お葬式の際、拡大されて祭壇に飾られている写真(遺影写真)について説明します。

遺影


写真は大きく引き延ばすほど、ぼやけてくるので
ピントがあっていて
できるだけ故人が大きくうつっている

写真の原稿が必要になってきます。

イメージとしては運転免許の写真ありますよね、
あのレベルでは正直なところ不十分です。
拡大したときの写真の仕上がりが、かなりぼやけます。
ですから運転免許の写真を使うのは、他に適切な写真が無い場合の最後の手段です。

遺影写真の原稿は、写真そのものでもデジタルカメラのデータでも構いません。

しかし、いざというときになってなかなかぴったりの写真が見つからないということが、実際多いのです。
今は遺影写真も、制作システムの発達により数時間で作成することが可能です。
そのため我々葬儀社としても、写真を探す御遺族のためにギリギリまで(お通夜の日の午前中がタイムリミットでしょうか)待ちます。
最終的に、結婚式のときにプロが撮った集合写真を使う方も多いですね。

ちなみに
・着衣
・一緒に写り込んでいる人や物
・背景
・画面の明暗
これらはすべて修正可能です。

昔はよく無理矢理に黒の和服姿に合成することがあったようです。
しかし最近は普段着の自然な姿が好まれているので、
よっぽどのことがない限り、お召し物の合成は勧めません。
体の一部分を合成すると、どうしても全体の印象がしっくりこないのです。
写り込んでいる物の修正に関しては、バッグの肩ひものレベルなら簡単に修正できます。

背景に関しては、よっぽどきれいでないかぎり、修正します。
背景の色は自由に選べますし、花や風景を合成することも可能です。

ただし実際はブルー系の背景にすることが多いのです。
これは日本人の肌の色に関係しています。
スーツにブルー系やグレー系の色が多いのは、黄色人種である日本人に最も多いスキンカラー(ペールブルーという肌の色です)と相性のいい色だからです。
日本人の肌の色に合わせた時、最も失敗が少ない色なのです。
グレーの場合は写真全体の印象が暗くなってしまうため、
背景にブルー系の色を選ぶことが多いのです。

もちろん普段、肌の色と相性の良かった服の色(例えばウォームカラーの肌の色をした人の場合は、茶系が合う)と同系色を背景にすれば当然、きれいに決まるでしょう。
しかし写真でも同じ色の服を着ている場合が多いので、服と背景の色が同系色だと顔だけが宙に浮いてしまう画像になってしまいがちなので注意が必要です。

あと、私の経験では、白黒写真をカラー写真に修整したことがあります。
それから、家族が故人をモデルに描いた肖像画を、遺影写真の代わりに飾ったことがあります。
故人を知る人にとっては、むしろ写真よりも故人らしさを喚起(かんき)するのかもしれません。

いろいろ技術的なことを書きましたけど、
一番重要なのは遺族が見て、一番故人らしくて気に入った写真を選ぶ
ことでしょう。
たまに
「笑顔なんですけといいですか」
「横顔だけどいいですか」
「帽子かぶってますけどいいですか」
というご質問を遺族の方から受けます。
故人を知る皆さんがその写真がお好きなら全く問題無いと思います。

候補が何枚かあり絞りきれなければ、葬儀屋さんに相談してみてください。

また故人の一番いい写真を探そうとするのは、
遺族の方が故人のことを想ってのことですよね。
写真を探すという行為そのものが
遺族にとってのグリーフワークとなるかもしれませんね。


<2009年06月22日>記載