今日紹介するのはこの本。

心に感じて読みたい送る言葉

あの斉藤孝氏が弔辞を集めて、解説を加えた本です。
こんな弔辞があったのか、という事例もたくさんあり
さすが博覧強記の斉藤氏が選んだだけのことはあります。

後書きから
言葉には「その人が死んだ」という事実を変える力はもちろんありません。でも、事実の意味を変える力はあります。死を単に「消えてなくなった」という意味に終わらせずに、死んだという事実を「だから何かが生まれる」と積極的な意味に変えてくれます。弔辞には死を機会として他の人たちの心にもその人の生をくつきりと浮かび上がらせ、刻んで残させる力があります。(中略)葬儀を成り立たせている中心は弔辞ではないかというのが私の考えです。

弔辞の重要性を説いており、葬儀屋さんとして激しく同意します。
マイク2

途中で
・「彼は○○でした」と一言で言い切る。
・その一言を探すときは、墓標に刻む言葉は何かというように考える。
などの「この人の弔辞の手法を応用してこうやったら」的なアドバイスが入るのも参考になります。

しかし注意を一つ。
この本にとりあげられている事例は故人だけでなく弔辞者も著名人のため、弔辞者がどんな人かを参列者が知っているケースがほとんどです。一方市井の人の葬儀の場合、弔辞者の情報はほとんど知られていないというケースが多いです。そのためそのまま使うのは止めた方がいい手法もいくつかありますのでご注意ください。

個人的には中原中也に送った草野心平の弔辞(詩?)と
山際淳司氏の息子さんが読んだ弔辞が最も印象的でした。
弔辞はちょっとでも下手な技巧が入ると、芝居がかって白けてしまいます。
前者は完璧な技巧を使っていて、後者は技巧を全て排除していて、どちらも素晴らしいです。

一読をお勧めします。


<2017年08月23日>記載