて仕事がこなくて、上層部から目先の利益を追うように強要されているところ。

消費者は残酷です。
私は工場の職人が気の毒と言いつつ、今回スーツをずる賢く半額以下で購入しました。
気の毒だから経済的に非合理的行動を取る、ということはできません。
ほとんどの人が頭を使って自分の利益を最大化しようして、割安な商品を選ぼうとします。
そしてその影響は生産者に及びます。

では葬儀業界はどうすればいいか、ということに対する私の答えは
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<2016年12月03日>記載