10人以上のスタッフを抱える葬儀社だと、スタッフの勤務シフトに頭を悩ます方も多いと思います。

私もその一人です。

もし、明日、葬儀の依頼が何件入るか分かれば予定を組むのがすごく楽になりますよね。
でもそんなのわかりっこないですよね、って思ってたんですが。

以前、大学で同期だった統計学の研究者から、
人が亡くなるタイミングに規則性は全くない
という話をききました。

つまり亡くなるタイミングというのは全くのアトランダムであるということです。
(たまに月の周期が・・・としたり顔で言う人がいますが、統計的には単なる都市伝説に過ぎないってコトですね)

今までコインを投げて表が連続して10回出ているとします。
次にコインを投げて裏が出る確率は何%か分かりますか?

50%です。

何が言いたいかというと
昨日までたくさん施行依頼が来たからといって今日の発生件数が少ないという様な相関関係は無い
ということです。

それで、
これって株価のランダムウォークに似てるな、と思ったのです。

ということは
正規分布になるはずだから標準偏差の考え方が応用できるのでは!
と考えたわけです。

計算

詳しく説明すると長くなるので
(ホントは自分の言葉で説明できないだけなんですが)
こちらこちらのサイトをご覧ください。
もっと詳しく理解されたい方は
「内藤忍の資産設計塾(自由国民社)」をお読みください。

要は、全くのアトランダムに発生するのであれば
「β値の2倍の誤差内に事象の95%は収まる」
という標準偏差の考え方が応用できるということです。
ちなみに、いま、100年に一度の大不況と呼ばれているのは、株価の下落幅がβ値の2倍の誤差を超えている、超例外的な事態だからなんですね。

この標準偏差の考えを応用すれば、明日発生する葬儀の件数がある程度予想できるのではと思ったのです。

で、結果は、

大失敗(T_T)

使えませんでした。

なぜなら一日平均数件の処理能力の葬儀社では、
予想件数の振れ幅の比率が大きすぎて、
実際には使えないのです。

例えば明日は1件から6件の間、って言われてもねぇ、という話なんです。
1日100件くらいの処理能力がある葬儀社であれば、あるいは有効かも。
そんな葬儀社は国内に存在しないんですが・・・

それにしても、なんだかんだ言いながらこの10年以上人手不足を理由に仕事を断ったことはないんですよね。

難しく考えなくても、意外と何とかなるもんなんですよね・・・って結論だとここまで読まれた方に申し訳ないので、もう一つ。

人はいつ亡くなるか分からないので
葬儀社は当然24時間営業なんですが
24時間の勤務シフトでベストの勤務表を作成することはできない
という法則があります。

例えば、各スタッフの能力を数値化できたと仮定します。
それでも最適解(つまり完璧に効率的な勤務表)を作ることはできません。
これは「巡回セールスマン問題」の応用形です。

最適解を求めるには、コンピューターが一つずつの組み合わせのケースを演算していくしかないらしいのですが、
どうもこの計算はコンピューターは苦手としており、最適解は永久に出ないらしいのです。
(参考文献:「簡単に、単純に考える」での羽生 善治と金出武雄氏の対談の部分)

つまり
その勤務表がベストかどうかを証明することは不可能

ってことです。

そんなこと知ってても役に立たないよ、とお思いになったかもしれませんね。

いや、使えるんですよ。
「明日の式のサブスタッフがAさんなのは困ります。Bさんにしてください」
という抗議が担当者からあった場合、
巡回セールスマン問題を理系ヅラして、とうとうと述べて
「ゆえに君の主張が正しいという証明することはできない」
と煙に巻くときに使えます。
ただし人間関係は良くならないかも。

こうしてみると「考える葬儀屋」の考えることは、あんまり役に立ちませんね(^^;)
すいません。


<2009年07月20日>記載