先日 「無葬社会」鵜飼秀徳氏が流すデマを批判する という記事を書きました。
鵜飼秀徳氏は火葬場10日待ちと言っているが、そんな事実はなく
消費者に不必要な不安を与えるべきでないという主旨の文章です。

葬儀業界の良識派、小谷みどりさんと碑文谷創さんもこうおっしゃっています。
終末クライシス──死者が増えているのに、納骨が増えていない本当の理由
「火葬場の予約が取れなくてお葬式までに1週間も待たなければならなかった」  そんな話を聞いたことはないだろうか。ネットでは「10日待ちもあった」と話題に。  だが、葬送問題に詳しい第一生命経済研究所の小谷みどりさんは、こう否定する。 「混雑のあまり、火葬できない現状はないですね。確かに亡くなる人の多い冬場に1〜2日はあるかもしれないけど、実際には葬儀屋さんの都合ということが多いんです。1社の葬儀屋さんが、1日のうちに葬儀と告別式を、いくつも引き受けることはできないので“火葬場が空いてません”という理由で、お客さんに日程をズラしてもらうんです」  (中略)葬送ジャーナリストの碑文谷創さんも「火葬場の容量はまだあります」と語る。 「日本のように、多死社会が始まっていると“火葬は間に合うのだろうか?”という危惧はすぐ言われます。でもパニックになる状況にはない。行政も、民営の火葬場もすでに多死社会を見越して経営しているからです」
火葬場2016年1月16日
そんな鵜飼秀徳氏の増上寺でのシンポジウムでの発言が掲載されていました。
遺体は火葬場へ直行、でも遺骨は手元に置きたい:日経ビジネスオンライン
鵜飼:首都圏のベッドタウンの中でも、横浜は非常に混みだしています。取材した際も、朝早い時間帯や夕方遅くは空いていても、日中の火葬場は5日待ちとか1週間待ちという話もありました。知り合いの複数のお坊さんからは、最高で10日待ちを経験したと聞かされました。東京ではまだ炉の数の上では余裕があるということですが、死者数が130万人でこの状態ですから、これが160万人になったらどうなるか、分からないところだと思います。
ここで初めて10日待ちのソースが出てきました。
だったらちゃんと著書のなかで採り上げればいいと思うんですけどね。
ちなみに著書のなかで採り上げているお坊さんは一週間待ちと言っています。
もしかして徐々に盛ってきてますか?

仮にお坊さんが本当に10日待ちと言っていたとしても、
それが火葬場の都合で10日待ちになったのかということは判断つきませんよね。
お坊さんを呼ぶということはお通夜お葬式を行ったのでしょう。
遺族が年末年始に公営式場(火葬場ではない)にこだわって
どうしても使おうとすれば10日待ちになることもあります。
しかしこれは火葬場都合ではなくて遺族都合と言えるでしょう。
ちなみに私は火葬まで20日待ったことがあります。
警察扱いのご遺体で火葬許可が下りず20日間待ったのです。
だからといって私は「火葬場は20日間待ち」というブログ記事は書きませんが。

ついでに同じシンポジウム内での別の間違った発言にも突っ込んでおきます。
お寺やお布施は誰のためにある?:日経ビジネスオンライン
司会:そんな中、「Amazon」の「お坊さん便」が登場し、仏教会に激震が走りました。 鵜飼:民間葬祭業者みんれびが始めた「Amazon」のネット上で決済できるお坊さんの出前法要です。待ち合わせ場所を指定して、葬儀や法要をしてもらうという仕組みで、例えば火葬場で待ち合わせをして1回お経を拝んで5万5000円、一周忌などの法要なら3万5000円です。  直葬が増えてきたから「Amazon」の「お坊さん便」も支持されているのだと思います。これに対して全日本仏教会は、「布施の理念に反する」としています。金額を設定するとは何事か、それを払えない人はどうするのか、そもそもお布施は払う側が決めるのであって、もらう側が決めるものではないと。しかし、都会の人には非常に受け入れられている現実があるわけです。仏教会と社会が二分されてしまっているような状況です。
葬儀や法要をしてもらうという仕組み、
というのは間違い。Amazonの「お坊さん便」は法要だけで葬儀はしてもらえません。
(みんれびの直接手配の時のみ、葬儀に呼べる) 
直葬が増えてきたから「Amazon」の「お坊さん便」も支持されているのだと思います。
これも間違い。さきほど申し上げたように、Amazonのお坊さん便は法事にしか来ず、直葬には来ません。よって直葬の増加と相関関係はあっても因果関係はありません。 

もしかすると上記の内容は編集の手が入っている可能性があるので、鵜飼氏がこの通り発言したのかどうかグレーな部分はあります。
ただ鵜飼氏の発言として一般読者の目に触れているので、葬儀業界の人間として警告しておきます。

新著の売れ行きも一段落した頃だと思うので
もうそろそろ黙ってもらっていいですか?


<2017年05月02日>記載