葬儀屋に就職したい!
という人のために、ノウハウをまとめてみました。

最初消費者への情報提供を目的として始めたこのブログですが、アクセス解析を行うと予想以上に、葬儀業界への就職希望者のアクセスが多いことを感じています。

私が就職した十数年前は、葬儀社の就職情報は本当にわずかでしたが、今も就職希望者に対して十分な情報提供はなされていないんでしょうね。
(参照:就職活動の思い出

そんなわけで葬儀業界への就職希望者向けのカテゴリーをブログ内に設けているのですが、
今回は体系的にまとめてみたいと思います。
(以下出てくる私のエピソードは十数年前の大学4年の就職活動のときのものですが中途入社の方にも役に立つと思います)

葬儀屋

まずあなたが葬儀業界で働くことに興味を持っているなら、やるべきことは以下の通りです。

1葬儀業界と業務内容の理解

2自分の適性の分析
3就職すべき葬儀社の選定

4就職活動の戦略を立てる
5無事合格、とその後

では順番に解説していきたいと思います。



1葬儀業界と業務内容の理解

葬儀業界と葬儀業界の業務内容に関してはこのブログの右側上部の「カテゴリー」内の
施主喪主さん向けの内容
葬儀屋さん向けの内容
葬儀屋(新人)向けの内容
葬儀業界就職希望者向けの内容
に一通り目を通してください。
多少カテゴリーが重複するところもあります。

私の駄文を読ませてしまってすいません。
<(_ _)>

またブログ内の情報は完全に体系化されている内容ではありません。
(基本的にお葬式に関する情報で普通にネット上に出回っていることは書かないようにしているので)
言ってみれば私の主観が反映された文章です。
(私が書いたんですから当然なんですが)
でも業界の雰囲気は伝わるのではないでしょうか。

葬儀屋2

とはいえ、いくら情報を集めたところで、ネット上の情報と現実社会にはある程度ギャップがあるってことも忘れないでください。
まさにネットリテラシーの問題なんですが、葬儀の情報って悪意に満ちていたり、間違ったものも多いので、注意!
(参照:死体の経済学葬儀業界におけるマスコミ報道とメディアリテラシー )


基本はまず
葬儀業界は衰退産業である
ってことを理解してください。

なぜかは私のブログをお読みいただけた方ならお分かりいただけると思います。

あなたが大学生なら、
今後30年先くらいまでは業界の展望に対して仮説を立てる必要
があります。
30年先を「当てる」のはどの業界でも大変難しいのですが。

しかし
経済上の予測指標で最も精度が高いのは人口統計
といわれます。
もちろんパンデミック(感染症の拡大)の発現など予想が外れる可能性もありますが、物価上昇率だのGDPの変化だのとは比べものならないくらい、
死亡人口統計を含む人口統計は精度が高いのです。
(詳細は人口問題研究所のサイトを参照)
ということは
将来の葬儀件数はもう決まっているんです。
ちなみに30年後の2038年には日本の死亡人口はピークに達し、170万人の予想です。
その後ゆるやかに死亡人口は減っていきます。

デジカメや携帯のように爆発的に市場自体が拡大することはありません。
シェアの奪い合いになります。
マスコミの「成長産業」という報道だけを見て葬儀業界への就職を考えている方は再考が必要です。

しかし衰退産業だからと言って、あなたが葬儀業界の団体の会長でもない限り、
業界全体の心配をする必要はありません。
葬儀屋という職業が無くなることはしばらくありません。
あなたの就職する葬儀社が良い葬儀社であれば、それで良いのです。
それだけに、就職する葬儀社選びが大切なのです。

大体葬儀業界の構造が理解できたら次へ進みましょう。 



2自分の適性の診断

葬儀屋に必要な能力でも述べましたが

私は葬儀屋には
「体力」と「ホスピタリティ
が最低限必要だと考えています。
この二つを備えていない人には正直、葬儀業界への就職をおすすめできません。
逆にこの二つが備わっていれば、多少欠点があっても大丈夫です。
体力に関しては、徹夜明けで10キロくらいジョギングできればOKです
( ̄ー ̄)ニヤリッ


3就職すべき葬儀社の選定

では、どんな葬儀社に就職したらいいのでしょうか。

私は
「大きい葬儀社がベスト」
という条件を挙げたいと思います。

なんで?と思われた方も多いでしょうね。
理由を説明しますね。

女性社員2

まずどの就職もそうですが
最初に就職した会社がベストである可能性は低い
といえるでしょう。
一種の賭けですから(ドラッカーもそう言ってます)

就職活動の段階では葬儀屋の業務内容も良く理解できないし、どの葬儀社が良いかという業界内部の情報もほとんど分からないでしょう。

そして
葬儀屋さんは勤め先が流動的です
(参照ページ:葬儀屋は新人教育が下手である
葬儀屋の給料について

それならば最初に就職すべき会社を選択する際は
最初の3年でプロの葬儀屋としていかにスキルアップさせてくれるか?
という条件を最優先にするべきだと思うのです。
そして
スキルアップした段階でずっと勤めたい葬儀社に移れば良い
のです。

あなたに
「絶対この人みたいな葬儀屋さんになりたい」
という人がいるなら別です。
その人がいる葬儀社を狙ってください。

でも大多数の就職希望者の方は、そんな葬儀屋さん、いないでしょう。

であるならば、大きい葬儀社に就職することによって以下の3つのメリットが生まれます。
(1)スタッフが多いことにより、メンター(師匠)の選択肢が広がる
(2)施行件数が多いので、多くのバリエーションのお葬式が学べる。
(3)転職しやすい

くわしく説明していきましょう。

(1)スタッフが多いことにより、メンター(師匠)の選択肢が広がる

自分の師匠を3人の中から選ぶのと50人の中から選ぶのとどちら良いと思いますか?
答えは明らかですね。
それにスタッフが多ければ、司会はAさんから、設営はBさんから、接客はCさんからというようにそれぞれの得意分野から学ぶという方法も可能です。

(2)施行件数が多いので、多くのバリエーションのお葬式が学べる。

病院の外科部門のレベルは、手術件数に比例するそうですが、それと同じです。
件数が多ければ、遺族の希望を取り入れた無宗教葬だの、お寺での設営だのいろんなバリエーションのお葬式に出会えます。
その結果、短期のスキルアップが可能になります。

(3)転職しやすい
狙っている葬儀社が葬祭ディレクター受験を奨励しているなら5年間勤めて1級取ってもいいでしょう。
(この時も、試験の情報提供をしてくれる先輩が多い方が有利です)
多少転職時にプラスになると思います。
ないよりあった方が、という程度ですけど。

そして転職の際、大手に在籍していることが生きるのです。
大手→零細への就職は求人のタイミングさえ合えば楽ですが、
零細→大手は難しいことが多いです。
教育システムが確立しているところほど、他社の色がついていることを嫌いますから。

また
ネット上でたまに、
「小さい葬儀屋は大きい葬儀屋よりもレベルが高い」
という説を唱える方がいます。
それは葬儀業界は零細業者が多いため、
ポジショントーク(自分の立場を有利にするための話)
として、そう発言される方が多いだけの話です。
大手が零細より劣っているという論理的な根拠はありません。

いかがでしょうか?

大きな葬儀社を狙うべき
という私の考えがお分かりいただけたでしょうか?

ところで「大きい」って基準はあいまいですけど
30人以上の規模と考えてもらって良いでしょう。
といっても、葬儀業界は零細企業が多いので、30人以上の規模の葬儀社って全体の7%くらいしかありません。
(参照:就職活動の思い出) 

それから
大手でも会館の仕事しかないところは、スキルアップの観点から言うとちょっと心配
ですね。
外現場の仕事(貸し式場・自宅・寺院)などの仕事を覚える機会を失いますからね。
特に貸し式場が多い首都圏では、この点は重要です。

地元に大手の葬儀社がない場合は、期間限定の修行期間と割り切って都市部へ出て行っても良いのではないでしょうか。 


4就職活動の戦略を立てる

就職活動中の学生の方なら、数は少ないながらも、
葬儀社の求人情報は来ているはずです。
そういう葬儀社は、大手で且つ教育にも力を入れているはずなので狙い目です。

新卒でない方も学生向けのリクルート情報にアクセスして求人募集を行っている葬儀社にダメ元でコンタクトを取ってみましょう。
大手葬儀社でもその辺(志望資格)はいい加減なので、強く押せば何とかなるかもしれません。

それから大手でも求人広告を出していないところは多いです。
でも葬儀社は人手不足で、人材が流動的なので、
これもダメ元で直接葬儀社に求人がないか連絡を取ってみましょう。
新卒の学生の方も同様です。

必ず第一志望に受かるわけではないのですから、リクルートに求人広告を出している葬儀社以外にも、
コンタクトを取って、選択肢はたくさん持つようにすべきです。

私の場合、当時(十数年前)はインターネットがなかったので、タウンページを開いて、良さそうなところに直接電話しました。
でも当時は学生の就職活動って言うだけで、相手が引いてね。
なかなか、会ってもらえなかったです。
それに比べたら今なんて
(と、飲み屋のうっとしい先輩みたいなことを言ってみる)

面接


面接担当者が就職希望者を見るポイントは2点
頑丈(体力がある)
やる気があるか
です。

先ほど葬儀屋にはホスピタリティが必要と申し上げましたが、
それは自分の中のモチベーションの維持に不可欠なのであって、
採用担当者側はそれほどホスピタリティに関しては気にしないです。
短時間の面接ではホスピタリティの有無が分からないってこともありますが。

もちろんホスピタリティをアピールできるエピソードがあれば、アピールポイントにはなります。
(ただし葬儀社によっては、ホスピタリティをアピールする人を嫌うところもあります。
ただ稼いでくれたらいいんだ、ってところですね。
そんなところこちらからお断り、っていう気概を持ちましょう)

そんなわけで、
受かりたければ面接や提出書類には多少色を付けて
頑丈でやる気があるところをアピールしてください。
趣味はトライアスロンです、
とか(^^;)

私の場合、履歴書とは別に、
「いかに御社に入りたいか」
という想いを便せんに何枚か書き連ねて、第一志望の葬儀社の人事部長宛に送りました。

数日後に人事部の方から直接会いたいとの電話があり、内定をもらいました。
正直に申し上げますとその当時
「俺を採用しないで、誰を採用するのか!」
と思っていました。
自信過剰と言うより、この仕事をやりたい!って気持ちでは誰にも負けないという自信があったと言うべきでしょうか。
いや、やはり自信過剰だな(^^;)

また志望動機を語るには
自分のお葬式に関する体験談から話を持って行くのが良いと思います。

それから会社説明会や面接の時に
福利厚生系の質問をしてはいけません。
そんなものは葬儀業界に存在しないからです。
ワークライフバランスという言葉を知っている時点で葬儀屋失格です。
会社に毎日泊まり込んでいいですか?という質問ならOKです。
後半は冗談ですが、休みや勤務時間を気にする人は多分落とされます。

それから互助会を受けたとき、
私以外全員が「結婚式」部門に行きたいと言っていたのには、大変失礼ながら「バカだな」と思いました。
採用されたければ、人材の需要があって供給が少ない葬儀施行部門に行きたいと言えばいいのです。
配属の希望先を言ったところで、採用されなければどうしようもないし、逆に採用されてしまえば入社してからどうにでもなるでしょう。

そして
特に大学4年の人にとって、最後のハードルが自分の「親」

です。
「葬儀屋に就職させるために、おまえを大学に入れたんではない」
と言う論理ですね。

説得してください。

自分の親すら説得できないような、理論武装と熱意が欠けている人ならば、
結局葬儀の修羅場をくぐり抜けることはできないでしょう

と、偉そうなことを言ってみました。

なんだかんだ書きましたが、基本的になり手が少ないので、他業種の同規模の企業に比べれば格段に入りやすいと思いますよ。

こういう言い方をすると身も蓋(ふた)もないんですが
採用されるための最大の要因は、
採用されることを目指す人の能力より、
求人のタイミングの方なのかも知れない

と思うことがあります。

優秀だけど、求人がなかったとか。
それほど優秀でなくても、たまたま人手不足のタイミングだったので、採用されてしまったとか。
もちろん、そんな形で採用されても、入社してからが大変なんですけどね。

葬儀社は入ってからの方が大変なんです。
アメリカの大学みたいですね。

とにかく採用されたいなら
まずは、一つでも多くの良い葬儀社を見つけて、
たくさんコンタクトをとることでしょう。


5無事合格、とその後

葬儀社に採用が決まりましたか?

おめでとう。

拍手

地獄はここからです(T_T)

なんてね
(⌒〜⌒)

とにかく最初の1年は持ちこたえてください。
だんだんうまくやっていけるようになります。

3年経ったら、なんとか一人前になっているでしょう。
もちろん葬儀屋さんの仕事は一生勉強なんですけど
(うわー偉そうなこと言ってるよ、俺)
葬儀業界の人材マーケットで売り物になるレベルには達しているという意味において、
一人前になっていると思います。

転職の際には何かアピールポイントを持っているといいですね。
(それにしても職業は変えないから、正確には転職じゃなくて転社だとおもうんですけどね)

では長期間勤める葬儀社を探し始めましょう。
(運良く最初に勤めた葬儀社が、良い葬儀社なら勤め続けてもいいですけど。)

多分今の段階で地元の他の葬儀社の情報はかなり入ってきているでしょう。
なぜなら、霊柩車や料理や返礼品は外部の専門業者に委託するケースが多く、当然その業者は他の葬儀屋とつきあいがあるので、
他社の情報は筒抜けになりがちなんです。

あそこは経営が危ないとか、2代目がバカだとか、悪いことをしているらしいとか
消去法の際に使える情報はどんどん入ってくると思いますよ。

ここから先の転職は皆さんの価値観の問題です。

転職先の葬儀社選びの基準は、皆さんそれぞれでしょうけど、私なら
「お客さんのために」って同僚に真顔で言っても許される葬儀社
ですかね。
意外と少ないと思いますよ。
チラシには平気でそんなセリフのせるくせにね。

あと
集客手段が少ない葬儀社はやめた方がいい
ですね。
特定の団体とか一つのお寺としかパイプが無いところはリスクの分散が出来ていないので、危険だと思います。

まあ転職に失敗したら、また次を探せばいいんですけどね。

私の勤める葬儀社には、出戻ってくる人ってまれにいますよ。
どんだけ雇用ルートが流動的やねん、という話なんですけど。

それでも良い葬儀社が見つからなければ・・・
独立ですかね?
もちろんそれも有りですが、
オリジナリティがあり且つマネされにくいビジネスモデルがある

資本提供してくれるスポンサーがある
のどちらかでないと、これからは難しいと思います。

いろいろ書いてきましたけど、
私の希望としては
1人でも多くの良い人材が葬儀屋さんになって、
この業界を変えて欲しいです。

是非、葬儀業界に。

合格

お待ちしてます!
(⌒-⌒)


<2009年07月24日>記載