前回(葬儀の新商品開発が難しい理由  1/2)より葬儀の新商品について考えています。

葬儀というのは数十年のスパンで見ると結構変化しているのですが 
急進的な変化というのはなかなか起こりません。 
そのため新商品というのは消費者より1歩先に進んでしまうと受入れられません。
いわゆる全く新しいジャンルを提示してキャズムを越える、ということが難しいのです。 

キャズム[Kindle版]

Geoffrey A. Moore 翔泳社 2012-10-20
売り上げランキング : 23679
by ヨメレバ
ほどよく半歩前に出るのが肝要なのですが、このさじ加減が難しい。 

もしかして葬儀業界内の大企業ですらシェア1〜2%であることを考えると、
最初から参入障壁のあるニッチ狙いが正しいのかもしれませんが。

さて、「半歩先」の昔の成功例としては、現代仏壇ですかね。 
仏壇の機能はそのままに、変化した生活様式(マンションの洋間)に最適化させたというコンセプト。 
 
一方苦戦している例に挙げるのは気が引けますが、
遺骨から作ったダイヤモンドなんかは厳しそうな印象。 
 
葬儀の新商品を考えるときは 
現在ある商品の「本質」や「機能」を考えることが重要。 
「表面」だけをなぞっても絶対失敗します。 
 
たとえば墓に消費者が求めているものは 
1.○故人との対話機能
2.○「半」永続性 
改善すべき従来のお墓のマイナス要素は 
3.×高い費用 
4.×遠い場所 
5.×持て余す物理的空間 
 
上記のダイヤモンドは1を取り入れ、
4,5のマイナス要素を解消しています。 
しかし2と3をクリアできなかったのが失敗かと。 
2は「半」永続性がポイントだったのに、「半」ではなく単なる「永続性」にしてしまったのが問題です。 
故人を知っている人が生きているうちは、墓(もしくはそれに準ずる機能)が必要でしょう。
しかし故人を知っている人がこの世にいなくなってしまったら、遺骨、もしくは遺骨を象徴するモノは
むしろ土に還って形の無いものになってほしい、と思う人が多いのではないでしょうか。 
だから弔い上げという形で50周忌あたりをめどに合祀したり位牌をまとめたり、
という慣習を作り出したのだと思います。 
それなのにダイヤモンドは永遠に存在してしまいます。 
捨てるわけにもいきません。 
余計な「永続性」という機能を付けてしまったのが敗因でしょう。 
 
だから 
・10万円以下で(散骨するより安い、という価格優位性を持たせるのがポイントの一つ) 
・遺骨を圧縮して白磁色の5センチ四方の立方体にして(コンパクトかつ生々しくない程度の遺骨感を出す) 
・100年程度の耐久性しかない 
という商品を売り出せば墓じまいがはやりだした昨今、売れると思うんですけど、どうでしょ? 
立方体
 
 


<2017年02月02日>記載