葬儀屋さんの服装の話の2回目、
アイテム別の話です。


靴が汚いと全身がみすぼらしく見えてしまいます。
靴のデザインは
内羽根(靴紐を通す部分の皮が靴の外側に出ていないタイプ)の
ラウンド・トゥ(つま先が丸い)の
ストレートチップ(つま先に一本、線がある)
でしょう。
↓こんな靴です。
ストレートチップ
これがもっともフォーマルに見える靴です。
色はもちろん黒。

わたしはプライベート用の靴は5〜8万円くらいのものを履いてます。
唯一の道楽です。
昔はそんな高い靴、誰が履くねん!と思っていました。
しかし底を張り替えて使えば10年は軽くもつということが分かり、
むしろ高い靴の方が割安だと感じるようになりました。

しかしこのクラスの靴は仕事では使えません。

一般の方は式場ですまして立っている葬儀屋さんの姿しか
ご存じないと思いますが、
裏では肉体労働なのです。
設営作業の場合はスポーツシューズを履きますが、
自宅に訪問して御遺体や御棺をお持ちするときは、
当然革靴です。
で、このとき両手は御遺体や御棺をお持ちしたままなので、
外に運び出すときは、当然靴べら無しで
靴を履かないといけません。
手荒に靴をはくのですぐに踵(かかと)がダメになってしまいます。

それで私はASBEEという靴屋さん(名古屋発で全国展開しています)の、
オリジナルの内羽根のストレートチップを購入して3足のローテーション
(この方が靴を休めることができて、長持ちします)
で使っています。
1万円を切る内羽根のストレートチップは少ないので重宝します。
この靴のラスト(木型)が合う方にはおすすめです。

とはいえ定期的に手入れをしても、やはり、皮の表面が部分的にはげてくるので、
傷の補修クリーム(普通の靴のクリームではなく傷補修用です)で
メンテナンスしています。
それでも皮は痛んでくるので、ヒール(かかとの底の部分)を交換したりしないで、
ヒールがダメになったタイミングで、買い換えます。

制服
式用の制服が支給される葬儀社が増えてきたようです。
しかし、事前に採寸した場合でも、
まずサイジングは狂っていると考えた方が良いでしょう。
大体、オーバーサイズです。
大げさな言い方をすると、
メンズの服は1僉▲汽ぅ献鵐斡犬辰討い討發覆鵑変な感じになります。

私は修理屋さんに持ち込んで肩以外の直せるところは可能な限りお直しします。
ほんの少しタイトめにするとデキル感じに見えます。
(個人差ありますけど)

時計
よく高級機械式腕時計を付けている葬儀屋さんを見かけます。
それでなくても
「葬儀屋は儲かっている」
という世間のやっかみ(誤解?)がありますから、やめた方がよいと思います。
基本的に葬儀屋さんは黒子ですから
相手が受ける印象よりも、自分の趣味を優先するようではまだまだだと思います。

あとはビジネスマナーの本に書かれている常識の範囲内で大丈夫です。


と、ここまでは基本です。

しかし私の場合変則的に、わざと隙(すき)を作ります。
なぜかというと、私は見た目が固いタイプなのです。
病院内業務で白衣を着ていて、医者に間違われることもたまにあります。

プレゼンとか講義とか取材のときは、このルックスは重宝するのですが
葬儀の打合せの場合、堅苦しくてお客さんが気軽に質問しづらいのではないか、
と心配になるのです。
打合せは、いかにお客さんに情報を発信させるか、という部分があるので
相手を気後れさせないようにしなければなりません。
(参照:コンプレインが多いお客様はやりやすい

そのため、
シャツのカラーステイを抜いたり(襟が柔らかく見えます)
ネクタイのノット(結び目)下のディンプル(くぼみ)をわざと左右非対称にしたり
ってことをやって
やり過ぎない程度の「抜け感」を作ります。

どこまで効果があるか分からないのですが、
男の装いって、自己満足の部分と、
それが与える精神的な安定の部分が大きいですからね。

それでもまだお客さんが緊張していて固いなと思うときは、
わざと小さなドジ(頭を鴨居や天井の電灯ににぶつけたり)をふむときもあります。

余談ながら、休みの日は
シャツにカラーステイを入れて、ディンプルも左右対称、
クリース(折り目)の入ったパンツにジャケットでタイドアップしているので、
同僚からは
「休みの日の方が、きっちりしている」
と言われます(^^;)

レアケースですけど、私みたいな人は、ご参考までに。


<2009年08月22日>記載